2,329 / 2,554
第四世代
凛編 元の家族
しおりを挟む
新暦〇〇四十年一月三十日
<凛の家族>だけが残り、ある意味じゃ元に戻ったとも言える群れだが、それでも家族自体が増えているからな。完全に昔に戻ったわけじゃない。
加えて、皆、むしろ穏やかな様子だった。特に萌は満足気かつホッとした表情をしているように感じる。彼女にとっては最も好ましい結果だったんだろう。
<一般的なレオン>としては決して好ましいとは言えないはずだ。小規模な群れじゃ他のレオンの群れやオオカミ竜などの外敵に対抗するには厳しいからなあ。普通なら『間違ってる』と言えるだろうな。
だが、先にも触れたとおり、野生には<明文化された法>や<厳格なルール>は存在しない。なにをしようとどんな選択をしようと咎められる筋合いはない。上手くいかなければ自身の命も含めてすべてが失われる可能性があるというだけだ。
しかし、
『絶対に上手くいかない』
というものでもない。<生き物の種>というのは、本質的にそういう形で生き延び、繁栄を続けてきた。環境の変化等があった際には、
<本来ならやらないこと>
をやることで生き延びる者もでてくるんだ。
もちろんそれが結果的に失敗に終わる場合も当然のこととしてある。あるが、<本来のやり方>ではどうにもならなかった時に、
<起死回生の一手>
になることも確かにあるんだよ。
まあもっとも、凛達の場合は、
<俺の親族>
というのが何より強力な後ろ盾になってるけどな。だから実際には、どんな無茶をしても帳尻を合わせることはできてしまう。
凛達にはそういう発想がないだけだ。<人間(地球人)>と違って。
伍号機をけしかける程度のことは思い付くとしても、そうなると今度は俺が伍号機に待機を命じるけどな。
凛達を守ることについては躊躇わないが、だからといって他者を侵害する行いに加担するつもりはないんだよ。それを許すつもりもない。
いくら<俺の子供>であっても、いや、俺の子供だからこそそれを許すつもりはないんだ。
『子供が自立したらもう親に責任はない』
と地球人はよく言うが、その考え方は、これまで何度も触れてきたように俺の実感とはかけ離れているな。
俺の子供達は全員、俺の勝手でこの世に送り出したんだ。俺の<選択の結果>そのものだ。それが理不尽に他者を害するなら、元々の原因を生み出した俺に責任がないわけないだろう?
もっとも、そもそもそんなことをする必要そのものを与えてこなかったし、実際、俺の子供達が他者に対してそこまで理不尽なことはしてこなかったのも事実だけどな。
<凛の家族>だけが残り、ある意味じゃ元に戻ったとも言える群れだが、それでも家族自体が増えているからな。完全に昔に戻ったわけじゃない。
加えて、皆、むしろ穏やかな様子だった。特に萌は満足気かつホッとした表情をしているように感じる。彼女にとっては最も好ましい結果だったんだろう。
<一般的なレオン>としては決して好ましいとは言えないはずだ。小規模な群れじゃ他のレオンの群れやオオカミ竜などの外敵に対抗するには厳しいからなあ。普通なら『間違ってる』と言えるだろうな。
だが、先にも触れたとおり、野生には<明文化された法>や<厳格なルール>は存在しない。なにをしようとどんな選択をしようと咎められる筋合いはない。上手くいかなければ自身の命も含めてすべてが失われる可能性があるというだけだ。
しかし、
『絶対に上手くいかない』
というものでもない。<生き物の種>というのは、本質的にそういう形で生き延び、繁栄を続けてきた。環境の変化等があった際には、
<本来ならやらないこと>
をやることで生き延びる者もでてくるんだ。
もちろんそれが結果的に失敗に終わる場合も当然のこととしてある。あるが、<本来のやり方>ではどうにもならなかった時に、
<起死回生の一手>
になることも確かにあるんだよ。
まあもっとも、凛達の場合は、
<俺の親族>
というのが何より強力な後ろ盾になってるけどな。だから実際には、どんな無茶をしても帳尻を合わせることはできてしまう。
凛達にはそういう発想がないだけだ。<人間(地球人)>と違って。
伍号機をけしかける程度のことは思い付くとしても、そうなると今度は俺が伍号機に待機を命じるけどな。
凛達を守ることについては躊躇わないが、だからといって他者を侵害する行いに加担するつもりはないんだよ。それを許すつもりもない。
いくら<俺の子供>であっても、いや、俺の子供だからこそそれを許すつもりはないんだ。
『子供が自立したらもう親に責任はない』
と地球人はよく言うが、その考え方は、これまで何度も触れてきたように俺の実感とはかけ離れているな。
俺の子供達は全員、俺の勝手でこの世に送り出したんだ。俺の<選択の結果>そのものだ。それが理不尽に他者を害するなら、元々の原因を生み出した俺に責任がないわけないだろう?
