未開の惑星に不時着したけど帰れそうにないので人外ハーレムを目指してみます（Ver.02）

第四世代

メイフェア編 遺伝子解析

解剖が進み、レックスはまずそれぞれの臓器の配置や繋がり方を丁寧に調べていった。鵺竜こうりゅうについてもこれまでドローンで調べてはいたものの、体内の構造などについては鵺竜こうりゅうの死体などを映像で確認していただけだから、実はそこまで詳細に分かってるわけじゃなかったんだ。死体の状態からAIが復元予想図なんかを作ってくれてはいたにせよ実際のそれをこうやって直に確かめるというのはやはり必要なことなんだろう。

とは言え、人間に近いプロポーションをしてる竜生りゅうきのそれが鵺竜こうりゅうのそれとまったく一緒でないのも事実だろうな。だから可能ならいずれ鵺竜こうりゅうを実際に調べる必要も出てくると思う。そしてそれを実行できる目途はすでに立っている。ホビットMk-Ⅱの量産によって。ホビットMk-Ⅱであれば危険を恐れる必要もない。リスクを省みずどんどんと前に出ることもできる。

ただまあ、今はまだ差し迫ってそこまでする必要もないからな。それに向けて準備を行ってる段階だ。正直、今の性能じゃたとえ死体と言えど近付くのは容易じゃないだろう。そこにたどり着くまでに他の鵺竜こうりゅうに襲われて破壊される可能性が高い。いくらロボットと言えど無限じゃないわけで、無駄にはできない。

まあこれも＜詭弁＞の類なんだろうけどな。確実に損害が出るのが分かってて、しかもおそらく回収も困難になるのが分かってて言ってる以上は。

それでも、必要が出てきたらやらずにはいられないのが人間って生き物でもある。地球人の歴史もそういうものだった。＜原子爆弾＞をはじめとした＜武器＞の類もそんな調子で作られていったわけだし。

だからこそ理性的でいなきゃ人間は簡単に滅ぶだろうさ。

竜生りゅうきの解剖を実際に行ってるレックスとシオの様子を見ててもそれを実感する。二人が理性的に淡々と行ってくれてるからこの光景が単なる＜残酷ショー＞にならずに済んでるというのもあるかもしれない。

「遺伝子解析の結果が出た。やはり人間の遺伝子が混じってるね。体内の構造も、臓器そのものは鵺竜こうりゅうのものに近い印象だが、配置は人間のそれに準じているようだ。興味深い」

解剖が始まる前に採取した細胞片を解析機に掛けて得られた情報を、アンデルセンが抱えたモニターに表示させたレックスが口にする。それと同じものが俺達の方からも見られた。

さらには、

「我々＜チーム・コーネリアス＞のメンバーの登録された遺伝子情報と照合すると、リリエ・エグレンのそれに最も近いようだ」

とも。