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ミハエルの日常 その16
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この世は本当に思うに任せないことばかりだ。
他人の振る舞いを見ていて、
『どうしてこの程度のことも分からないんだ!?』
と憤ることも多いだろう。
けれど、そこで敢えて冷静になって、自分自身を客観視する必要があるのではないだろうか?
自分は、他人から、
『どうしてこの程度のことも分からないんだ!?』
と言われたことが、本当に、一度もないのか?
一度でも言われたことがあるのなら、自分も、他人の目からは、
<この程度のことも分からない奴>
に見えているということのはずである。
<この程度のことも分からない奴>が、
<この程度のことも分からない奴>を、
『どうしてこの程度のことも分からないんだ!?』と見下す。
客観的に見て、実に滑稽だとは思わないか?
非生産的だとは思わないか?
ミハエルはそれを非生産的だと思うからこそ、他人を見下すことはしないでおこうと思っている。
『どうしてこんなことも分からないの?』
と思ってしまうことはあっても、そう思ってしまうのは自分が<未熟>だからと考え、未熟な自分に甘えて感情的になることは避けようと心掛けている。
世の中には、
『言いたいことも言えないのはおかしい!!』
と考える向きがあるらしいが、それを言うのなら、自分に対しても他人が言いたいことを言えるのが当然なのではないか?
自分がネット上に発信したことに対して、他人が思ったこと感じたことを言うのは、当然ということにならないか?
自分だけが一方的に言いたいことを言うための盾として、
『言いたいことも言えないのはおかしい!!』
と口にするのは、卑劣な行為ではないのか?
他人が、『言いたいことも言えないのはおかしい!!』からと発信したことが、自分にとっては嫌なことだったら途端に被害者ぶるのはおかしくないか?
自分が言いたいことを言えるなら、他人も言いたいことを言えなくてはおかしいはずだが?
たとえそれが自分にとっては辛いことであっても嫌なことであっても、
『言いたいことも言えないのはおかしい!!』
と言うのなら、他人が言いたいことを言っても当然のはずだが?
にも拘らず、
『嫌なことは言われたくない!!』
と考えるのなら、
『言いたいことも言えないのはおかしい!!』
という理屈は成立しないはずだが?
ミハエルはそれを理解しているからこそ、この時点で自分が思ったことをそのまま口にしていいのかどうかを考えるし、言葉も選ぶ。
『これは言わなくてはいけない』
と思ったことについても、<言い方>は考える。
それを、子供達にも伝えてきたし、自ら手本を示すようにしてきた。
<躾>などしなくても、これで十分に伝わる。
親が自ら手本を示し、子供に真似をしてもらうようにすれば、それで事足りるはずではないだろうか?
他人の振る舞いを見ていて、
『どうしてこの程度のことも分からないんだ!?』
と憤ることも多いだろう。
けれど、そこで敢えて冷静になって、自分自身を客観視する必要があるのではないだろうか?
自分は、他人から、
『どうしてこの程度のことも分からないんだ!?』
と言われたことが、本当に、一度もないのか?
一度でも言われたことがあるのなら、自分も、他人の目からは、
<この程度のことも分からない奴>
に見えているということのはずである。
<この程度のことも分からない奴>が、
<この程度のことも分からない奴>を、
『どうしてこの程度のことも分からないんだ!?』と見下す。
客観的に見て、実に滑稽だとは思わないか?
非生産的だとは思わないか?
ミハエルはそれを非生産的だと思うからこそ、他人を見下すことはしないでおこうと思っている。
『どうしてこんなことも分からないの?』
と思ってしまうことはあっても、そう思ってしまうのは自分が<未熟>だからと考え、未熟な自分に甘えて感情的になることは避けようと心掛けている。
世の中には、
『言いたいことも言えないのはおかしい!!』
と考える向きがあるらしいが、それを言うのなら、自分に対しても他人が言いたいことを言えるのが当然なのではないか?
自分がネット上に発信したことに対して、他人が思ったこと感じたことを言うのは、当然ということにならないか?
自分だけが一方的に言いたいことを言うための盾として、
『言いたいことも言えないのはおかしい!!』
と口にするのは、卑劣な行為ではないのか?
他人が、『言いたいことも言えないのはおかしい!!』からと発信したことが、自分にとっては嫌なことだったら途端に被害者ぶるのはおかしくないか?
自分が言いたいことを言えるなら、他人も言いたいことを言えなくてはおかしいはずだが?
たとえそれが自分にとっては辛いことであっても嫌なことであっても、
『言いたいことも言えないのはおかしい!!』
と言うのなら、他人が言いたいことを言っても当然のはずだが?
にも拘らず、
『嫌なことは言われたくない!!』
と考えるのなら、
『言いたいことも言えないのはおかしい!!』
という理屈は成立しないはずだが?
ミハエルはそれを理解しているからこそ、この時点で自分が思ったことをそのまま口にしていいのかどうかを考えるし、言葉も選ぶ。
『これは言わなくてはいけない』
と思ったことについても、<言い方>は考える。
それを、子供達にも伝えてきたし、自ら手本を示すようにしてきた。
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親が自ら手本を示し、子供に真似をしてもらうようにすれば、それで事足りるはずではないだろうか?
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