もっとも、そもそもそんなことをする必要そのものを与えてこなかったし、実際、俺の子供達が他者に対してそこまで理不尽なことはしてこなかったのも事実だけどな。
0
お気に入りに追加
174
あなたにおすすめの小説
大好きな彼女を学校一のイケメンに寝取られた。そしたら陰キャの僕が突然モテ始めた件について
ねんごろ
恋愛
僕の大好きな彼女が寝取られた。学校一のイケメンに……
しかし、それはまだ始まりに過ぎなかったのだ。
NTRは始まりでしか、なかったのだ……
隣の席の女の子がエッチだったのでおっぱい揉んでみたら発情されました
ねんごろ
恋愛
隣の女の子がエッチすぎて、思わず授業中に胸を揉んでしまったら……
という、とんでもないお話を書きました。
ぜひ読んでください。
校長室のソファの染みを知っていますか?
フルーツパフェ
大衆娯楽
校長室ならば必ず置かれている黒いソファ。
しかしそれが何のために置かれているのか、考えたことはあるだろうか。
座面にこびりついた幾つもの染みが、その真実を物語る
性奴隷を飼ったのに
お小遣い月3万
ファンタジー
10年前に俺は日本から異世界に転移して来た。
異世界に転移して来たばかりの頃、辿り着いた冒険者ギルドで勇者認定されて、魔王を討伐したら家族の元に帰れるのかな、っと思って必死になって魔王を討伐したけど、日本には帰れなかった。
異世界に来てから10年の月日が流れてしまった。俺は魔王討伐の報酬として特別公爵になっていた。ちなみに領地も貰っている。
自分の領地では奴隷は禁止していた。
奴隷を売買している商人がいるというタレコミがあって、俺は出向いた。
そして1人の奴隷少女と出会った。
彼女は、お風呂にも入れられていなくて、道路に落ちている軍手のように汚かった。
彼女は幼いエルフだった。
それに魔力が使えないように処理されていた。
そんな彼女を故郷に帰すためにエルフの村へ連れて行った。
でもエルフの村は魔力が使えない少女を引き取ってくれなかった。それどころか魔力が無いエルフは処分する掟になっているらしい。
俺の所有物であるなら彼女は処分しない、と村長が言うから俺はエルフの女の子を飼うことになった。
孤児になった魔力も無いエルフの女の子。年齢は14歳。
エルフの女の子を見捨てるなんて出来なかった。だから、この世界で彼女が生きていけるように育成することに決めた。
※エルフの少女以外にもヒロインは登場する予定でございます。
※帰る場所を無くした女の子が、美しくて強い女性に成長する物語です。
俺のセフレが義妹になった。そのあと毎日めちゃくちゃシた。
ねんごろ
恋愛
主人公のセフレがどういうわけか義妹になって家にやってきた。
その日を境に彼らの関係性はより深く親密になっていって……
毎日にエロがある、そんな時間を二人は過ごしていく。
※他サイトで連載していた作品です
幼なじみ三人が勇者に魅了されちゃって寝盗られるんだけど数年後勇者が死んで正気に戻った幼なじみ達がめちゃくちゃ後悔する話
妄想屋さん
ファンタジー
『元彼?冗談でしょ?僕はもうあんなのもうどうでもいいよ!』
『ええ、アタシはあなたに愛して欲しい。あんなゴミもう知らないわ!』
『ええ!そうですとも!だから早く私にも――』
大切な三人の仲間を勇者に〈魅了〉で奪い取られて絶望した主人公と、〈魅了〉から解放されて今までの自分たちの行いに絶望するヒロイン達の話。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる