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第四世代

メイフェア編 上手く伝わらない

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<マナー>の類の、

<明文化されているわけでも罰則があるわけでもないが守った方が色々スムーズにいくなんとなくの決まり事>

というのは、それこそ言葉にしても伝わりにくいことの典型だと思う。なにしろ明文化されていないから個々人によって受け取り方が違う場合が余計に多くなるだろうしな。

加えて、

『罰則がないのは破ってもそんなに問題じゃないからだろう?』

とか考えるのもいるしな。

<電車やバスに乗る時のマナー>

なんかが特に分かりやすいか。座席に座る際、足を組んだり大きく広げたりするのは他の乗客にとっては<邪魔>になりがちで疎まれる場合が多いが、だからといってそれをしていたところで罰則があるわけでもなく、直ちに何か危険があるものでもないのはなるほど事実だ。

ただ、『邪魔になって不快だ』と感じる者がいるのも事実だし、実際に不必要なスペースまで占有することになるから他の乗客にとっては『不利益を被ってる』わけだな。

『五人掛けシートでしっかり詰めずに四人で座ってる』

なんてのはそれこそ、

『もう一人座れるはずが座れない』

という<他者に対する明確な侵害行為>か。しかもそれをやっている人間の多くがそれなりの年齢の<大人>だったり。

そういう大人は子供の頃に自分の親から<マナー>についてちゃんと学んでこなかったんだろう。そういう大人の親は、マナーをちゃんと教えられる人間じゃなかったということだ。

とりあえず言葉で『ああしろこうしろ』と口にしていたとしても、おそらく行動が伴っていなかったんだろうな。だから余計にニュアンスが子供に伝わらなかった。

『口ではそう言ってるけど実際は』

と子供に思われてしまったらそりゃ伝わるものも伝わらないさ。その手の所作は結局のところ『実際の所作を真似てもらう』ことでしか上手く伝わらないんだと思う。

思えば俺の両親はそういうところを気を付けてる人達だったな。他人との接し方についても横柄だったり横暴だったりしないように丁寧な振る舞いを心掛けていたと今ならよく分かる。

特に、相手が自分の子供だからと軽く見て尊大な態度を取ることがなかった。だから俺も、

<他者に対して尊大な振る舞いをするという発想>

がそもそもなかったんだよな。精神的に追い詰められていた時には気遣う余裕もなかったものの、別に追い詰められてるわけでもない時にまでイキった態度を取ろうとは思わなかった。

電車やバスに乗ることはあまりなかったが、乗った時には足を広げて座ることもなかったよ。

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