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第四世代
焔と彩編 痕跡が残っていないのは
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『不定形生物由来の怪物にとっては、実弾こそがスタン弾になってしまう』
それが事実である以上、俺達はその事実に基づいた対処をするだけだ。
これはつまり、ここまでに確認された事実を基に対処するという意味でもある。これまでにも多くの<不定形生物由来の生物の死骸>は確認されてきているが、少なくとも数十年 レベルの時間が経過しているのは間違いないそれについては、<タングステン並の強度を持つ鱗>を備えた死骸についてはまったく確認できていないんだよな。それを備えているのが確認できているのは、あくまで<蛟>以降なんだ。
<俺達が最初に確認したヒト蛇>である蛟がそれを備えることになったきっかけについてはまだよく分かっていないが、もしかすると<凶>を撃退したのがそのきっかけなのかもしれないが、少なくともあいつ以前の不定形生物由来の生物にはそんなものは発見できていないんだよ。
ちなみに蛟の死骸は、イレーネによって駆逐された場所に今も残されている。<食べられる部分>については他の生き物によって食べられてしまったが、例の鱗については今もそのままだ。
サンプルとして回収したもの以外については、
『自然のままで放置したらどうなるのか?』
を検証するために敢えて手をつけずにいるんだが、骨と鱗はしっかりと残っている。これは、埋葬した嶽も同じ。実は後で少し掘り起こして確認したんだ。加えて、
<時間の経過と共に生じる変化>
についても現在進行形で記録を続けている。それを基にしたシミュレーションでも、千年や二千年じゃ完全に消えてなくなることはないと分かっている。
だから、俺がここに来る以前にもあの鱗を持つ獣がいたんならその痕跡が残っていないのはおかしいんだよ。
しかも今回のような<竜人>と称するしかないようなのが存在していたことを示すものも何もない。死骸も見付かっていないし、目撃例もない。
アリアンや鈴夏が、運も味方したんだろうというのもありつつ発見できてしまうほどにしらみつぶしに調査しているというのにだ。
だからこそほとんど何も分からない状態で、ますらおは竜人と対峙しなければならない。人間の部隊員を派遣するのは非常に憚られる状況だが、ロボットであればそれもまだ気持ちの上では楽になる。
だが同時に無事を願ってしまうのも事実ではある。新やレトやルナにとっては群れの仲間みたいなもんだしな。
<仲間>であるがゆえにますらおはアカトキツユ村を守ろうとするだろうし、だったら任せるさ。
それが事実である以上、俺達はその事実に基づいた対処をするだけだ。
これはつまり、ここまでに確認された事実を基に対処するという意味でもある。これまでにも多くの<不定形生物由来の生物の死骸>は確認されてきているが、少なくとも数十年 レベルの時間が経過しているのは間違いないそれについては、<タングステン並の強度を持つ鱗>を備えた死骸についてはまったく確認できていないんだよな。それを備えているのが確認できているのは、あくまで<蛟>以降なんだ。
<俺達が最初に確認したヒト蛇>である蛟がそれを備えることになったきっかけについてはまだよく分かっていないが、もしかすると<凶>を撃退したのがそのきっかけなのかもしれないが、少なくともあいつ以前の不定形生物由来の生物にはそんなものは発見できていないんだよ。
ちなみに蛟の死骸は、イレーネによって駆逐された場所に今も残されている。<食べられる部分>については他の生き物によって食べられてしまったが、例の鱗については今もそのままだ。
サンプルとして回収したもの以外については、
『自然のままで放置したらどうなるのか?』
を検証するために敢えて手をつけずにいるんだが、骨と鱗はしっかりと残っている。これは、埋葬した嶽も同じ。実は後で少し掘り起こして確認したんだ。加えて、
<時間の経過と共に生じる変化>
についても現在進行形で記録を続けている。それを基にしたシミュレーションでも、千年や二千年じゃ完全に消えてなくなることはないと分かっている。
だから、俺がここに来る以前にもあの鱗を持つ獣がいたんならその痕跡が残っていないのはおかしいんだよ。
しかも今回のような<竜人>と称するしかないようなのが存在していたことを示すものも何もない。死骸も見付かっていないし、目撃例もない。
アリアンや鈴夏が、運も味方したんだろうというのもありつつ発見できてしまうほどにしらみつぶしに調査しているというのにだ。
だからこそほとんど何も分からない状態で、ますらおは竜人と対峙しなければならない。人間の部隊員を派遣するのは非常に憚られる状況だが、ロボットであればそれもまだ気持ちの上では楽になる。
だが同時に無事を願ってしまうのも事実ではある。新やレトやルナにとっては群れの仲間みたいなもんだしな。
<仲間>であるがゆえにますらおはアカトキツユ村を守ろうとするだろうし、だったら任せるさ。
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