上 下
2,401 / 2,554
第四世代

焔と彩編 利益の管理にかかるコスト

しおりを挟む
『生き甲斐を求めるために働く』

もいうのは、なにも<労働者側><雇われる側>だけに限った話じゃない。実は<企業家側><雇う側>にもその感覚は浸透しているんだ。だから、

『単に効率よく自分が理想とする経営を行って儲けたい利益を上げたい。というわけじゃない』

経営者もごく普通に存在する。

<自分の思い通りにはいかないことを楽しむ経営者や企業家>

も当たり前にいるんだよ。

その一方で、

『ひたすら効率を求める経営者や企業家もいる』

ということなんだよな。かつてはそれこそが正しいと長く思われてきたわけで、そういう感覚は簡単には消えてしまわない。

『子供は親の所有物』

『人間は結婚して子供を設けて一人前』

『家を守るのが最も大事』

的な感覚が今なお完全には消え去ってしまっていないようにな。

そして『ひたすら効率を求める経営者や企業家もいる』こと自体は決して『間違ってる』というわけじゃないだろう。あくまでも<考え方の一つ>というだけでしかないさ。『すべてをロボットにやらせる』というのがいささか極端でやりすぎかもしれないというだけで。

そのコミュニティ独自の法律では問題ないとしても、他の惑星やコミュニティと取引するのであれば色々とリスクも伴うだろう。そういう考えを是としないところとの取引は難しいだろうし、強く反発するところもあるかもしれない。<市場>が限られてしまう可能性は高いよな。

もっとも、現在の地球人社会の市場規模そのものが途轍もないもので、それなりの規模のコミュニティを市場として取り込めれば、二十一世紀頃の貨幣価値に換算すれば<数千億円>規模の利益だって見込めるらしい。

普通に<億万長者>にもなれるだろ。そこで満足するだけでも身の丈を大きく上回る暮らしができるだろうな。

とはいえ、<人間(地球人)>ってのは欲深い生き物だからなあ。さらに大きな利益を得ようとする者はやっぱりいるんだよな。

ただ、地球人社会全体から莫大な利益を得ようとしても規模があまりにも大き過ぎて管理が難しいらしい。その管理のために必要なコストも途方もない額になってしまうんだとか。

だからまあ、結局は常識的な範囲の<億万長者>に収まってしまうとも聞く。

むろん、そのコストを掛けてでも『もっともっと』と考えるのもいるが。でもなあ、

『利益の管理にかかるコストがやがてその利益そのものを食いつぶしてしまう』

ことも事実なんだよな。これは決して、

『税金がバカ高い』

なんて話に限ったことじゃないんだ。

しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

冤罪を掛けられて大切な家族から見捨てられた

ああああ
恋愛
優は大切にしていた妹の友達に冤罪を掛けられてしまう。 そして冤罪が判明して戻ってきたが

勝負に勝ったので委員長におっぱいを見せてもらった

矢木羽研
青春
優等生の委員長と「勝ったほうが言うことを聞く」という賭けをしたので、「おっぱい見せて」と頼んでみたら……青春寸止めストーリー。

男女比の狂った世界で愛を振りまく

キョウキョウ
恋愛
男女比が1:10という、男性の数が少ない世界に転生した主人公の七沢直人(ななさわなおと)。 その世界の男性は無気力な人が多くて、異性その恋愛にも消極的。逆に、女性たちは恋愛に飢え続けていた。どうにかして男性と仲良くなりたい。イチャイチャしたい。 直人は他の男性たちと違って、欲求を強く感じていた。女性とイチャイチャしたいし、楽しく過ごしたい。 生まれた瞬間から愛され続けてきた七沢直人は、その愛を周りの女性に返そうと思った。 デートしたり、手料理を振る舞ったり、一緒に趣味を楽しんだりする。その他にも、色々と。 本作品は、男女比の異なる世界の女性たちと積極的に触れ合っていく様子を描く物語です。 ※カクヨムにも掲載中の作品です。

小学生最後の夏休みに近所に住む2つ上のお姉さんとお風呂に入った話

矢木羽研
青春
「……もしよかったら先輩もご一緒に、どうですか?」 「あら、いいのかしら」 夕食を作りに来てくれた近所のお姉さんを冗談のつもりでお風呂に誘ったら……? 微笑ましくも甘酸っぱい、ひと夏の思い出。 ※性的なシーンはありませんが裸体描写があるのでR15にしています。 ※小説家になろうでも同内容で投稿しています。 ※2022年8月の「第5回ほっこり・じんわり大賞」にエントリーしていました。

NTRエロゲの世界に転移した俺、ヒロインの好感度は限界突破。レベルアップ出来ない俺はスキルを取得して無双する。~お前らNTRを狙いすぎだろ~

ぐうのすけ
ファンタジー
高校生で18才の【黒野 速人】はクラス転移で異世界に召喚される。 城に召喚され、ステータス確認で他の者はレア固有スキルを持つ中、速人の固有スキルは呪い扱いされ城を追い出された。 速人は気づく。 この世界、俺がやっていたエロゲ、プリンセストラップダンジョン学園・NTRと同じ世界だ! この世界の攻略法を俺は知っている! そして自分のステータスを見て気づく。 そうか、俺の固有スキルは大器晩成型の強スキルだ! こうして速人は徐々に頭角を現し、ハーレムと大きな地位を築いていく。 一方速人を追放したクラスメートの勇者源氏朝陽はゲームの仕様を知らず、徐々に成長が止まり、落ちぶれていく。 そしてクラス1の美人【姫野 姫】にも逃げられ更に追い込まれる。 順調に強くなっていく中速人は気づく。 俺達が転移した事でゲームの歴史が変わっていく。 更にゲームオーバーを回避するためにヒロインを助けた事でヒロインの好感度が限界突破していく。 強くなり、ヒロインを救いつつ成り上がっていくお話。 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』 カクヨムとアルファポリス同時掲載。

神様との賭けに勝ったので、スキルを沢山貰えた件。

猫丸
ファンタジー
ある日の放課後。突然足元に魔法陣が現れると、気付けば目の前には神を名乗る存在が居た。 そこで神は異世界に送るからスキルを1つ選べと言ってくる。 あれ?これもしかして頑張ったらもっと貰えるパターンでは? そこで彼は思った――もっと欲しい! 欲をかいた少年は神様に賭けをしないかと提案した。 神様とゲームをすることになった悠斗はその結果―― ※過去に投稿していたものを大きく加筆修正したものになります。

 女を肉便器にするのに飽きた男、若返って生意気な女達を落とす悦びを求める【R18】

m t
ファンタジー
どんなに良い女でも肉便器にするとオナホと変わらない。 その真実に気付いた俺は若返って、生意気な女達を食い散らす事にする

大好きな彼女を学校一のイケメンに寝取られた。そしたら陰キャの僕が突然モテ始めた件について

ねんごろ
恋愛
僕の大好きな彼女が寝取られた。学校一のイケメンに…… しかし、それはまだ始まりに過ぎなかったのだ。 NTRは始まりでしか、なかったのだ……

処理中です...