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罵り合いなど時間の無駄
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自分の作品のアンチに対して無闇に反論しなくても、他人を貶し攻撃するようなタイプの人間は日常的に他人に対して攻撃的に振舞うので、どうせそこで反撃されて嫌な思いをすることになる。
自分の作品だけじゃなく、きっと他の作品に対しても似たようなことをしているだろう。そこで他人から顰蹙を買い批判を浴びたりもするだろう。理性的な<話し合い>であればまだしも、ただの罵り合いに過ぎないようなレスバトルを繰り返し、何十分も何時間も無駄にするかもしれない。
そんなことをする暇があるなら、自分が好きな作品を楽しめば有意義な時間をすごすこともできるというのに。
それが分かっているので、アオはアンチに対して自分で何かをしようとは思わないし、自分の作品のファンがアンチと争うことも望んでいない。自分で手を下さなくても、勝手に<報い>を受けることも分かっているから。
何より、アンチの相手をしている暇があるならこうして子供達の相手をしていたい。家族のために時間を使いたい。罵り合いなど時間の無駄としか思えないし、彼女にとっては何の価値もなかった。
「だって、ねえ。安和と話してる方が絶対楽しいじゃん」
アオはそう言うし、本気でそう思っていた。
ただそれも、子供達の方がアオと話すことを苦痛に感じていたら成立しない。
だとすればやはり、普段からこうやって普通に話ができる関係でないと難しい。ということは、アオの方が安和や悠里や椿の話を聞く姿勢を見せていなければ、自分の話は聞こうとしない親の方からただ一方的に話しかけられて嬉しい子供もそんなにいないだろう。
結局、そういう普段の細かな努力がこういうところで活きてくるという。
『情けは人のためならず』
とは、こういうことにも当てはまるのかもしれない。
『子供の話に丁寧に耳を傾けるという<情け>は、実は子供のためだけではなく、最終的には自分のためになる』
という意味で。
ちなみに、安和の話の大半は、昆虫に夢中なセルゲイに対する愚痴だった。
「こんな可愛い女の子がすぐそばにいるってのに虫ばっかり見てるってどうなの!?」
という感じで。
アオはそれについてもちゃんと聞いた上で、
「あはは♡ 私は事情を知ってるからいいけど、知らない人が聞いたら、変な顔をするかもしれないね」
と笑い話にしてみせた。なるほど確かに十二歳の少女が大人の男性(しかも超絶イケメン)に憧れるのは別に珍しくなくても、三歳くらいにしか見えない安和がそこまで言うのは『マセてる』どころじゃないだろう。
「ぐ……っ!」
アオのツッコミに安和は言葉を詰まらせる。
ただそれも、怒ってるわけじゃない。彼女にとっても思い当たる節があったからに過ぎなかったのだった。
自分の作品だけじゃなく、きっと他の作品に対しても似たようなことをしているだろう。そこで他人から顰蹙を買い批判を浴びたりもするだろう。理性的な<話し合い>であればまだしも、ただの罵り合いに過ぎないようなレスバトルを繰り返し、何十分も何時間も無駄にするかもしれない。
そんなことをする暇があるなら、自分が好きな作品を楽しめば有意義な時間をすごすこともできるというのに。
それが分かっているので、アオはアンチに対して自分で何かをしようとは思わないし、自分の作品のファンがアンチと争うことも望んでいない。自分で手を下さなくても、勝手に<報い>を受けることも分かっているから。
何より、アンチの相手をしている暇があるならこうして子供達の相手をしていたい。家族のために時間を使いたい。罵り合いなど時間の無駄としか思えないし、彼女にとっては何の価値もなかった。
「だって、ねえ。安和と話してる方が絶対楽しいじゃん」
アオはそう言うし、本気でそう思っていた。
ただそれも、子供達の方がアオと話すことを苦痛に感じていたら成立しない。
だとすればやはり、普段からこうやって普通に話ができる関係でないと難しい。ということは、アオの方が安和や悠里や椿の話を聞く姿勢を見せていなければ、自分の話は聞こうとしない親の方からただ一方的に話しかけられて嬉しい子供もそんなにいないだろう。
結局、そういう普段の細かな努力がこういうところで活きてくるという。
『情けは人のためならず』
とは、こういうことにも当てはまるのかもしれない。
『子供の話に丁寧に耳を傾けるという<情け>は、実は子供のためだけではなく、最終的には自分のためになる』
という意味で。
ちなみに、安和の話の大半は、昆虫に夢中なセルゲイに対する愚痴だった。
「こんな可愛い女の子がすぐそばにいるってのに虫ばっかり見てるってどうなの!?」
という感じで。
アオはそれについてもちゃんと聞いた上で、
「あはは♡ 私は事情を知ってるからいいけど、知らない人が聞いたら、変な顔をするかもしれないね」
と笑い話にしてみせた。なるほど確かに十二歳の少女が大人の男性(しかも超絶イケメン)に憧れるのは別に珍しくなくても、三歳くらいにしか見えない安和がそこまで言うのは『マセてる』どころじゃないだろう。
「ぐ……っ!」
アオのツッコミに安和は言葉を詰まらせる。
ただそれも、怒ってるわけじゃない。彼女にとっても思い当たる節があったからに過ぎなかったのだった。
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