第一〇七六四八八星辰荘へようこそ ~あるJC2の異種間交流~(セリフマシマシバージョン)

京衛武百十

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転生編

いざ、外出

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『あ、これがいい! カワイイ♡』

アーシェスは自分の服に着替えて、ユウカはキリオからもらった中にあった、少し華やかな感じの、でも派手すぎない淡い黄色のワンピースを見付けてそれに着替え、外へ出た。

『このワンピースにスニーカーはちょっと似合わないかもだけど……』

靴はスニーカーしかなかったが、今のところは仕方ない。

「生活に必要なものをちゃんと揃えなきゃね。これは、私からのプレゼントだよ」

そうは言ってくれてるが、

「え…でも……」

と、やはり恐縮してしまう。しかしそういうのも慣れているのか、アーシェスはにっこりと笑った。

「大丈夫。私、お金には余裕あるの。ざっと三百年くらいは何もしなくても暮らせる程度にはね」

「三百年……!?」

三百年という数字には驚いたものの、それがどれほどの金額かはピンと来なかった。ただ、

『だったら大丈夫なのかな…』

とも思えて、少なくとも負担にはならないと感じられて、いくらか気が楽になった感じがした。

そしてアーシェスの後ろについて歩く。

『不思議な街だな……建物は和でも洋でもないし、道路は石畳だし……でもなんか、日本の住宅街の路地っぽい気もする……

道も狭いし、自動車とかは通れそうにないなぁ……』

また、すれ違う人はやはり一目見て地球人じゃないと感じるのがほとんどだった。だが、基本的なシルエットとしては地球人である自分とそんなに違わないようだ。頭があり腕があり脚があり、いわゆるヒューマノイドタイプと言われるような人間が多かった。アーシェスも言っていた通り、ここはそういう人間たちが主に暮らす地域なのだ。

昨日と同じようにすれ違う人のほとんどが顔見知りらしく、アーシェスは挨拶を交わしながら歩いた。

『顔が広いんだな…って、二百万年も生きてたら当たり前なのかな…』

しばらく歩くと、少し大きな建物が見えた。

『スーパー…? ホームセンターかな……?』

見ただけでは判然としないが、どちらにしてもこの辺りの住人が買い物に訪れる店だというのはすぐに分かった。

中に入ると、

『なんか、ホントにスーパーとホームセンターが一緒になったみたいな店…』

とユウカが感じたとおり、スーパーとホームセンターが一体になったような作りの店だった。だが、広さはそれほどでもない。食品のみ扱っているスーパーよりは少し大きい程度だろうか。食品売り場と日用品売り場の面積がほぼ半分ずつといった感じだった。

「食料品の方は差し入れで冷蔵庫がいっぱいだから、今日のところはいいよね。まずは日用品だね」

アーシェスの言う通りだった。今日は、日用品を手に入れるために来たのである。

ティッシュ、鏡、ブラシ、洗剤、掃除道具、ハンガー、洗濯用品、リュック、折り畳みカート等々、取り敢えず必要なもの、必要そうなものをショッピングカートに乗せてレジに行った。するとアーシェスはカードで会計を済ませた。それから品物を段ボールに詰め、それを買ったばかりの折り畳みカートに括りつけて、ひとまず買い物は終わったのだった。

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