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第四世代

凛編 ロボットに命はない

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『ロボットに命はない』

それは事実だ。だから、ペットロボットが<餌>を食い<糞>をしてもこれ自体は決して<生命活動>じゃない。

<生命活動を模したイベント>

でしかないんだよ。

だが、『ペットを飼う』こと自体、果たして本当に<命>ってもんを実際に学ぶことになるのか? 人間の都合に合わせて不自然な形に押し込めた動物を一方的に<愛玩>するのが『命を学ぶ』ことになるとは、俺には到底思えないんだよな。

『命を学んでるような気になる』

だけなら確かにそうなんだろうが。

それでも、ここで毎日、自然なままの生き物達の<命のやり取り><生命の循環>を目の当たりにしてきた者としては、

<ロボットによるシミュレーション>

と何が違うのか、よく分からない。与えている餌にしたって、自然の中でのそれとはまったく違うしな。

ちなみに<ペットロボットの餌>は、

<餌のように見せ掛けた模造品>

でしかない。咀嚼して飲み下し胃を模した一時貯留槽内の触媒に触れさせることで糞に似た見た目の物体に変化し、体外に排出されるだけだ。

もちろん人体にも害はないし、衛生上も問題になるようなものじゃない。あくまで<見た目上の不潔感><忌避感>を演出するものでしかないんだよ。

それでも人間にとっては十分に『汚い』と感じられるそうだ。

ちなみに、他の動物が万が一食べても害はないそうだが、基本的に動物が嫌う味がするとのこと。メーカー曰く、

<薬の味>

なんだと。かなり苦いらしい。それも、人間なら好きな者もいる<苦みの強い食品>とも根本的に違う苦さだとか。

ちなみに<餌>の状態の時の味については苦みは強いものの食べられないほどではないとも聞く。それが触媒によって変化し、苦みがヤバいそれになる感じか。

<糞>の状態にしていないものを開発スタッフが試しに味見してみた時に、半日以上も口の中の苦みが消えなかったという話もある。もっとも、それについては真偽不明だが。

とにかく、生身の生き物の生命活動とは程遠いものなんだよ。ある意味じゃ、フィクションの中で読者や視聴者にとって都合のいい生命活動が描写されているようなものか。

読者や視聴者はそれに<生命の神秘>を感じたりもするものの、現実には酷い茶番だったり。

さりとて、その茶番を楽しんでいる人間にとっては『それがいい』わけだから、楽しんでいること自体に水を差すのも<野暮>というものなのは分かってる。だから、

『茶番はやめろ』

とは言わないさ。

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