未開の惑星に不時着したけど帰れそうにないので人外ハーレムを目指してみます（Ver.02）

第四世代

メイフェア編 来孫

そもそも、

＜親元を離れることが自立すること＞

って考えが一般的になったのも実はそれほど昔のことってわけでもないらしい。だいたい、『家を継ぐ』のが当たり前だった時代には当然、優秀な子供ほど家を出ていかれたら困るわけで、そのことを考えると、

『家を継ぐという考えを否定したい人間がそれを誘導した』

みたいに勘繰ってしまうな。そしてそれに商業主義が乗っかって、

『家から出て新しい生活を始めることで部屋を借りたり生活用品一式を買い揃えさせよう』

的な狙いが透けて見える気がするんだよ。

まあ何にせよ、

『誰かの都合や思惑が介在している』

という印象が強いよな。

しかし＜野生に生きる者＞にとってはそれこそそんなのはどうでもよくて、元よりそんな発想自体がなくて、その時点で必要と感じたことをするというのが当たり前ではある。

旭久あきひさが群れを出なかったのも、『群れの中でパートナー候補を見付けられたから』みたいだし。

まだ完全には成体おとなになってないから正式に番つがったわけじゃないが、お互いにもうそのつもりらしい雌がいるんだよ。だから＜第五世代の誕生＞が本格的になっていくのもそろそろだろうな。それどころか俺達が把握できてないところではもうすでに本格化してる可能性も否定できない。

なにしろ深しんの息子である交こうに至っては完全に消息不明で、どこでどんな風に子供を作ってるのかもまったく把握できてないから、当然、その子供達もどうしてるのかまるで分からない。

交こう（第三世代）が生まれてからもう三十年。余裕で孫（第五世代）が育ってて、ともすれば曾孫（第六世代）が生まれててもなにもおかしくない状態だしな。

いや、きっとすでに生まれてるんだろう。俺にとっては＜来孫らいそん＞にあたる第六世代が。

健康寿命が二百年を超えた地球人社会においても『来孫と顔を合わす』のはそれほど珍しい話じゃない。実年齢で百歳を超えてから初めて結婚して子供ができる人が多いことで結果的に、

『孫の顔を見られるかどうか』

という話になるのがなんとなく多くなるというだけで、法律上は十八歳で結婚できるところが多いんだよな。だから理論上は、代々二十歳で子供ができていけば、

『第十一世代の顔を見る』

ことだって十分に可能だし、それこそ死ぬまでの間にさらに第十二世代、第十三世代の顔を見ることだってできてしまうだろう。

そこまで代々ずっと二十歳くらいで子供ができていく者がまずいないというだけで。

ただここでは、実年齢十歳（地球人の二十代半ば相当）で子供がいるのはむしろ普通だからなあ。