2,313 / 2,629
第四世代
凛編 自分にとって都合のいい相手
しおりを挟む
相変わらず話が逸れていくが、逸れたついでに触れておくが、<ペット>を人間の都合に合わせようとするのはペットにされた動物にとっては大変なストレスらしい。
これはもちろん、
『狭い檻に閉じ込められる』
のをはじめとした諸々の、
<ペットを人間社会で飼うのに必要なあれこれ>
についての話だ。イヌはそもそも<群れを作る動物>だから、人間を<ボス>と認識できればそれに合わせるのを是とする習性があるが、他の群れを作る動物はそもそも人間をボスとはまず認めてくれないしな。
前にも触れたように、人間以外の動物だって楽して生きられればそれに越したことはないし、労せずして餌が得られるならありがたいだろうさ。
だが、狭い檻に閉じ込められて自分達の習性にはない形のスキンシップなどを行われて、それを喜ぶと思っているのは人間の側だけだろ?
楽して餌にありつけるのはいい。だが人間の都合に従わされるのは苦痛なんじゃないのか? 実際、苦痛に感じてるらしいぞ?
だから今の人間社会において<生きた動物>をペットにするのはハードルが高いんだよな。そもそも人間の方が動物の生態や習性に合わせることが要求されるし、そうなると当然、
<ペットを連れての旅行>
なんかまずできない。
『長時間ケージに入れておくなんて有り得ない』
しな。生きた動物をペットとして飼うのは、人間の子供を養育することの数倍の費用が掛かることも少なくないそうだ。だから基本的に、<ペットロボット>をペットとして購入する場合が多い。
ちなみにペットロボットも、リアルに生身の動物を再現してるから<餌>も食べるし<糞>もする。そして<寿命>もある。<動作保証期間>の間は確実に『生きてる』が、それを過ぎるとランダムで寿命を迎え、動かなくなるそうだ。
それについて、
『ロボットじゃ命というものを学べない!』
とか主張する<活動家>もいるものの、
『生きた生身の動物をペットにする』
のを望む奴なんてのは、本当に<命の尊厳>を考えてるのか?
『命について学ぶ』
なら別にペットでなくても構わないだろう? それこそ自分の家族の生と死を間近で見ればいい。それが嫌で離れて暮らしておいて『ペットから命を学ぶ』とか、茶番もいいところだろ。
しかも、それまでペットに癒されてたタイプの人間は、ペットロボットが発展してくると揃ってそっちに移行したらしいしな。それどころか、<ラブドール>を迎えて普通に<同居>してるのもいるらしい。
要するに、
『自分にとって都合のいい相手が欲しかった』
だけということだろうさ。
これはもちろん、
『狭い檻に閉じ込められる』
のをはじめとした諸々の、
<ペットを人間社会で飼うのに必要なあれこれ>
についての話だ。イヌはそもそも<群れを作る動物>だから、人間を<ボス>と認識できればそれに合わせるのを是とする習性があるが、他の群れを作る動物はそもそも人間をボスとはまず認めてくれないしな。
前にも触れたように、人間以外の動物だって楽して生きられればそれに越したことはないし、労せずして餌が得られるならありがたいだろうさ。
だが、狭い檻に閉じ込められて自分達の習性にはない形のスキンシップなどを行われて、それを喜ぶと思っているのは人間の側だけだろ?
楽して餌にありつけるのはいい。だが人間の都合に従わされるのは苦痛なんじゃないのか? 実際、苦痛に感じてるらしいぞ?
