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第四世代

凛編 彼が生きていた証の一つ

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そうのための墓は真新しく、特に深い意味もないただのモニュメントにさえ見えた。 過剰に飾り立てることを俺が望んでないからだ。

それでも、ここに彼が生きていた証の一つではある。こうして向き合うと胸が締め付けられそうな感じがするな。

自らの命を全うした事実があればこそ、悲痛な空気感まではないというだけだ。

<我が子に先立たれた痛み>

は、今回もしっかりとある。

そんな俺の様子を敏感に感じ取ってか、空港では追いかけっこを始めるほどテンションが上がっていた子供達も神妙な様子だ。

とは言え、それも長くは続かないであろうことは承知している。だからこそ長々としたセレモニーは避け、黙して<弔慰>を示すだけに留める。

俺も、シモーヌも、ひかりも、あかりも、ビアンカもだ。大事なのは<悼む気持ち>であって、セレモニーそのものじゃない。

地球人社会じゃえてしてセレモニーそのものに重きを置いてしまってそちらが目的になってしまってるような部分も多々見られたな。主客転倒、本末転倒というヤツか。だが俺はあくまで<悼む気持ち>を重視したいと思う。

子供達も、そんな俺達の真似をして手を合わせてくれる。幼い子供は大人ほどは集中力が続かないから無駄なセレモニーを行ってたらそりゃついていけなくなるさ。

こうして時間にして一分ばかりの短いそれではあったが、そうの墓の前で彼を悼むことができた。

この事実が俺自身の納得になっていく。正直、些細なことではあるものの、この<些細なこと>の積み重ねこそが<生きる>というものの本質なんだろうな。

そして<墓参り>も済んで、

「じゃあ、みんなはコーネリアス号の中を探検してきたらいい」

俺は錬慈れんじ達に告げた。これには、

「やったあ!」

子供達全員が飛び上がって喜ぶ。

「すまない。しばらく五月蠅くなる」

コーネリアス号で待機していたシオとレックスには俺が前もって詫びておく。

『二人だけしか住んでいないマンションのようなものだ』

と言っておきながら、<唯一の地球人>であり、コーネリアス号のAIから、

<臨時の管理者代理>

として認められている俺の立場でそれを言えば二人は逆らえないのが分かっていて敢えてそう言ったんだ。

しかし二人は、

「いいよいいよ」

「むしろ子供達にもコーネリアス号に触れてもらいたいね」

笑顔で返してくれた。本当に人間ができているな。

そんなこんなでシオとレックスの厚意に甘えて、

「わーっ♡」

錬慈れんじは真っ先にコーネリアス号の中へと駆け込んでいった。

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