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日常編

ハァハァするガゼ

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今のキリオをそのまま受け入れる。

それができるようになったヌラッカの精神は安定し、表情が確かに穏やかになった。ヤキモチは妬くし文句も言うし怒りもする。しかしそれはもうヌラッカにとって、自分の正直な気持ちを伝える為のレクリエーションのようなものとなっていた。

キリオを独占したい。だけどそれで本当に独占してしまえるようなキリオは、自分が好きになったキリオではない。

ヌラッカはそういう結論に至ったのである。

『人を好きになるのって、こういう形もあるのか…』

後日、人目もはばからずイチャイチャするキリオとヌラッカの姿を見ながら、ユウカはそんなことを思っていた。

『私には無理そうだな……好きな人が浮気とか、我慢できそうにない気がする。そんなことされたら好きじゃなくなりそう……

好きなのは変わらなくても、辛くて一緒にはいられないかな……』

ここでは、そういう考えも認められる。その考えで合う者同士で結婚すればいいし、そういう相手もいずれ見付かる。歳を負うこともなくほぼ無限に等しい時間があるのだから、そういう相手が現れるまで待てばいいのだ。

今ならガゼもユウカ一筋なのだが、しかし、

『結婚相手と言われるとやはりまだピンとこないなあ……

メジェレナさんとのことは、メジェレナさんが大人の対応してくれるようになったから大丈夫になったけど……』

と、<仲の良い友達同士>という今の関係こそがユウカにとってはしっくりきていた。

一方、ガゼはそれでは物足りなかったのだろうが、かと言って、

『これ以上を強引に求めてユウカに嫌われちゃったら元も子もないもんなあ……』

 ということで自分を納得させるしかなかった。

『いつかユウカが変わってくれるまで待つしかないか……』

それを待つことができるようになったのは、ガゼ自身の成長だろう。

それに、メジェレナの邪魔が入らないようになったことで、ユウカの部屋に入り浸る時間がさらに増えていた。もう、自分の部屋に帰らずにユウカの部屋に泊まっていくことも増えた。ほぼほぼ同棲しているようなものだったかも知れない。

ただ……

「ガゼちゃん、シャワー浴びる?」

風呂屋ではさすがに公衆の面前で破廉恥は振る舞いをすることもできないので抑えも効くが、ユウカの部屋で二人きりでシャワーを浴びるとなるといつまで理性を保っていられるか自信がなかった。

『うう、ユウカぁ。ハァハァ……』

ユウカはこうして友達として仲良くしていられればそれでいいものの、ガゼは性的にもユウカと結ばれたいと思っていた。それをユウカが理解して受け入れてくれるのか、それともガゼが精神的な結びつきだけで満足できるようになるのか、それはまだ誰にも分からないのだった。

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