2,320 / 2,625
第四世代
凛編 ブンドド
しおりを挟む
そうだ。凛も走も凱も、<俺とは別の命>なんだ。知能こそ精々地球人の十歳児程度でも確かに<俺とは別の人格>を有した存在なんだよ。
まあこれも、今まで何度も何度もしつこく語ってきたことだけどな。しかしどれだけしつこく語っても、
『子供は親とは別の命であり人格を持つ存在である』
という事実を認めることができない人間もいる。いや、
『認めたがらない』
と言った方がいいか。それを認めると、
<自分にとって都合のいい人生設計のための設定>
が台無しになってしまうからなんだろう。<子供という舞台装置>が失われてしまうからなんだろう。自分の人生を演出する<小道具>が自分の手を離れてしまうからなんだろう。それが怖いんだろうさ。
相手が自分とは別の人格であり独立した存在であり、
『命として対等である』
ってことになると、子供を自分の都合で操れる、
<上位存在>
になれたような気がしてるのを台無しにされてしまうからだろうさ。
幼稚だな。子供が<ブンドド>してすべてを自分の思い通りに操って遊んでいるのと発想が同じだと思う。ただそれが、<玩具>ではなく、
<生きた生身の人間>
を使って行うから罪深く闇も深いだけだろう。自分を<大人>だと思うなら、せめてその辺りをわきまえるべきだろうさ。
自分の玩具で遊んでるだけなら別にいい。どんなに勝手なことをしても理不尽なことをしても、それで玩具が壊れても、自分でそれを受け止めるなら好きにすればいいさ。だが、<生きた人間>であり<自分とは別の命>である子供でブンドドするのは度が過ぎていると俺は思うんだよ。
なにしろそういうのは、社会にまで影響を与えるからな。玩具はそうじゃなくても、子供はやがて成長して自ら社会に関わっていくようになるんだ。その子供が自身の生い立ちを理由に<好ましくない影響>を社会に与えようとするなら、原因を作った親が咎められないのはおかしいだろ。
俺自身が親であり子供を育ててきたからこそそう思う。
加えて俺は、自立して巣立って自らの力で生きている子供達に対しては過剰に干渉しないでおこうと思ってる。だからこそ、干渉しなくて済むように育てなきゃと自分に言い聞かせてるんだ。
他者を敬い、気遣い、慮ることができる人間に育てることで、本人の判断に任せておけるようにな。
凛も走も凱も<人間>としては生きていないが、あくまで<野生に生きる獣人>ではあるが、その中でもただの破壊者にはなってほしくないんだ。
まあこれも、今まで何度も何度もしつこく語ってきたことだけどな。しかしどれだけしつこく語っても、
『子供は親とは別の命であり人格を持つ存在である』
という事実を認めることができない人間もいる。いや、
『認めたがらない』
と言った方がいいか。それを認めると、
<自分にとって都合のいい人生設計のための設定>
が台無しになってしまうからなんだろう。<子供という舞台装置>が失われてしまうからなんだろう。自分の人生を演出する<小道具>が自分の手を離れてしまうからなんだろう。それが怖いんだろうさ。
相手が自分とは別の人格であり独立した存在であり、
『命として対等である』
ってことになると、子供を自分の都合で操れる、
<上位存在>
になれたような気がしてるのを台無しにされてしまうからだろうさ。
幼稚だな。子供が<ブンドド>してすべてを自分の思い通りに操って遊んでいるのと発想が同じだと思う。ただそれが、<玩具>ではなく、
<生きた生身の人間>
を使って行うから罪深く闇も深いだけだろう。自分を<大人>だと思うなら、せめてその辺りをわきまえるべきだろうさ。
自分の玩具で遊んでるだけなら別にいい。どんなに勝手なことをしても理不尽なことをしても、それで玩具が壊れても、自分でそれを受け止めるなら好きにすればいいさ。だが、<生きた人間>であり<自分とは別の命>である子供でブンドドするのは度が過ぎていると俺は思うんだよ。
なにしろそういうのは、社会にまで影響を与えるからな。玩具はそうじゃなくても、子供はやがて成長して自ら社会に関わっていくようになるんだ。その子供が自身の生い立ちを理由に<好ましくない影響>を社会に与えようとするなら、原因を作った親が咎められないのはおかしいだろ。
俺自身が親であり子供を育ててきたからこそそう思う。
加えて俺は、自立して巣立って自らの力で生きている子供達に対しては過剰に干渉しないでおこうと思ってる。だからこそ、干渉しなくて済むように育てなきゃと自分に言い聞かせてるんだ。
他者を敬い、気遣い、慮ることができる人間に育てることで、本人の判断に任せておけるようにな。
凛も走も凱も<人間>としては生きていないが、あくまで<野生に生きる獣人>ではあるが、その中でもただの破壊者にはなってほしくないんだ。
0
お気に入りに追加
189
あなたにおすすめの小説
前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に二週目の人生を頑張ります
京衛武百十
ファンタジー
俺の名前は阿久津安斗仁王(あくつあんとにお)。いわゆるキラキラした名前のおかげで散々苦労もしたが、それでも人並みに幸せな家庭を築こうと仕事に精を出して精を出して精を出して頑張ってまあそんなに経済的に困るようなことはなかったはずだった。なのに、女房も娘も俺のことなんかちっとも敬ってくれなくて、俺が出張中に娘は結婚式を上げるわ、定年を迎えたら離婚を切り出されれるわで、一人寂しく老後を過ごし、2086年4月、俺は施設で職員だけに看取られながら人生を終えた。本当に空しい人生だった。
