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第四世代

メイフェア編 本当に飲み込めるものじゃない

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改めて言うが、俺は<目先の厳しさ>に合理的な意義を見いだせないとはいえ、別に、

『甘やかすべきだ』

と言ってるんじゃないんだ。

『何でもかんでも当人の感情や気持ちを優先してやるのが正しい』

と言いたいわけでもない。あくまでも、

『何でもかんでも怒鳴りつけて殴って従わせるのが正しいわけじゃない』

と言いたいだけで。と言うか、それはむしろ逆効果だと思う。確かにそれをした時点では従ったりするにしても、そんな<条件付け>を行えば、

『怒鳴られて殴られなくなったらもう我慢する必要がなくなる』

と考えてしまったりする可能性が高くならないか? と思うだけなんだよ。実際、

<歳をとって自分が目上の存になると途端に傍若無人に振る舞い始める輩>

というのは別に珍しくもない程度にはいるよな。<嫁姑問題>なんてのはまさしくその典型だったんじゃないのか? <行儀>や<礼儀>や<礼節>を厳しく叩き込まれたはずの人間が、自分が上の立場になった途端に<行儀>も<礼儀>も<礼節>も無視して横柄で横暴な振る舞いをするようになったことで<嫁>の人間性も人権も蹂躙したんじゃないのか? <行儀>も<礼儀>も<礼節>も、別に目上の人間だけに適用するべきことじゃないはずだぞ?

少なくとも自分と同じ<人間>に対しては、相手が誰だろうと適用するべきことだったはずだ。にも拘らず相手が<嫁>だというだけで<行儀>も<礼儀>も<礼節>も捨て去ってしまう。

それが本当に、

<行儀や礼儀や礼節をわきまえた大人>

のすることか? 自分が厳しく叱られるような立場じゃなくなった途端にそれとか、叩き込まれたはずの<行儀>や<礼儀>や<礼節>はどこに行ったんだ?

それ以外にも、高齢者施設で職員に対して<行儀>も<礼儀>も<礼節>もわきまえてない振る舞いをする入所者がいるのはなぜだ? これまた厳しく叩き込まれたはずの<行儀>や<礼儀>や<礼節>はどこに行った?

<目先の厳しさ>なんてものは、ただ<相手を抑圧するだけの理不尽>でしかないというのが俺の実感だ。<厳しさ>なんてのは生きていればどこかで必ず直面することになる。日常の中の些細なものから、人生そのものを左右する大きなものまで様々だ。

百七十年生きてきてもいまだにその厳しさには打ちのめされる。子供達に先立たれることなんてまさしくそうだし、特にあらたの最後についてはどんなに理屈を当てはめてみても本当に飲み込めるものじゃない。今だって感情の面では納得できてないんだよ。

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