コグマと大虎 ~捨てられたおっさんと拾われた女子高生~

京衛武百十

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そういう社会の是非について

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 羅美は、冬休み中は家でおとなしくしてた。帰ってから俺が見ててやると課題もちゃんとやってたようだ。一人じゃやる気になれないが俺が見てるとできるらしい。
 もっとも、俺も正直、ほとんど内容を忘れているというのはある。だから俺が教えてやれるわけじゃないけどな。こうしてみると実際に学校で習ったことのどの程度が役立ってるのか?って話の場合は、
『まあ、なんかの専門職でもない限り、知識だけなら中学レベルでも十分に間に合うよな。てか、日常的に使う知識は身に付いてると助かるが、古文なんか使ったためしもないし、歴史とかも今は必要になった時点でスマホで調べられるしな』
 とは、俺自身も思ってしまう。けど、たぶん、そうじゃないんだろう。課題とかテストとかってのは、
 <自分に与えられた課題を確実にこなすことの練習>
 だと考えれば個人的には納得がいく。もちろん、それ以外の価値を見出してるのもいるだろうから、俺の考えてるのが正しいとは言わないさ。あくまで『俺の場合は』ってだけのことだ。でも、子供に、
『なんで宿題とかテストとかしなくちゃいけないの?』
 って訊かれた時には、
『大人になってから仕事をちゃんとできるようにするための練習だよ』
 と答えられるようにしておくと気が楽だな。
『いい学校に行っていい会社に入るためだよ』
 とかじゃあ、勉強が得意じゃない奴はもうその時点で人生を諦めなきゃいけないように受け取られそうだしな。
『学校の勉強は苦手だったが仕事はできる』
 ってのは現にいるし。何より、ちゃんと仕事をこなしてくれることは何より大事だろ。
 まあ俺の場合は、
『必要最小限だけこなしとけば問題ないだろ?』
 的な考えだからなおのこと羅美に対して偉そうに言えないし。だから羅美も、とにかく出された課題だけこなしとけばいいさ。

 そんなこんなで新学期が始まり、それに合わせて栗原からは、
「こちらの方から学校には、羅美さんについて体育の授業などについて今後すべて見学という形にしてもらうように申し入れておきました。妊娠のこともお伝えしましたが、やはり非常に困ったような様子でしたね。なお、体育の授業を見学する理由につきましては、対外的にはあくまでも<健康上の理由>で統一していただければと思います。学校側としても、生徒の妊娠というのが広まるのは好ましくないそうですので」
 とのことだった。
「分かった。こちらとしてもそれでいい。別に、『妊娠してても普通に勉強できるべきだ!!』とまで言いたいわけでもないしな」
 世間にはそういう主張をするのもいるとしても、俺は羅美をダシにしてそんなことを言いたいわけじゃない。そういう社会の是非について考える余裕もないし。

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