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尊敬してもらえる素地と、それを台無しにする要因
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悠里も安和も、父親であるミハエルを信頼しているし尊敬している。
それはこうして、しっかりと自分達のことを見てくれているという実感があるからだった。
<力比べ>も真剣に相手してくれるから、自分達にはできないことができて、しかも力も圧倒的に上だというのがすごく分かる。
そのことだけでも十分に尊敬に値すると感じてる。
こうやって普通に相手をするだけでも尊敬してもらえる素地はあるはずだ。
なのに世の中には、
『子供が自分を尊敬してない』
とボやく父親がいる。
それは何故なのだろう?
おそらく、理由は実に単純なはずだ。父親自身の普段の振る舞いの中に、
<尊敬に値する部分を帳消しにして余りあるマイナス要因>
があるからだろう。
と言うか、それ以外に何か原因があるだろうか?
まあ、
<他人の所為>
にすれば、いくらでも理由は上げられるかも知れないけれど、そうやって他人の所為にして自分を正当化している父親が、子供に対して、
『他人の所為にするな!』
とか言っていたりしないだろうか?
自分が不遇なのを他人の所為にして文句ばかり言ってる人間が、『他人の所為にするな!』と言いながら説教とかしてきたら、どう感じるだろうか?
そんな人間を尊敬できるだろうか?
自身を客観的に評価できない人間から偉そうに自分の評価をされて、納得できるだろうか?
<子供に尊敬してもらえないことに文句を言っている父親>
というのは、つまるところ、
<自身が評価されない理由を自らは客観視せず、他人の所為にして、ただ文句を言っているだけの人間>
ということにならないだろうか?
そういう部分が、子供から見て単純に尊敬に値する部分をすべて台無しにしているのではないだろうか?
こう言うと猛烈に反発する者も多いだろうけれど、そうやって、
『他人の所為にしている』
その姿が他人からはどう見えるか?ということを客観視できていない何よりの証拠にならないだろうか?
相手を尊敬するかどうかは、その判断をする本人の専権事項である。他人が強要することはあってはならない。干渉してはならない。そうやって得たものは<尊敬>ではない。
ただの<太鼓持ち>やそれに類するものであると思われる。
ということは、それを相手に強要しうる効果を発揮する<何か>が損なわれれば、当然、すぐさま手の平を返されるだろう。
長命な吸血鬼であるミハエルはそういう実例を数多く見てきた。自分にそれを当てはめて考えるだけの時間的余裕もたっぷりとあった。
だから悠里と安和に、
『親を尊敬しろ』
なんて強要はしない。そうやって得たものは尊敬などではないことを知っているのだから。
それはこうして、しっかりと自分達のことを見てくれているという実感があるからだった。
<力比べ>も真剣に相手してくれるから、自分達にはできないことができて、しかも力も圧倒的に上だというのがすごく分かる。
そのことだけでも十分に尊敬に値すると感じてる。
こうやって普通に相手をするだけでも尊敬してもらえる素地はあるはずだ。
なのに世の中には、
『子供が自分を尊敬してない』
とボやく父親がいる。
それは何故なのだろう?
おそらく、理由は実に単純なはずだ。父親自身の普段の振る舞いの中に、
<尊敬に値する部分を帳消しにして余りあるマイナス要因>
があるからだろう。
と言うか、それ以外に何か原因があるだろうか?
まあ、
<他人の所為>
にすれば、いくらでも理由は上げられるかも知れないけれど、そうやって他人の所為にして自分を正当化している父親が、子供に対して、
『他人の所為にするな!』
とか言っていたりしないだろうか?
自分が不遇なのを他人の所為にして文句ばかり言ってる人間が、『他人の所為にするな!』と言いながら説教とかしてきたら、どう感じるだろうか?
そんな人間を尊敬できるだろうか?
自身を客観的に評価できない人間から偉そうに自分の評価をされて、納得できるだろうか?
<子供に尊敬してもらえないことに文句を言っている父親>
というのは、つまるところ、
<自身が評価されない理由を自らは客観視せず、他人の所為にして、ただ文句を言っているだけの人間>
ということにならないだろうか?
そういう部分が、子供から見て単純に尊敬に値する部分をすべて台無しにしているのではないだろうか?
こう言うと猛烈に反発する者も多いだろうけれど、そうやって、
『他人の所為にしている』
その姿が他人からはどう見えるか?ということを客観視できていない何よりの証拠にならないだろうか?
相手を尊敬するかどうかは、その判断をする本人の専権事項である。他人が強要することはあってはならない。干渉してはならない。そうやって得たものは<尊敬>ではない。
ただの<太鼓持ち>やそれに類するものであると思われる。
ということは、それを相手に強要しうる効果を発揮する<何か>が損なわれれば、当然、すぐさま手の平を返されるだろう。
長命な吸血鬼であるミハエルはそういう実例を数多く見てきた。自分にそれを当てはめて考えるだけの時間的余裕もたっぷりとあった。
だから悠里と安和に、
『親を尊敬しろ』
なんて強要はしない。そうやって得たものは尊敬などではないことを知っているのだから。
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