38 / 106
成人年齢
しおりを挟む
羅美の機嫌がコロコロ変わるのも、元々彼女が情緒不安定というのもあるんだろう。だがそれも当然だと思う。だからそのことをとやかく言うつもりもない。
俺はダメな人間だが、それを理由に今の羅美を責めることはしたくないんだよ。
加えて、羅美の今の両親に対しては憤りも覚えつつ、別に関わるつもりもない。俺みたいなのにあれこれ言われたって聞く耳なんか持つわけねえしな。
だってよ、そうだろう? 政治家とか見てみろよ。どんなに批判されたって考え変えねえだろうが。
それに俺自身は、
『打算で結婚したのも長女を生んでもらったのも俺が勝手に決めたことで、長女に頼まれたわけじゃねえ』
『長女を養育してたのは俺自身の選択と決断の尻拭いであって、長女に感謝してもらうためでも恩を売るためでもねえ』
って考えられてっから、その長女から見限られたんならまあ仕方ねえなと思えてるけど、世の中の<親>ってのは大半がそうは思ってねえだろ?
『生んでやった』
『育ててやってる』
ってえのを心の拠り所にしてんだろ? それを、
『お前は親として間違ってる!!』
とか言われて『はいそうですね』と納得できんのかよ? できねえよな? ましてやパパ活女子高生を親に承諾なく住まわせてるような男がどんな正論並べたって、むしろ俺が叩かれる構図だろ、これ。
羅美の今の両親が、
『淫行だ! 誘拐だ!』
って言いだしゃ不利なのは俺の方だ。いくら警察や児童相談所が認知しててくれても世間的にゃ、
<パパ活女子高生を買った中年男>
でしかねえ。なら、変に藪をつついて蛇を出すよりゃ、このままの状態をキープする方が利口ってもんだと思わないか?
だから俺は、羅美の今の両親までどうこうするつもりは毛頭ねえよ。どうこうする理由もねえ。
それに、近々、成人年齢が十八歳に引き下げられる。確か、親の承諾なしでも一人暮らしだってできるようになるんだよな? なら、それを待つのが得策ってもんだろ。
「そういや羅美って今、いくつだ?」
牧島の娘の同級生ってことだから今は高二のはずだ。すると、
「明日十七になる」
との答え。
「え? お前まだ十六だったのかよ?」
つい声が出たが、<早生まれ>には当たらないとはいえ、十二月とは……
素が幼いのも当然か……
でもまあ、だったら十八になる時にはそれこそもう、成人年齢が引き下げられてるってことか。
もっとも、十八になっても高校生の間は、実質、大人扱いはされねえだろうけどな。
あと一年で十八か。それまで穏当にやってくさ。
俺はダメな人間だが、それを理由に今の羅美を責めることはしたくないんだよ。
加えて、羅美の今の両親に対しては憤りも覚えつつ、別に関わるつもりもない。俺みたいなのにあれこれ言われたって聞く耳なんか持つわけねえしな。
だってよ、そうだろう? 政治家とか見てみろよ。どんなに批判されたって考え変えねえだろうが。
それに俺自身は、
『打算で結婚したのも長女を生んでもらったのも俺が勝手に決めたことで、長女に頼まれたわけじゃねえ』
『長女を養育してたのは俺自身の選択と決断の尻拭いであって、長女に感謝してもらうためでも恩を売るためでもねえ』
って考えられてっから、その長女から見限られたんならまあ仕方ねえなと思えてるけど、世の中の<親>ってのは大半がそうは思ってねえだろ?
『生んでやった』
『育ててやってる』
ってえのを心の拠り所にしてんだろ? それを、
『お前は親として間違ってる!!』
とか言われて『はいそうですね』と納得できんのかよ? できねえよな? ましてやパパ活女子高生を親に承諾なく住まわせてるような男がどんな正論並べたって、むしろ俺が叩かれる構図だろ、これ。
羅美の今の両親が、
『淫行だ! 誘拐だ!』
って言いだしゃ不利なのは俺の方だ。いくら警察や児童相談所が認知しててくれても世間的にゃ、
<パパ活女子高生を買った中年男>
でしかねえ。なら、変に藪をつついて蛇を出すよりゃ、このままの状態をキープする方が利口ってもんだと思わないか?
だから俺は、羅美の今の両親までどうこうするつもりは毛頭ねえよ。どうこうする理由もねえ。
それに、近々、成人年齢が十八歳に引き下げられる。確か、親の承諾なしでも一人暮らしだってできるようになるんだよな? なら、それを待つのが得策ってもんだろ。
「そういや羅美って今、いくつだ?」
牧島の娘の同級生ってことだから今は高二のはずだ。すると、
「明日十七になる」
との答え。
「え? お前まだ十六だったのかよ?」
つい声が出たが、<早生まれ>には当たらないとはいえ、十二月とは……
素が幼いのも当然か……
でもまあ、だったら十八になる時にはそれこそもう、成人年齢が引き下げられてるってことか。
もっとも、十八になっても高校生の間は、実質、大人扱いはされねえだろうけどな。
あと一年で十八か。それまで穏当にやってくさ。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる