ショタパパ ミハエルくん（耳の痛い話バージョン）あるいは、（とっ散らかったバージョン）

自分が置かれてる状況は

「私は、

『自分が置かれてる状況は、すべて自分が招いたもの』

みたいなことをよく言うんだけど、これ、あくまで自分自身を諌めるためのものだからね？　他人に対して言ってるんじゃないからね？

他人に対して言ってるように聞こえることもあるかもだけど、それは私の言い方が悪いだけで、別に本気でそう思ってるわけじゃない。

だってそうでしょ？　安和アンナと悠里ユーリがダンピールという存在に生まれたのは、絶対に安和と悠里の所為じゃない。二人が招いたものじゃない。百パーセント間違いなく私とミハエルの所為。

『すべて自分が招いたもの』っていう言い方が良くないのかな。『すべて』ってのが拙まずいんだよ。自分のやったことが結果として自分に返ってくるのは間違いないんだけど、だからって自分の置かれてる状況すべてが自分の招いたものだとは限らない。

さっきも言ったとおり、安和と悠里がダンピールとして生まれたのは私とミハエルの所為ってのもそうだし、虐待親のところに生まれた子供に、

『自分が置かれてる状況は、すべて自分が招いたもの』

とか当てはまるわけないじゃん。で、虐待を受けたことで形成された性格が子供の責任とか、『何言ってんの？』って思う。

『自分が置かれてる状況は、すべて自分が招いたもの』って言うんなら、子供がロクでもない人間に育ったら、それ、すべて親の責任ってことじゃないとおかしいからね？

まあ、私とミハエルはそう思って安和と悠里と椿つばきを育ててるけどさ。

だって、私とミハエルが安和と悠里と椿を生んだことがそもそものきっかけなんだし。

だから、

『自分が置かれてる状況は、すべて自分が招いたもの』

って、自分に言い聞かせるようにしてるんだよ。安和や悠里や椿に責任転嫁しないようにするためにさ。それだけの話。要は＜言葉のあや＞ってやつ。

だけどそれを他人に向けて発しちゃ、おかしなことになる。

ましてや、虐待親の下に生まれついただけの子供とか、通り魔の被害を受けた人相手にそれ言っちゃ、絶対にダメでしょ。

ただ、翻って、他人を傷付けるような真似をしたら、その報いは自分に返ってくるっていうのは事実。どういう形で返ってくるかはそれぞれだろうけど、全然関係ない形だったりするかもだけど、確かに返ってくるんだよ。

そういう意味では、『すべて』ではないにしたって、

『自分が置かれてる状況は、自分が招いたもの』

って言えると思う。

だからさ、他人を傷付けるようなことやらかしといてそれを誰かの所為にしようとしてる奴相手には、

『自分が置かれてる状況は、自分が招いたもの』

って言っちゃっても間違いじゃないとは思う。

でも気を付けないといけないのは、そこで『すべて』って付けないことかな。『すべて』って言ったら、被害者側にも当てはまっちゃうからさ。

ここはホント気をつけて欲しいと思ってる」