未開の惑星に不時着したけど帰れそうにないので人外ハーレムを目指してみます(Ver.02)

京衛武百十

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第四世代

焔と彩編 特筆すべきエピソード

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<特筆すべきエピソード>はなかったかもしれないが、それでもせっかくだし、二人のこれまでについて振り返ってみたいと思う。

そうだな。まずはほまれの息子のたもつが生まれた頃からにしようか。

ほまれあおの間にたもつが生まれたことについては、俺としても嬉しかったよ。

ほまれも一人前になったんだな』

と思ったのは事実だ。でもな、だからといって、

『子供を作って育ててやっと一人前だ』

だとか言うつもりもないのも事実なんだ。

『感情論として一人前だと感じる』

ことと、

『一人前である』

ことは、必ずしも連動しない。だってそうだろう? 

親が成人した子供に対して、

『お前はもう一人前だ』

的な言葉を掛けていたって、当人が本当に一人前なのかどうかは別の話だしな。実際に、<親になって子供も育て上げて成人させた大人>の振る舞いを見てて本当に<一人前>だと感じるか?

子供どころか孫までいるような年齢の人間がやらかしてるのを、それこそ日常的に見掛けたりしなかったか? 六十世紀の今になっても、

<人間の愚かさの実例の一つ>

として語り草になってるのが、二十一世紀に起こった<自動車事故>での加害者の言い草である、

『ランチの約束に遅れそうになったから信号を無視した』

ってのだ。しかもその人物は、そんな理由で信号を無視して交差点に突っ込んで大変な事故を起こした挙句、その責任を<自動車>に擦り付けようとしたらしいな。<自動車の欠陥>の所為だと。

なるほど自動車そのものに欠陥があって事故が起こったという事例は確かにあるだろう。だが、この一件については自動車側の欠陥に関しては一切確認されていないそうじゃないか。<自動車の癖>というべき点ではそれまでのとは異なる部分もあったとしても、そんなのは<MT車とAT車の違い>と変わらない程度の、

<それを使う者が把握し対処しなければいけないもの>

でしかなかったらしいな。

自動車がロボット化した現在ではそもそもそんな言い訳はまったく通用しないし、ロボットが運転してる限りは、『ランチの約束に遅れそうだから信号を無視する』なんてことはできない。主人が命じたところでロボットは従わない。

『主人が法に反する振る舞いをすることで罪人になるのを防ぐ』

ためにな。それこそがロボットにとっての、

<主人を守る行動>

なんだ。

対して<人間>は、

<子供を作って育て上げその子供がさらに子供を作って育てている世代>

であっても、本当にくだらない理由で大きな過ちを犯すんだ。

それのどこが、

<一人前>

だって?

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