未開の惑星に不時着したけど帰れそうにないので人外ハーレムを目指してみます(Ver.02)

京衛武百十

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第四世代

メイフェア編 もったいない

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鱗で身を守っている生き物も、多くは腹まではそれを生やしておらず結果として腹部が弱点になっていたりもするが、みずちがまさしくそうだったが、竜生りゅうきは腹まで強固な鱗で覆われていた。みずちがイレーネに腹を裂かれて死んだことでそれに対処しているのかもと思わなくもない。

それが事実かどうかは確認のしようもないにせよ、実際に『対策を講じてきた』かのように弱点が解消されていってるのも事実なんだよな。

とは言え、今は<解剖>のために敢えてそこに挑む。こうして三十センチ四方程度の広さで鱗を切り取っていったんだが、これがなかなか手間だったようだ。なにしろ鱗を切り取って皮膚を露出させたと思うとその下にまた鱗があるんだからな。どうやら竜生りゅうき達のそれは、

『鱗を生やした皮膚そのものが何層にも形成される』
 
らしい。と言うか、

<鱗状の皮膚>

と表現した方が近いのかもしれない。多くの生き物は皮膚の最も外側の部分が角質化することで硬くなっていったりするのが、どうも外皮そのものをどんどん作り出していってる感じか。

この辺りも地球の生物とは異なる生態そのものかもしれない。

「実に興味深い」

レックスは誰に聞かせるでもなくそう口にした。思ったことがそのまま出てしまったようだ。だから<手間>そのものが彼にとっては<関心事>なんだろう。

<自身が目の前にした生き物の在り方>

がそこにあるわけで。そこは俺もなんとなく共感できないわけじゃない。これまで遭遇してきたこの世界の生き物には感心させられっぱなし驚かされっぱなしだったし。そのこと自体が<生きるという事象>を表している気もする。

きっと他の生き物からしたら俺達<人間>もすごく奇妙で不可思議で面白い存在なんだろうなと思わされたりするんだよ。

俺はそれがまたなんとも言えない気分だったり。

人間(地球人)はとかく自分を卑下しがちな一面を持っていたりもするが、人間(地球人)を非難し否定することを<良識>だと思ってる節があったりする印象もあるが、そういうのはむしろ『理解から遠ざかる』行いだと俺は感じるな。

好ましい面も好ましくない面も、どちらも、

<人間(地球人)という生き物の一部>

でしかない。その一部を切り取っただけで理解した気になっているのは<思い上がり>でしかないんじゃないのか?

俺はそこをわきまえていたいと心掛けてる。でないと人間として生きるのはつらいだけのような気がするんだ。

そんなのはもったいないじゃないか。

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