第一〇七六四八八星辰荘へようこそ ~あるJC2の異種間交流~(セリフマシマシバージョン)

京衛武百十

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転生編

カハ=レルゼルブゥア。年齢不詳。職業?こちらも邪神

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それは、邪神や破壊神と呼ばれる者達の為に用意された<ステージ>だった。

<書庫>はあくまでデータベースであり、かつ非常に高度なシミュレーターでもあるので、そういう場所を設定することができる。そこでは、本来の能力に近い威力が再現され、しかしどれほど暴れようとも他のデータには何の影響も及ぼさないように隔離された空間とも言えた。

だから邪神達や破壊神達は時折そこで力を振るうことで日頃の鬱憤を晴らしているのだろう。

ケンカをするのは、そのためのきっかけに過ぎない。そしてそれは、娯楽として配信されている。そう、人間達も邪神達や破壊神達の戦いを観戦することができるのである。

その一方で、人間もいるここではどれほど暴れようともアーシェスの言った通り手品のようになってしまうだけなので、かえってストレスが溜まってしまうのだ。

たまたま今回は、運がいいのか悪いのか、その現場にユウカは遭遇してしまったということだ。

が、モニターの向こうでの戦いは、まるで終わる様子が見えなかった。既に一時間ほど経つというのに、どちらもまったく疲れた様子もダメージを受けた様子もなく、いや、ダメージは受けているように見えるのだがそれを意にも介さず、しかも手加減してる様子もなく戦い続けていたのであった。

「あの…これっていつ終わるんですか…?」

ついユウカがクォ=ヨ=ムイにそう問い掛けると、クォ=ヨ=ムイはいつものように気怠い感じで、

「さあ…? 一日か十日か、とりあえず彼らが満足するまでかな…」

「…は…?」

いくらクトゥルー神話などを読んでいたといっても、ユウカはやはりただの人間だった。<神>とまで称される者達とは根本的に感覚が違っているのである。

「ちなみに私は、一二五三日間戦い続けたことあるよ。これでも百位以下だけどね…」

そう言われてもやはりピンとこなかった。無理もない。クォ=ヨ=ムイらにとっては一日も千日も大して違わないのだ。それが理解できなくて呆然とするユウカに対して、彼女は言った。

「その時の相手が、彼女、カハ=レルゼルブゥアよ」

「……!」

そしてクォ=ヨ=ムイが視線を向けた先をユウカが思わず追った時、そこにいたのは、自分の首根っこを捕まえてここに連れてきた黒ずくめの人だった。

邪神なので正確には<人>ではないが、少なくとも今は人の姿をしているのでそう認識するしかユウカにできない。

クォ=ヨ=ムイが<彼女>と称したので、どうやら少なくとも今は女性として存在してるのであろうカハ=レルゼルブゥアは、やはり全く感情が読み取れない無表情な蝋人形の如き顔を、ユウカに向けていた。

『こ…怖い……!』

元より死ぬことがないここでは殺される心配もないのだが、それでもユウカにとっては恐怖を感じさせる異様さなのだった。

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