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第四世代

凛編 人間の縄張り

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新暦〇〇四十年一月二十九日



まあなんにせよ、何度も言うことだが改めて言うがこれでゆうは<ボスの座>から退くことになった。

で、日付が変わった頃、ゆうからボスの座を奪った若い雄が、自分達についてきた者達を引き連れて『帰って』きた。

だが、それに対してほうが激しい怒りと共に敵意を剝き出しに。

無理もない。ゆうは自身の負けを認めたものの、ここは元々、

りん達の巣>

なんだ。そこに後から勝手に入り込んできたのは若い雄達の方だしな。

もっとも、

<それを受け入れた責任>

についてはりんゆうにある。あるが、ほうが決めたわけじゃないのも事実。どうやら彼女としては、

『仲間として問題を起こさずにいるなら勝手にすればいい』

的に見逃がしてただけで、こうして敵対してきたのなら話は別だということか。

とは言え、彼女一人が反対したところで<ボスの座>は確かに移ってしまったからなあ。

が、その時、

「ルルルルルル……!」

唸り声を上げつつほうの背後に立つ三つの影が。

その内の二つは、あんろうだった。若い雄がボスの座を狙ってゆうと戦ったことについてはさほど関心も示さなかったというのに、若い雄達が意気揚々と帰ってきたことについては強い敵意を見せたんだ。

そして残る一つは、

「グルルルルルル……ッ!」

意外な者が牙を剥いている姿だった。

ひょうだ。これまでほうのパートナーであるはずの彼のことに触れてこなかったのは、彼がそれこそ<モブ>の一人のように目立たなかったからだ。行動を起こすのはいつもほうの方で、ひょうはただ淡々と、

<群れの仲間>

としての役目を果たしていただけだったんだよ。

若い雄達がゆうに突っかかっていっても、あんろうと同じくこれといって何かをしようとはしなかったしな。

そんな彼が、明らかに敵意を剥き出している。どうやら彼も、本質的なところではほうと同じ考えだったようだ。だからこそ彼の女と番っていられたんだろうが。そうじゃなきゃとっくに別れていたか。

だがもちろん、若い雄とそれに同調した者達にとっても今はここが<巣>だから、そんな風にされて素直に従うはずもない。従う理由もない。むしろ、

『今は俺がボスなんだからお前達の方こそ出ていけ!』

という感じだろう。

でもなあ、そこは<コーネリアス号の陰>だから、そもそも、

<俺達人間の縄張り>

なんだよな。しかも、

『コーネリアス号がそこに不時着してからレオンという種が生まれた』

だけで、別にレオンが平穏に暮らしていたところに人間が勝手に踏み込んできたわけじゃないんだよ。

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