未開の惑星に不時着したけど帰れそうにないので人外ハーレムを目指してみます（Ver.02）

第四世代

焔と彩編 レミングの集団自殺

考えてみればそもそも野生の生き物は＜自殺＞なんかするか？　

＜レミングの集団自殺＞

みたいなのが二十世紀頃にはさも事実のように語られていたりしたらしいが、実際には＜自殺＞なんかじゃなく、ただ数が増えすぎたことで一部が別の生息地を求めて移動する際に、事故で命を落とす者が出るというだけでしかないらしい。

そもそもレミングはそれなりに泳ぐこともできる動物だから、単に海に落ちただけでは死なないそうだ。

＜弱っている個体＞

＜十分な力を持たない個体＞

＜運のない個体＞

は溺れて命を落としたりするにしても、それ自体は単純な＜淘汰＞にすぎないだろう。　

残念ではありつつ、これまた＜摂理＞の一部だろうし。

＜淘汰＞ということであれば、

『子供ができない相手をパートナーに選んだ』

ことも、『子孫を残せない』という意味じゃ、＜淘汰される側＞だろうとは俺も思う。思うが、すでにその選択を行った者に対して周りがとやかく言うのは、

＜余計なお世話＞

というものだろうさ。しかも野生の場合は、

『現役世代が高齢者を支える』

なんて仕組みも基本的に存在しない。

『子供が年老いた親の面倒を見る』

なんてことも基本的にはしない。子供の世話をする習性がある動物でも、成体おとなになれば自分の力で生きていけなくなればそこで終わるだけだし、生みっぱなしで子供の世話をしない動物はそれこそ子供の方も親なんてものを認識すらしてないんじゃないのか？

そんな動物の場合は、『子供を残さない』なんて選択も、自分自身だけで完結する話だろうさ。

他の個体がその選択の影響を受けることもほとんどないだろう。

＜種の存続＞

については影響もあると思うかもしれないが、それすら＜誤差の範囲＞でしかないんじゃないのか？

＜成体おとなになれずに命を落とす幼体こども＞

とそう大差ないと思うんだよな。

人間（地球人）の場合はなまじ＜現役世代が高齢者を支える仕組み＞なんてものを作ってしまったことで様々な無理も生じたし問題も生じたが、＜高齢者の介護＞についてもロボットが大半を負担してくれるようになったことで問題が随分と軽減されたそうだ。

なんとか無理なく維持していくことができる程度には。

地球人の繁栄そのものも、そこがなんとかなったおかげとも言われてるんだとか。

あくまで＜動物の一種＞でしかない人間が、野生の動物がしないことを、＜社会の基盤部分に関わる仕組み＞として組み込んでしまうと、いずれ破綻してしまうのは明白だったそうだしな。