68 / 106
そういう社会の是非について
しおりを挟む
羅美は、冬休み中は家でおとなしくしてた。帰ってから俺が見ててやると課題もちゃんとやってたようだ。一人じゃやる気になれないが俺が見てるとできるらしい。
もっとも、俺も正直、ほとんど内容を忘れているというのはある。だから俺が教えてやれるわけじゃないけどな。こうしてみると実際に学校で習ったことのどの程度が役立ってるのか?って話の場合は、
『まあ、なんかの専門職でもない限り、知識だけなら中学レベルでも十分に間に合うよな。てか、日常的に使う知識は身に付いてると助かるが、古文なんか使ったためしもないし、歴史とかも今は必要になった時点でスマホで調べられるしな』
とは、俺自身も思ってしまう。けど、たぶん、そうじゃないんだろう。課題とかテストとかってのは、
<自分に与えられた課題を確実にこなすことの練習>
だと考えれば個人的には納得がいく。もちろん、それ以外の価値を見出してるのもいるだろうから、俺の考えてるのが正しいとは言わないさ。あくまで『俺の場合は』ってだけのことだ。でも、子供に、
『なんで宿題とかテストとかしなくちゃいけないの?』
って訊かれた時には、
『大人になってから仕事をちゃんとできるようにするための練習だよ』
と答えられるようにしておくと気が楽だな。
『いい学校に行っていい会社に入るためだよ』
とかじゃあ、勉強が得意じゃない奴はもうその時点で人生を諦めなきゃいけないように受け取られそうだしな。
『学校の勉強は苦手だったが仕事はできる』
ってのは現にいるし。何より、ちゃんと仕事をこなしてくれることは何より大事だろ。
まあ俺の場合は、
『必要最小限だけこなしとけば問題ないだろ?』
的な考えだからなおのこと羅美に対して偉そうに言えないし。だから羅美も、とにかく出された課題だけこなしとけばいいさ。
そんなこんなで新学期が始まり、それに合わせて栗原からは、
「こちらの方から学校には、羅美さんについて体育の授業などについて今後すべて見学という形にしてもらうように申し入れておきました。妊娠のこともお伝えしましたが、やはり非常に困ったような様子でしたね。なお、体育の授業を見学する理由につきましては、対外的にはあくまでも<健康上の理由>で統一していただければと思います。学校側としても、生徒の妊娠というのが広まるのは好ましくないそうですので」
とのことだった。
「分かった。こちらとしてもそれでいい。別に、『妊娠してても普通に勉強できるべきだ!!』とまで言いたいわけでもないしな」
世間にはそういう主張をするのもいるとしても、俺は羅美をダシにしてそんなことを言いたいわけじゃない。そういう社会の是非について考える余裕もないし。
もっとも、俺も正直、ほとんど内容を忘れているというのはある。だから俺が教えてやれるわけじゃないけどな。こうしてみると実際に学校で習ったことのどの程度が役立ってるのか?って話の場合は、
『まあ、なんかの専門職でもない限り、知識だけなら中学レベルでも十分に間に合うよな。てか、日常的に使う知識は身に付いてると助かるが、古文なんか使ったためしもないし、歴史とかも今は必要になった時点でスマホで調べられるしな』
とは、俺自身も思ってしまう。けど、たぶん、そうじゃないんだろう。課題とかテストとかってのは、
<自分に与えられた課題を確実にこなすことの練習>
だと考えれば個人的には納得がいく。もちろん、それ以外の価値を見出してるのもいるだろうから、俺の考えてるのが正しいとは言わないさ。あくまで『俺の場合は』ってだけのことだ。でも、子供に、
『なんで宿題とかテストとかしなくちゃいけないの?』
って訊かれた時には、
『大人になってから仕事をちゃんとできるようにするための練習だよ』
と答えられるようにしておくと気が楽だな。
『いい学校に行っていい会社に入るためだよ』
とかじゃあ、勉強が得意じゃない奴はもうその時点で人生を諦めなきゃいけないように受け取られそうだしな。
『学校の勉強は苦手だったが仕事はできる』
ってのは現にいるし。何より、ちゃんと仕事をこなしてくれることは何より大事だろ。
まあ俺の場合は、
『必要最小限だけこなしとけば問題ないだろ?』
的な考えだからなおのこと羅美に対して偉そうに言えないし。だから羅美も、とにかく出された課題だけこなしとけばいいさ。
そんなこんなで新学期が始まり、それに合わせて栗原からは、
「こちらの方から学校には、羅美さんについて体育の授業などについて今後すべて見学という形にしてもらうように申し入れておきました。妊娠のこともお伝えしましたが、やはり非常に困ったような様子でしたね。なお、体育の授業を見学する理由につきましては、対外的にはあくまでも<健康上の理由>で統一していただければと思います。学校側としても、生徒の妊娠というのが広まるのは好ましくないそうですので」
とのことだった。
「分かった。こちらとしてもそれでいい。別に、『妊娠してても普通に勉強できるべきだ!!』とまで言いたいわけでもないしな」
世間にはそういう主張をするのもいるとしても、俺は羅美をダシにしてそんなことを言いたいわけじゃない。そういう社会の是非について考える余裕もないし。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ヤンデレ美少女転校生と共に体育倉庫に閉じ込められ、大問題になりましたが『結婚しています!』で乗り切った嘘のような本当の話
桜井正宗
青春
――結婚しています!
