未開の惑星に不時着したけど帰れそうにないので人外ハーレムを目指してみます（Ver.02）

第四世代

メイフェア編 その可能性については

『オリジナルが負っていた責任を引き継ぐ』

これは、地球人社会において＜コピー＞は基本的に、

＜違法なクローニング＞

によってのみ誕生するため、オリジナルの方には多くの場合それについての刑事責任が課せられることになる。オリジナル自身がまったくそれを知り得ない立場にある状態で勝手にクローンが作られでもしない限りは。

なるほど、

『横恋慕していた者が愛する者をクローンによって作り出そうとした』

という事例もあるにはあるが、それが成功したという事例は確認されていないそうだ。なにしろクローンを作るための準備を行うには膨大かつ特殊な機材と資材などが必須で、それらを揃えようとすればすぐさまAIによって検知され、司法による内偵が始まり、事実が確認されれば即座に摘発されるからだ。

それをかいくぐるには相当に組織立った背景が必要で、＜ただの横恋慕＞でそこまでのものを用意できる人間など事実上存在しないだろうな。可能性がゼロではないにせよ、『限りなくゼロに近い』のは確かなんだ。

しかしここ朋群ほうむにおいては＜例の不定形生物＞によってもはや＜自然現象＞的にコピーが生まれてしまう。だから＜それに備えた法整備＞も必須なんだよ。そして現状では、

『コピーはあくまで別人である』

という前提に立って対応している。オリジナルはすでに死亡している事実に加え＜オリジナルが有していた権利＞については二千年という時間の壁の前に『消滅している』と考えるしかないからな。

もちろんこれも、

『コピー当人がその＜時間の経過＞を認識しようがない』

という事実がある以上は当人が、

『自分はオリジナル本人だ！』

と強く主張すればそれを認める方向で処理するしかないとは想定されているものの、同時に、シモーヌとシオ、レックスと＜蘇生しなかったもう一人のレックス＞の事例のように同じオリジナルを持つ個体が共にそれを主張した時にどうするか？が大きな問題になるのは十分に有り得る話なんだよな。

これも実に悩ましい話だ。

とは言え、シモーヌとシオは互いに、

『オリジナルとは別人である』

と受け入れたから大きな問題にはなっていない。なっていないが、それと＜オリジナルの影響＞はまた別の話だしな。

とにかくシオの考えが、

『竜生りゅうきがコーネリアス号の仲間の意識を有している可能性は否定できない』

というものであるなら、それを頭ごなしに否定するつもりも俺達にはない。

「そうだね。その可能性については完全に否定されたわけじゃないのも事実だろう」

レックスの言葉に俺達も頷くしかなかったのだった。