未開の惑星に不時着したけど帰れそうにないので人外ハーレムを目指してみます(Ver.02)

京衛武百十

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第四世代

メイフェア編 ただ残念なだけ

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そうだな。ボスの座を退いて群れに居場所がなくなったほまれが俺のところに帰ってきて彼に残された時間を一緒に過ごすことも実は期待していたりもした。事実上の<介護>ということになってしまうかもしれなかったが、別に問題じゃないし。

残念ながらそれは叶わなかったものの、不思議とそのこと自体はつらいというほどでもない。ただ残念なだけだ。

人間(地球人)の場合、老いが進むと幼児化してまるで子供のような振る舞いをする者がいる。実際に俺も、光莉ひかりが入院していた病院で、子供のように駄々をこねて看護師を困らせている高齢者を見たことがある。ほまれがもしそうなっても相手をする覚悟もしていた。

なお、地球人社会だとそういう場合は、人間の看護師の代わりにメイトギアが主体になって接するんだそうだ。じゃないと看護師の方が病んでしまったりするしな。

その点、ロボットであるメイトギアは人間のように精神が擦り切れたりすることもない。そもそも擦り切れる精神そのものを持たないんだから当然だ。

ここで<心>を持たせてしまっていては人間の看護師の場合と同じ問題が生じてしまうだろうが、そもそも心や精神を持たないわけで、問題が生じようもない。これのおかげで現在の地球人社会は成立していると言っても過言じゃないだろう。

ここでもすでにそれは同じだな。もしほまれの介護をすることになってもエレクシアもいるしセシリアもいるしイレーネもいるしドーベルマンDK-aもいるし、必要であればホビットMk-Ⅱを派遣してもらうこともできる。何も心配は要らない。

ひそかの介護で改めて思い知ったが、<愛情>だけじゃ長く介護を続けることはできないさ。一時的にはそれで乗り切れたとしても、ずっとは無理だ。人間の精神はそこまで頑強じゃない。タフじゃない。早々に自分の弱さ脆さを思い知らされることになる。俺も思い知らされた。ひそかのことは間違いなく愛してたはずなのに、持ちこたえられない自分を自覚させられた。

ほまれに対してもそうだったかもしれない。

もっとも、群れの中での彼は、<老い>こそ感じられたものの<介護>まで必要な印象はなかったよな。これはより野生に近い環境にいたことで<隠しておける程度の衰え>で済んでいたということなのかもしれない。

まあそれがどちらにせよ、ほまれの最後は実に穏やかなものだった。あらたのそれとは比べるべくもないほどのな。

ただし、だからといって『あらたが不幸だった』とは言わない。言いたくない。それはあらたの尊厳を貶めることになると思う。

『皆同じじゃないと駄目』

ってわけでもない。

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