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第三幕

学校は、親の尻拭いをする機関じゃない

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人間の多くは、子供が二十歳を過ぎたらもう親に責任はないと思ってるみたいだけど、それがいかに不合理な考え方かを示す事例は無数にあるはずなのに、その事実と向き合おうとしないのはなぜ?

自分の子供が他人への攻撃性を制御する方法を身に付けさせる義務が親にはあって、それが達成できてない限りは<親の責任>は消滅しないと僕は考えてる。

なぜなら、それをしなければいけない義務は、他人にはないから。

学校などがそれをしてくれるのを期待しているんだとすれば、<無責任の極み>というものじゃないの?

<学校>というはあくまで親に成り代わって子供に<教育>を施す機関であって、

<未熟だったり無責任だったりする親の代わりに、子供に、自分の人生の歩み方や自身の攻撃性の制御の仕方を教導する機関>じゃないんだよ?

少なくとも、そういう機関としては編制されていないし、そこに配される<教師>も、

<子供に対して、自分の人生の歩み方や自身の攻撃性の制御の仕方を教えるという技術>

を学んではいないはずだけど? 本来の役目じゃないことを押し付けようとするから、教師達の負担が増えて、結果、精神を病んだりするんじゃないの?

<学校で学問を学ぶ姿勢>

を子供に身に付けさせるのは親の役目であって、教師の役目ではないはずだよ?

確かに、学校には、<生徒指導>や<生活指導>と呼ばれる役目を負った教師がいたりするかもしれないけど、その実態は、決して、

<専門的な知識や技術を習得したスペシャリスト>

ではないよね? 子供がする、<学級委員>や<図書委員>といったものと大差ない、<形だけの役目>だよね?

教師の仕事は、あくまで、学問の知識を伝えること。それ以外については、事実上、<素人>だよね? だって、専門的な知識や技術を習得してるんじゃないんだから。

<専門的な知識や技術を習得したスペシャリスト>がプロのスポーツ選手だとするなら、

<単に現場で多少の経験を積んだだけの教師>は、草野球の選手って感じだと思うけどな。

そう、あくまで<アマチュア>。<素人>。

そんな<素人>に、親は、本来は自分がするべきことを押し付けてきたんだよ?

そういう、

<専門的な知識や技術を習得したスペシャリストじゃない素人達>

が引き起こしてきた数々の問題について、どうして見て見ぬフリをするの?

親が、本来は自分達がするべきことを学校に押し付けたことで生じた問題じゃないの?

学校は、<親の尻拭いをする機関>じゃないんだよ?

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