なのに俺は、気付いたら五歳の子供になっていた。いや、正確に言うと、五歳の時に危うく死に掛けて、その弾みで思い出したんだ。<前世の記憶>ってやつを。
今世の名前も<アントニオ>だったものの、幸い、そこは中世ヨーロッパ風の世界だったこともあって、アントニオという名もそんなに突拍子もないものじゃなかったことで、俺は今度こそ<普通の幸せ>を掴もうと心に決めたんだ。
しかし、二週目の人生も取り敢えず平穏無事に二十歳になるまで過ごせたものの、何の因果か俺の暮らしていた村が戦争に巻き込まれて家族とは離れ離れ。俺は難民として流浪の身に。しかも、俺と同じ難民として戦火を逃れてきた八歳の女の子<リーネ>と行動を共にすることに。
今世では結婚はまだだったものの、一応、前世では結婚もして子供もいたから何とかなるかと思ったら、俺は育児を女房に任せっきりでほとんど何も知らなかったことに愕然とする。
とは言え、前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に、何とかしようと思ったのだった。
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
こおりのほしのねむりひめ(ほのぼのばーじょん)
京衛武百十
ファンタジー
厚さ数キロの氷に閉ざされた自由惑星<ハイシャイン>。その氷の下に僅かに残された人間の世界に生まれ育った浅葱(あさぎ)は、十三歳を迎え一人前の砕氷(さいひ)となるべく先人達が永久凍土を掘り進めた氷窟に挑む。そこで彼女が事故のようにして巡り会ったのは、氷点下四十度の中で眠り続ける、女性の姿をした何者かであった。浅葱はそれを<ねむりひめ>と名付け、村へと連れ帰ろうとするのだが……。
筆者より。
なろうで連載していた「凍結惑星 ~こおりのほしのねむりひめ~」の、表現をマイルドにした<ほのぼのばーじょん>です。「凍結惑星 ~こおりのほしのねむりひめ~」を読むときの感じで読もうとするとずっこけるようなものしたいと思います。科学的な考証とかにはなるべく拘りたくない。と、思います(努力します)。
ちなみに筆者自身は登場人物達を三頭身くらいのデフォルメキャラという感じで脳内再生しています。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
S級クラフトスキルを盗られた上にパーティから追放されたけど、実はスキルがなくても生産力最強なので追放仲間の美少女たちと工房やります
内田ヨシキ
ファンタジー
[第5回ドラゴンノベルス小説コンテスト 最終選考作品]
冒険者シオンは、なんでも作れる【クラフト】スキルを奪われた上に、S級パーティから追放された。しかしシオンには【クラフト】のために培った知識や技術がまだ残されていた!
物作りを通して、新たな仲間を得た彼は、世界初の技術の開発へ着手していく。
職人ギルドから追放された美少女ソフィア。
逃亡中の魔法使いノエル。
騎士職を剥奪された没落貴族のアリシア。
彼女らもまた、一度は奪われ、失ったものを、物作りを通して取り戻していく。
カクヨムにて完結済み。
( https://kakuyomu.jp/works/16817330656544103806 )
無能と蔑まれた七男、前世は史上最強の魔法使いだった!?
青空一夏
ファンタジー
ケアニー辺境伯爵家の七男カイルは、生まれつき魔法を使えず、家族から蔑まれて育った。しかし、ある日彼の前世の記憶が蘇る――その正体は、かつて世界を支配した史上最強の大魔法使いアーサー。戸惑いながらも、カイルはアーサーの知識と力を身につけていき、次第に自らの道を切り拓く。
魔法を操れぬはずの少年が最強の魔法を駆使し、自分を信じてくれる商店街の仲間のために立ち上げる。やがてそれは貴族社会すら揺るがす存在へと成長していくのだった。こちらは無自覚モテモテの最強青年になっていく、ケアニー辺境伯爵家の七男カイルの物語。
※こちらは「異世界ファンタジー × ラブコメ」要素を兼ね備えた作品です。メインは「異世界ファンタジー」ですが、恋愛要素やコメディ要素も兼ねた「ラブコメ寄りの異世界ファンタジー」になっています。カイルは複数の女性にもてますが、主人公が最終的には選ぶのは一人の女性です。一夫多妻のようなハーレム系の結末ではありませんので、女性の方にも共感できる内容になっています。異世界ファンタジーで男性主人公なので男性向けとしましたが、男女関係なく楽しめる内容を心がけて書いていきたいです。よろしくお願いします。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
男:女=1:10000の世界に来た記憶が無いけど生きる俺
マオセン
ファンタジー
突然公園で目覚めた青年「優心」は身辺状況の記憶をすべて忘れていた。分かるのは自分の名前と剣道の経験、常識くらいだった。
その公園を通りすがった「七瀬 椿」に話しかけてからこの物語は幕を開ける。
彼は何も記憶が無い状態で男女比が圧倒的な世界を生き抜けることができるのか。
そして....彼の身体は大丈夫なのか!?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる