未開の惑星に不時着したけど帰れそうにないので人外ハーレムを目指してみます（Ver.02）

第四世代

焔と彩編 竜生

＜竜生りゅうき＞

俺がそう名付けた竜人は、自身の体を舐めたことで落ち着けたのか、もう一度辺りをぐるりと窺うように見回した後、移動を開始した。

方向そのものはアカトキツユ村方面ではあったものの、推測される進路は村をかすめる程度だった。

「やはり、アカトキツユ村そのものが目的地ってわけじゃなかったか」

俺の呟きに、

「まだ断定するのは早いかもしれないが、その可能性は高まったね」

レックスが応じてくれる。それと同時に、

「警戒は緩められないけどね」

久利生くりうも口にした。だから俺も、

「そうだな」

改めて気を引き締める。俺が気を張っても仕方ないのは分かってるものの、ここで油断するのも違う気がするしな。

離脱したますらおとホビットMk-Ⅱらも、竜生りゅうきに察知されないように、たとえ察知されたとしても『自分を狙ってる』と捉えられないように、大きく迂回してアカトキツユ村への帰還ルートをとる。＜破壊されたホビットMk-Ⅱ＞については今回の件が完全に終わってから後ほど別に手配して回収するさ。

なお、増援として向かったホビットMk-Ⅱらはそのままアカトキツユ村に配置して、万が一に備える。エレクシアもすでにアカトキツユ村に到着して、待機中だ。

新あらたやレトやルナを怯えさせないように少し離れたところでハチ子から下りて徒歩で村に入った。

その彼女の姿を見て、レトやルナは少し警戒した様子にもなったものの、新あらたは子供の頃から知ってるからか、平然としていたが。

『久しぶりに会えた顔見知りを懐かしんで声を掛ける』

みたいなこともしないけどな。

だがそれは別に問題じゃない。当人にとって実際には重要じゃないことをさも＜重大事＞のように他者に押し付けようとするのは厄介事の素だし。とにかく無闇に敵対するような素振りさえ見せないでいてくれればいいんだよ。それ以上は望まない。望む必要がない。

竜生りゅうきに対してもそうだ。

＜非常に危険な猛獣＞

だったとしても、それは俺達の方がわきまえて距離を置くようにすれば済む。そのための備えもできている。

いざとなれば、夷嶽いがくや牙斬がざんを移送したように、生け捕りにして移送することも考え、そのための準備をイレーネに命じる。

夷嶽いがくや牙斬がざんの時の経験が活きるだろう。

今もデータ不足で手探り状態なのは大きく変わらないが、それでもあの頃よりはまだ体制が整ってきてるしな。

＜数の暴力＞

はやはり強大だとつくづく思わされるよ。圧倒的な物量で押し切れるというのももちろんだが、使える手札が断然増えるのが何より大きい。