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ミハエル助けてぇ~!

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『またアオと椿つばきをよろしくお願いするよ』

ミハエルの言葉に、さくらはふわりと微笑んで、

「ええ、もちろん♡」

快く返した。むしろ頼まれるまでもない、さくら自身もそうしたいと思っているのだから。

それを確認し、ミハエルは安心した。これまでにも何度も確認して分かっていることだけれど、その度に安心する。

さくらが来たということは、これから仕事の打ち合わせのはずである。なので、

「はい、先生、仕事ですよ」

アオの首根っこを捕まえて、仕事部屋へと引っ張っていく。慣れたものだ。

「いや~ん、ミハエル助けてぇ~!」

アオも、『助けて』とは言うものの、それはただの寸劇のようなものだった。いつもの<お約束>だ。

「アオ、頑張って♡」

ミハエルに声援をもらうと、アオは途端に、

「にゃ~♡ がんばるぅ~♡」

蕩けるような表情になり、さくらと共に仕事部屋へと消えた。するとリビングに残された椿が、

「やれやれ、ママってばいつまで経ってもおこちゃまなんだから……」

呆れたように肩を竦めた。

それに対してもミハエルは穏やかに微笑む。椿が本気でアオを馬鹿にしてるわけじゃないと知っているから。

そんなこんなで、アオとはしばらく顔を合わせられないものの、椿とはしっかりと顔を合わせて話をした。

「今日の勉強は終わってる?」

ミハエルの問いかけにも、椿は、

「うん! あ~くんが見てくれたよ♡」

頬を染めながら隣に座ったあきらに抱きつきつつ応えた。それを微笑ましく見ながら、

「洸、いつもありがとう。助かってるよ」

洸に話しかける。それに対し洸も、

「ううん。僕も椿のこと好きだから、楽しいよ」

にっこりと笑顔で応える。書類上は三十二歳。実年齢は十八歳の洸だったけれど、その表情はどこかあどけなさすらあった。外見上も、紛れもなく<童顔>で、到底、三十過ぎには見えない。実年齢が十八歳だから当然かもしれないにしても、運転免許証の生年月日は三十過ぎのそれになっているので、納得するしかない。

しかし、童顔の爽やかイケメンともなればやはり女性にはウケが良く、勤めている臨床検査会社では、顧客である医院や病院の、事務の女性や看護師からは絶大な人気があった。そのおかげで営業としても十分な成果を上げている。

何しろ、医院や病院において実質的に大きな権限を持っている女性を味方につけてしまうので、話を通し易いのだ。

しかも洸自身、実年齢が十八歳と言っても、ミハエルや彼の<父親>から豊富な知識や知恵を学んでいるので、あどけなさそうに見えて実は頭も切れる、優秀な営業マンでもあった。

そういうところがまた椿にとっては魅力的なのだろう。

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