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自分の周りには
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まったく違うタイプの人間に絡まれることもある一方、<似たようなタイプ>は、それまでの付き合いが途切れても、新しい環境でも結局は新しい<似たようなタイプ>とつるむことになるので、
『類は友を呼ぶ』
が成立してしまうのだろうと思われる。
『自分の周りには嫌な人間しかいない!』
と嘆くのであれば、もしかすると自分自身がその<嫌な人間>になってしまっていないだろうか?
自分の周りにいる人間を<嫌な奴>と感じるのは、そもそも自分の嫌な面を見せ付けられるから嫌だったりするのでは?
アオはそれに気付いたから、無駄にストレスを感じずに済むようになった。いちいち他人の嫌な部分、いや、他人を介して見える自分の嫌な部分を気にしてストレスを感じなくて済むようになった。
「何度も言うように、人間は完璧じゃない。これは、人間だけじゃなくて吸血鬼やダンピールも同じだと思う。
だったらさ、自分以外の人達が吸血鬼やダンピールも含めて、欠点とか自分とは合わない部分があるってことでいいと思うんだよ。
でも、その中でも、自分にとって一緒に駄目な部分を乗り越えていこうと思える相手がいたらさ、手を取り合って生きていけばいいと思うんだ。
だけどそういう相手に出逢うのは簡単じゃない。でも他人に押し付けられるのも嫌だ。そう思うんだったらさ、出逢えない限りは結婚しなくていいよ。別に結婚しなくたってこうやって私達で力を合わせて生きていけばいいじゃん。
自立とか自活ってさ、家族といがみ合うことじゃないと私は思うんだよね。
だって、洸は今もさくら達と一緒に暮らしてるけど、ちゃんと自立もしてるし自活もしてるじゃん。エンディミオンのことでもし自分の力が必要になったりしたらすぐに力になるために一緒に暮らしてるんでしょ?
それで何が悪いのさ?
自分の大好きな家族の力になりたいというのがそんなに変?
恵莉花ももうそうだよね。<フラワーショップ・エリカ>は、確かにエンディミオンが好きな花いじりを仕事にするための隠れ蓑として設立したものだけど、今じゃ恵莉花が育てた花も、エンディミオンのに負けず劣らず売り上げに貢献してるんでしょ? だったらもう、自活できてるようなもんだよね。
前提が逆なんだよ。『家族と一緒に暮らしてるから自立できてない、自活できてない』じゃないんだ。『他人が思ってるあれこれに振り回されて自分を貫けてない』状態は、たとえ一人暮らししてたって自立なんてできてないよ。体裁を気にして形だけ一人暮らししてるように見せかけてるのなんて、そんなの自立じゃないと私は思う」
『類は友を呼ぶ』
が成立してしまうのだろうと思われる。
『自分の周りには嫌な人間しかいない!』
と嘆くのであれば、もしかすると自分自身がその<嫌な人間>になってしまっていないだろうか?
自分の周りにいる人間を<嫌な奴>と感じるのは、そもそも自分の嫌な面を見せ付けられるから嫌だったりするのでは?
アオはそれに気付いたから、無駄にストレスを感じずに済むようになった。いちいち他人の嫌な部分、いや、他人を介して見える自分の嫌な部分を気にしてストレスを感じなくて済むようになった。
「何度も言うように、人間は完璧じゃない。これは、人間だけじゃなくて吸血鬼やダンピールも同じだと思う。
だったらさ、自分以外の人達が吸血鬼やダンピールも含めて、欠点とか自分とは合わない部分があるってことでいいと思うんだよ。
でも、その中でも、自分にとって一緒に駄目な部分を乗り越えていこうと思える相手がいたらさ、手を取り合って生きていけばいいと思うんだ。
だけどそういう相手に出逢うのは簡単じゃない。でも他人に押し付けられるのも嫌だ。そう思うんだったらさ、出逢えない限りは結婚しなくていいよ。別に結婚しなくたってこうやって私達で力を合わせて生きていけばいいじゃん。
自立とか自活ってさ、家族といがみ合うことじゃないと私は思うんだよね。
だって、洸は今もさくら達と一緒に暮らしてるけど、ちゃんと自立もしてるし自活もしてるじゃん。エンディミオンのことでもし自分の力が必要になったりしたらすぐに力になるために一緒に暮らしてるんでしょ?
それで何が悪いのさ?
自分の大好きな家族の力になりたいというのがそんなに変?
恵莉花ももうそうだよね。<フラワーショップ・エリカ>は、確かにエンディミオンが好きな花いじりを仕事にするための隠れ蓑として設立したものだけど、今じゃ恵莉花が育てた花も、エンディミオンのに負けず劣らず売り上げに貢献してるんでしょ? だったらもう、自活できてるようなもんだよね。
前提が逆なんだよ。『家族と一緒に暮らしてるから自立できてない、自活できてない』じゃないんだ。『他人が思ってるあれこれに振り回されて自分を貫けてない』状態は、たとえ一人暮らししてたって自立なんてできてないよ。体裁を気にして形だけ一人暮らししてるように見せかけてるのなんて、そんなの自立じゃないと私は思う」
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