ショタパパ ミハエルくん(耳の痛い話バージョン)あるいは、(とっ散らかったバージョン)

京衛武百十

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第三幕

他人から批判を浴びるのが嫌

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『親の所為にするな!』

と声高に叫ぶのは、

『子供がどんな人に育つのかは親による』

というのを認めてしまうと、それを理由に批判を浴びることになるから?

『他人から批判を浴びるのが嫌』

だと言うのなら、なぜ、自分の子供に、

『無関係な他人をむやみやたらと批判するのは好ましくない』

と分からせようとしないの? 自分の子供が、別に直接被害を受けたわけでもない相手を<批判>を口実に罵っているのを放置してるの?

『自分は批判されるのは嫌だけど、自分の子供の矛先が他人に向いているのはいい』

ということなの?

僕はそうは思わない。むしろ、僕やアオに対して何らかの不平不満があるなら、直接、僕やアオに言ってほしい。それについては、ちゃんと耳を傾けるから。

『育ててやった恩も忘れて親を批判するとか、この恩知らず!』

なんてことは思わないよ。

だけど不思議なものでね。そうしてると、子供の方も言ってこないんだ。つまり、『育ててやった恩も忘れて親を批判するとか、この恩知らず!』と考えてるその態度こそが、子供の不平不満を募らせるということなんだろうね。皮肉な話だけど。

『無関係な他人をむやみやたらと批判するのは好ましくない』ということを自分の子供にちゃんと分からせようとしない親がいるから結果として自分も些細なことで他人にあれこれ言われるし、

『育ててやった恩も忘れて親を批判するとか、この恩知らず!』と考えるから、親に恨みを持つ子供は、親に歯向かうことこそが的確にダメージを与える行為になるというのを察するんだ。

自分の<弱点>を子供に対して示してるのと同じなんだよ。

僕もアオも、悠里ユーリ安和アンナ椿つばきの不平不満には普段から耳を傾けるようにしていることでそれを溜め込まずに吐き出せるし、『育ててやった恩も忘れて親を批判するとか、この恩知らず!』なんて考えていないから、僕やアオに歯向かったところでダメージにならないことも悠里達は知ってるんだ。

ただ単に『悠里達が<いい子>だから僕やアオに歯向かったりしない』というのとは違う。明確に、

『歯向かわなくちゃいけない<理由>がない』

ということなんだよ。

物事にはすべて、<原因>があってこそ<結果>がある。自分の子供がどういう人に育つかにも、ちゃんと<原因>がある。<理由>があるんだ。

その原因や理由に目を向けずに自分にとって都合のいい結果だけを求めようとするから、上手くいかない。

『親の所為にするな!』

で原因や理由から目を逸らそうとしていたら、適切な対処はいつまでたってもできないよ。

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