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またよろしく頼むよ
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『自分の大切な人にもしものことがあるというのを考えたくない。ましてやそれを想定して準備するとか、縁起でもない!!』
と考える人は多い。
でも現実に、事故や病気、場合によっては事件などで、突然、大切な人や家族を喪うというのは結構な頻度で起こっていることではないか。
それを、
『自分の身には降りかかるはずがない』
などと考えるのは、それこそ現実を見ていない人間のすることじゃないだろうか。
ミハエルは、人間同士の争いも何度も見てきているので、むしろそういう状況こそを身近に感じていていた。しかも、彼自身が、かつては人間に突然の不幸をもたらしていた存在である吸血鬼として生まれついた者。
<万が一>というものをまったく意識から追いやって生きるということができない存在だった。
「アオ、僕だって君にもしものことがあったりしたら悲しい。そんなことがあると考えるのも辛い。だけどね、辛いからって目を背けているだけだと、回避できるはずの不幸すら回避できないことだってあるんだよ。『自分は病気になんかなるはずがない』と思い込んで予兆があっても診察も受けずに手遅れになることだってあるじゃないか。それと同じことだよ」
穏やかに諭すようにそう言われては、返す言葉もなかった。それでも認めたくない人間はとにかく屁理屈をこねてでも否定しようとするだろうけれど、アオはそこまでじゃなかった。
「ミハエル~……」
子供のように駄々をこねながらでも、何とか理解はしてくれた。
そして今では、ミハエルや悠里や安和が世界各地で見聞してきたことを自分の小説に活かすまでになっていた。
それをふんだんに取り入れた、
『ショタ吸血鬼セルゲイ異聞シリーズ』
は、少年の姿をした吸血鬼セルゲイが世界のあちこちを旅していろいろな人間と出会い交流するという、いまやラノベ作家<蒼井霧雨>の代表作の一つともなっている人気シリーズだった。
もちろん、主人公の吸血鬼セルゲイは、彼女の(内縁の)夫ミハエルと息子の悠里と娘の安和三人をモデルにしたキャラクターである。
なので、三人の経験談そのままだったりもする。
ちなみに、小説の中のセルゲイは子供の外見でありながら一人旅をしているという、フィクションならでの体裁だけれど、さすがに現実では子供だけで世界中を旅するというのは、いくら実年齢はそうじゃないといってもいろいろ無理があるので、ミハエル達のそれには、大人の同行者がいる。
「やあ、久しぶり。またよろしく頼むよ」
そう言って笑顔で蒼井家を訪れたのは、ミハエルと同じさらりとしたプラチナブロンドの髪が目を引く美麗な白人青年だった。
「いらっしゃい、セルゲイ」
ミハエル、アオ、悠里、安和、椿の、蒼井家勢揃いで出迎えた彼こそ、ミハエル達の体裁上の<保護者>なのだった。
と考える人は多い。
でも現実に、事故や病気、場合によっては事件などで、突然、大切な人や家族を喪うというのは結構な頻度で起こっていることではないか。
それを、
『自分の身には降りかかるはずがない』
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ミハエルは、人間同士の争いも何度も見てきているので、むしろそういう状況こそを身近に感じていていた。しかも、彼自身が、かつては人間に突然の不幸をもたらしていた存在である吸血鬼として生まれついた者。
<万が一>というものをまったく意識から追いやって生きるということができない存在だった。
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「ミハエル~……」
子供のように駄々をこねながらでも、何とか理解はしてくれた。
そして今では、ミハエルや悠里や安和が世界各地で見聞してきたことを自分の小説に活かすまでになっていた。
それをふんだんに取り入れた、
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もちろん、主人公の吸血鬼セルゲイは、彼女の(内縁の)夫ミハエルと息子の悠里と娘の安和三人をモデルにしたキャラクターである。
なので、三人の経験談そのままだったりもする。
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「やあ、久しぶり。またよろしく頼むよ」
そう言って笑顔で蒼井家を訪れたのは、ミハエルと同じさらりとしたプラチナブロンドの髪が目を引く美麗な白人青年だった。
「いらっしゃい、セルゲイ」
ミハエル、アオ、悠里、安和、椿の、蒼井家勢揃いで出迎えた彼こそ、ミハエル達の体裁上の<保護者>なのだった。
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