それは二人だけの秘密。
高校二年の遙と遥は結婚した。
近年法律が変わり、高校生(十六歳)からでも結婚できるようになっていた。だから、問題はなかった。
キッカケは、体育倉庫に閉じ込められた事件から始まった。校長先生に問い詰められ、とっさに誤魔化した。二人は退学の危機を乗り越える為に本当に結婚することにした。
ワケありヤンデレ美少女転校生の『小桜 遥』と”新婚生活”を開始する――。
*結婚要素あり
*ヤンデレ要素あり
学園のアイドルに、俺の部屋のギャル地縛霊がちょっかいを出すから話がややこしくなる。
たかなしポン太
青春
【第1回ノベルピアWEB小説コンテスト中間選考通過作品】
『み、見えるの?』
「見えるかと言われると……ギリ見えない……」
『ふぇっ? ちょっ、ちょっと! どこ見てんのよ!』
◆◆◆
仏教系学園の高校に通う霊能者、尚也。
劣悪な環境での寮生活を1年間終えたあと、2年生から念願のアパート暮らしを始めることになった。
ところが入居予定のアパートの部屋に行ってみると……そこにはセーラー服を着たギャル地縛霊、りんが住み着いていた。
後悔の念が強すぎて、この世に魂が残ってしまったりん。
尚也はそんなりんを無事に成仏させるため、りんと共同生活をすることを決意する。
また新学期の学校では、尚也は学園のアイドルこと花宮琴葉と同じクラスで席も近くなった。
尚也は1年生の時、たまたま琴葉が困っていた時に助けてあげたことがあるのだが……
霊能者の尚也、ギャル地縛霊のりん、学園のアイドル琴葉。
3人とその仲間たちが繰り広げる、ちょっと不思議な日常。
愉快で甘くて、ちょっと切ない、ライトファンタジーなラブコメディー!
※本作品はフィクションであり、実在の人物や団体、製品とは一切関係ありません。
ママはヤンママ女子高生! ラン&ジュリー!!
オズ研究所《横須賀ストーリー紅白へ》
キャラ文芸
神崎ランの父親の再婚相手は幼馴染みで女子高生の高原ジュリーだった。
ジュリーは金髪美少女だが、地元では『ワイルドビーナス』の異名を取る有名なヤンキーだった。
学校ではジュリーは、ランを使いっ走りにしていた。
当然のようにアゴで使われたが、ジュリーは十八歳になったら結婚する事を告白した。
同級生のジュリーが結婚するなんて信じられない。
ランは密かにジュリーの事を憧れていたので、失恋した気分だ。
そう言えば、昨夜、ランの父親も再婚すると言っていた。
まさかとは思ったが、ランはジュリーに結婚相手を聞くと、ランの父親だと判明した。
その夜、改めて父親とジュリーのふたりは結婚すると報告された。
こうしてジュリーとの同居が決まった。
上司、快楽に沈むまで
赤林檎
BL
完璧な男――それが、営業部課長・**榊(さかき)**の社内での評判だった。
冷静沈着、部下にも厳しい。私生活の噂すら立たないほどの隙のなさ。
だが、その“完璧”が崩れる日がくるとは、誰も想像していなかった。
入社三年目の篠原は、榊の直属の部下。
真面目だが強気で、どこか挑発的な笑みを浮かべる青年。
ある夜、取引先とのトラブル対応で二人だけが残ったオフィスで、
篠原は上司に向かって、いつもの穏やかな口調を崩した。「……そんな顔、部下には見せないんですね」
疲労で僅かに緩んだ榊の表情。
その弱さを見逃さず、篠原はデスク越しに距離を詰める。
「強がらなくていいですよ。俺の前では、もう」
指先が榊のネクタイを掴む。
引き寄せられた瞬間、榊の理性は音を立てて崩れた。
拒むことも、許すこともできないまま、
彼は“部下”の手によって、ひとつずつ乱されていく。
言葉で支配され、触れられるたびに、自分の知らなかった感情と快楽を知る。それは、上司としての誇りを壊すほどに甘く、逃れられないほどに深い。
だが、篠原の視線の奥に宿るのは、ただの欲望ではなかった。
そこには、ずっと榊だけを見つめ続けてきた、静かな執着がある。
「俺、前から思ってたんです。
あなたが誰かに“支配される”ところ、きっと綺麗だろうなって」
支配する側だったはずの男が、
支配されることで初めて“生きている”と感じてしまう――。
上司と部下、立場も理性も、すべてが絡み合うオフィスの夜。
秘密の扉を開けた榊は、もう戻れない。
快楽に溺れるその瞬間まで、彼を待つのは破滅か、それとも救いか。
――これは、ひとりの上司が“愛”という名の支配に沈んでいく物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる