16 / 106
未成年で何が悪いんだよ!
しおりを挟む
『俺は<清楚系>が好みなんだよ』
まあこれは、嘘ではないが、『清楚系じゃないとダメ』という意味でもない。ただ、前妻は確かに清楚系だった。ちょっとお高くとまったところもある、少々、潔癖なタイプだ。だからこそ家族を愛そうともしない俺が許せなかったんだろう。
仕事も俺よりはるかにできるしな。
てか、俺は仕事そのものにもあんまり意欲が持てるわけじゃないんだ。仕方ないからやってるだけで、生活できればそれ以上は要らないし。
若い頃は自動車に入れ込んで、結婚する以前には三台持ってたこともある。そのために頑張った時期もある。で、結婚するからといって一台に減らし、家族用に軽ワゴン車を買った。離婚時には軽ワゴン車は二代目になってたが、それは妻が持っていった。俺には趣味のクルマが残った。まあ、軽ワゴン車よりも値打ちねえしな。プレミアはついてるが、それもマニアにしか意味ねえし。興味ない奴にとってはただの<変なクルマ>だし。
と、それはいいんだが、今日はチャーハンだった。
「割と上手いな。パラパラじゃん」
食べようとスプーンで掬ってみると、ちゃんと飯粒がパラパラになってた。俺も昔自分で作ってみたことあったんだが、どうしてもねっとりにしかできなくて、自分で作るのは諦めた経験がある。
で、食ってみると、
「普通に美味いな……」
そうなんだ。その辺の中華屋で出てくるのと大差ない美味さなんだよ。そりゃもっと美味いのを出す店もあるんだろうけどよ、でも、このレベルで七百円くらいとるところも少なくないと思う。
すると大虎は、
「やった♡ じゃあご褒美に襲ってくれる?」
とか言ってくる。冗談なのか本気なのか知らないが、
「それはない」
きっぱりと返した。
「えーっ!? なんでだよ!? 別にいいじゃん! ウチがいいって言ってんだからよー!」
「そんなんが信用できるか!」
言い返す俺に、急に真顔になって、やや上目遣いになって、
「私が、他の男ともヤってたから……?」
なんてことを。それに対しては俺は、
「関係ねえよ! お前が未成年だからだよ!」
と言い返す。
しおらしい顔をしても演技の可能性がある以上、俺はこいつを信用しない。だから<未成年>ってのを理由にすれば、急に歳を取ることができない以上、どうしようもないだろ。
「なんだよ! 未成年で何が悪いんだよ! ヤることヤれんだから関係ねーだろ!」
「大ありだわ! 親の承諾なきゃ結婚もできねえ。選挙権もねえ。少年法で守られてる。大人とは何もかも違ってるってんだよ! おめーはまだ、<子供>なんだ!」
すると大虎は、
「その子供をヤる道具にしか思ってない大人だっているクセに……」
顔を逸らして忌々しそうに呟いたのだった。
まあこれは、嘘ではないが、『清楚系じゃないとダメ』という意味でもない。ただ、前妻は確かに清楚系だった。ちょっとお高くとまったところもある、少々、潔癖なタイプだ。だからこそ家族を愛そうともしない俺が許せなかったんだろう。
仕事も俺よりはるかにできるしな。
てか、俺は仕事そのものにもあんまり意欲が持てるわけじゃないんだ。仕方ないからやってるだけで、生活できればそれ以上は要らないし。
若い頃は自動車に入れ込んで、結婚する以前には三台持ってたこともある。そのために頑張った時期もある。で、結婚するからといって一台に減らし、家族用に軽ワゴン車を買った。離婚時には軽ワゴン車は二代目になってたが、それは妻が持っていった。俺には趣味のクルマが残った。まあ、軽ワゴン車よりも値打ちねえしな。プレミアはついてるが、それもマニアにしか意味ねえし。興味ない奴にとってはただの<変なクルマ>だし。
と、それはいいんだが、今日はチャーハンだった。
「割と上手いな。パラパラじゃん」
食べようとスプーンで掬ってみると、ちゃんと飯粒がパラパラになってた。俺も昔自分で作ってみたことあったんだが、どうしてもねっとりにしかできなくて、自分で作るのは諦めた経験がある。
で、食ってみると、
「普通に美味いな……」
そうなんだ。その辺の中華屋で出てくるのと大差ない美味さなんだよ。そりゃもっと美味いのを出す店もあるんだろうけどよ、でも、このレベルで七百円くらいとるところも少なくないと思う。
すると大虎は、
「やった♡ じゃあご褒美に襲ってくれる?」
とか言ってくる。冗談なのか本気なのか知らないが、
「それはない」
きっぱりと返した。
「えーっ!? なんでだよ!? 別にいいじゃん! ウチがいいって言ってんだからよー!」
「そんなんが信用できるか!」
言い返す俺に、急に真顔になって、やや上目遣いになって、
「私が、他の男ともヤってたから……?」
なんてことを。それに対しては俺は、
「関係ねえよ! お前が未成年だからだよ!」
と言い返す。
しおらしい顔をしても演技の可能性がある以上、俺はこいつを信用しない。だから<未成年>ってのを理由にすれば、急に歳を取ることができない以上、どうしようもないだろ。
「なんだよ! 未成年で何が悪いんだよ! ヤることヤれんだから関係ねーだろ!」
「大ありだわ! 親の承諾なきゃ結婚もできねえ。選挙権もねえ。少年法で守られてる。大人とは何もかも違ってるってんだよ! おめーはまだ、<子供>なんだ!」
すると大虎は、
「その子供をヤる道具にしか思ってない大人だっているクセに……」
顔を逸らして忌々しそうに呟いたのだった。
0
お気に入りに追加
0
あなたにおすすめの小説
💚催眠ハーレムとの日常 - マインドコントロールされた女性たちとの日常生活
XD
恋愛
誰からも拒絶される内気で不細工な少年エドクは、人の心を操り、催眠術と精神支配下に置く不思議な能力を手に入れる。彼はこの力を使って、夢の中でずっと欲しかったもの、彼がずっと愛してきた美しい女性たちのHAREMを作り上げる。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
とある高校の淫らで背徳的な日常
神谷 愛
恋愛
とある高校に在籍する少女の話。
クラスメイトに手を出し、教師に手を出し、あちこちで好き放題している彼女の日常。
後輩も先輩も、教師も彼女の前では一匹の雌に過ぎなかった。
ノクターンとかにもある
お気に入りをしてくれると喜ぶ。
感想を貰ったら踊り狂って喜ぶ。
してくれたら次の投稿が早くなるかも、しれない。
サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由
フルーツパフェ
大衆娯楽
クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。
トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。
いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。
考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。
赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。
言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。
たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
ちょっと大人な体験談はこちらです
神崎未緒里
恋愛
本当にあった!?かもしれない
ちょっと大人な体験談です。
日常に突然訪れる刺激的な体験。
少し非日常を覗いてみませんか?
あなたにもこんな瞬間が訪れるかもしれませんよ?
※本作品ではPixai.artで作成した生成AI画像ならびに
Pixabay並びにUnsplshのロイヤリティフリーの画像を使用しています。
※不定期更新です。
※文章中の人物名・地名・年代・建物名・商品名・設定などはすべて架空のものです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる