未開の惑星に不時着したけど帰れそうにないので人外ハーレムを目指してみます(Ver.02)

京衛武百十

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第四世代

凛編 至極単純な理屈

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人間を含んだ<動物>というものは、自ら意図的にバランスを一時的に崩すことで動く。二本足で歩く人間(地球人)なんかはそれこそバランスを崩してやらないと実は歩くことさえできない。

とはいえ、安定して歩くためには、最低限のバランスは維持しなけりゃならない。そうしないと今度は転んでしまうからな。

歩いていて何かに躓くと転んでしまったりするのはそういうことだ。歩いていて、前に踏み出そうとした足が何らかの理由で前に出なかったら、転んだりするだろ? まさしくそれだよ。

躓くことで最低限のバランスさえ維持できなくなり、リカバリできなければ<転倒>という結果に至る。至極単純な理屈だな。

二足歩行の動物は特に、両方の脚を交互に前に出す形で進むと他の体の部位もそれに合わせて左右が交互に前後する。最低限のバランスをとるためだ。

なら、それを邪魔したらどうなる? 号機がしたのもそれだ。高い身体能力を持つ者ほど最小限の無駄のない動きでバランスを確保してるんだろうが、だからこそその動きを阻害されれば影響は非常に大きい。この時の若い雄達のように勢いよく飛び掛かろうとしてたらなおのこと。

で、号機のマニピュレータでそれが阻害されたことによりバランスが維持できなくなって吹っ飛ぶように転んだわけだ。

「!?」

「……っ!?」

若い雄達は自分に何が起こったのか理解できなかったらしい。号機が手を伸ばしてきてそれが触れたと思ったら地面に向かって吹っ飛んでたんだから、無理もないか。もっとも。『吹っ飛ぶように転んだ』のは、二人がそれだけの勢いで飛び掛かってきた所為だ。号機はただバランスをとるのを阻害しただけにすぎない。

さりとて、それを<理屈>として理解できるのは人間(地球人)ならではか。野生の獣である野生のレオンには理解できないさ。あくまでも号機がなにかをしたというのが分かるだけで。

しかし、それが分かっただけで十分だろう。

「グルルルル……!」

「ウルルルルルル……!」

二人はすぐさま体を起こしたものの、またすぐ飛び掛かっていくことはしなかった。

『得体の知れない奴が何かをした』

のは理解できたんだろう。ここで無謀な行動に出るような奴じゃそれこそ<ボス>は務まらない。

で、若い雄は左右に分かれて、意識を集中させないようにして攻撃を加えることにしたようだ。話し合って決めたわけでもないのに綺麗に左右に分かれる。

これも、生き物が相手なら有効だったかもしれない。でもなあ、号機はロボットなんだ。

『二つのことをまったく同時に行う』

のも、性能の範囲内であれば簡単にできるんだよ。

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