未開の惑星に不時着したけど帰れそうにないので人外ハーレムを目指してみます(Ver.02)

京衛武百十

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第四世代

焔と彩編 一人が背負う必要はない

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俺がいくら、

<誰もが幸せに生きられる理想の社会>

を夢想しようとも、そんなものは<絵に描いた餅>でしかなく、俺が想定したとおりにすべてが動くとは限らない。

それは承知してる。承知した上でそれを目指す必要があると感じてるんだ。夢想するならなおのこと努力をするべきだと俺は考えてる。

努力せずに叶う夢なんてのは、それこそ宝くじに当たるようなもんだろうしな。

そんな運任せで何を語るって? 自分の子供が思うように育たなかったのを、

『運が悪かった』

などと寝ぼけた戯言を口にする親みたいにはなりたくないんだよ。

そういうのは、

『自分は運が悪かったから成功できなかった』

とか言う奴と同じだしな。<運>も無視できない要素の一つではあっても、それがすべてを決めるわけじゃない。

ましてや自身の見当違いな振る舞いの結果として訪れたものを運の所為にして自分を正当化するなんてのは、<大人のすること>とは思わない。特に<親>としては恥ずかしいことこの上ないだろうさ。

そう思うなら、言い訳を並べて努力することを諦めるんじゃなく、やれるだけのことはしなきゃ。自分が始めてしまったことに対して責任を負わなきゃ。

<茨の道>なのも分かってる。俺みたいな凡人が<社会そのもの>を作っていこうなんて無謀もいいところだ。だが、

連是れんぜ一人が背負う必要はないよ」

シモーヌもそう言ってくれている。

「私も協力する」

「僕もだ」

「もちろん私も」

「私達自身のことだしね」

ビアンカも久利生くりうもシオもレックスもだ。

まあ彼女達は、そもそも万が一のことがあった時には自分達だけで生きていくことを覚悟している者達だからな。元々そういう事態も想定されているし、本人達もしている。そしてそれができる者達だ。

彼女達が眉を顰めるような時には、俺は自分がマズいことをしようとしてるんだなと思うようにしている。幸いここまでは<苦笑い>程度で済まされてきているが。

確かに俺だけが唯一の<地球人>であり、地球人社会製AIの後ろ盾を得られる存在であり、シモーヌ達の意見なんて無視しようと思えばできてしまうが、それをしてしまったら<朋群ほうむ人社会>なんて成立しないんだよな。

地球でもかつて、

『文明が進んだ国が、文明が遅れている国を導こうとして、結果、いくつもの文化が失われた』

なんてことがあったらしいじゃないか。<前提>を無視して自分達の価値観を一方的に押し付けようとして、独自に築かれてきた文化の何もかもを破壊してしまったということがな。

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