だから今の人間社会において<生きた動物>をペットにするのはハードルが高いんだよな。そもそも人間の方が動物の生態や習性に合わせることが要求されるし、そうなると当然、
<ペットを連れての旅行>
なんかまずできない。
『長時間ケージに入れておくなんて有り得ない』
しな。生きた動物をペットとして飼うのは、人間の子供を養育することの数倍の費用が掛かることも少なくないそうだ。だから基本的に、<ペットロボット>をペットとして購入する場合が多い。
ちなみにペットロボットも、リアルに生身の動物を再現してるから<餌>も食べるし<糞>もする。そして<寿命>もある。<動作保証期間>の間は確実に『生きてる』が、それを過ぎるとランダムで寿命を迎え、動かなくなるそうだ。
それについて、
『ロボットじゃ命というものを学べない!』
とか主張する<活動家>もいるものの、
『生きた生身の動物をペットにする』
のを望む奴なんてのは、本当に<命の尊厳>を考えてるのか?
『命について学ぶ』
なら別にペットでなくても構わないだろう? それこそ自分の家族の生と死を間近で見ればいい。それが嫌で離れて暮らしておいて『ペットから命を学ぶ』とか、茶番もいいところだろ。
しかも、それまでペットに癒されてたタイプの人間は、ペットロボットが発展してくると揃ってそっちに移行したらしいしな。それどころか、<ラブドール>を迎えて普通に<同居>してるのもいるらしい。
要するに、
『自分にとって都合のいい相手が欲しかった』
だけということだろうさ。
0
お気に入りに追加
191
あなたにおすすめの小説
前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に二週目の人生を頑張ります
京衛武百十
ファンタジー
俺の名前は阿久津安斗仁王(あくつあんとにお)。いわゆるキラキラした名前のおかげで散々苦労もしたが、それでも人並みに幸せな家庭を築こうと仕事に精を出して精を出して精を出して頑張ってまあそんなに経済的に困るようなことはなかったはずだった。なのに、女房も娘も俺のことなんかちっとも敬ってくれなくて、俺が出張中に娘は結婚式を上げるわ、定年を迎えたら離婚を切り出されれるわで、一人寂しく老後を過ごし、2086年4月、俺は施設で職員だけに看取られながら人生を終えた。本当に空しい人生だった。
なのに俺は、気付いたら五歳の子供になっていた。いや、正確に言うと、五歳の時に危うく死に掛けて、その弾みで思い出したんだ。<前世の記憶>ってやつを。
今世の名前も<アントニオ>だったものの、幸い、そこは中世ヨーロッパ風の世界だったこともあって、アントニオという名もそんなに突拍子もないものじゃなかったことで、俺は今度こそ<普通の幸せ>を掴もうと心に決めたんだ。
しかし、二週目の人生も取り敢えず平穏無事に二十歳になるまで過ごせたものの、何の因果か俺の暮らしていた村が戦争に巻き込まれて家族とは離れ離れ。俺は難民として流浪の身に。しかも、俺と同じ難民として戦火を逃れてきた八歳の女の子<リーネ>と行動を共にすることに。
今世では結婚はまだだったものの、一応、前世では結婚もして子供もいたから何とかなるかと思ったら、俺は育児を女房に任せっきりでほとんど何も知らなかったことに愕然とする。
とは言え、前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に、何とかしようと思ったのだった。
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
手が届かないはずの高嶺の花が幼馴染の俺にだけベタベタしてきて、あと少しで我慢も限界かもしれない
みずがめ
恋愛
宮坂葵は可愛くて気立てが良くて社長令嬢で……あと俺の幼馴染だ。
葵は学内でも屈指の人気を誇る女子。けれど彼女に告白をする男子は数える程度しかいなかった。
なぜか? 彼女が高嶺の花すぎたからである。
その美貌と肩書に誰もが気後れしてしまう。葵に告白する数少ない勇者も、ことごとく散っていった。
そんな誰もが憧れる美少女は、今日も俺と二人きりで無防備な姿をさらしていた。
幼馴染だからって、とっくに体つきは大人へと成長しているのだ。彼女がいつまでも子供気分で困っているのは俺ばかりだった。いつかはわからせなければならないだろう。
……本当にわからせられるのは俺の方だということを、この時点ではまだわかっちゃいなかったのだ。
こおりのほしのねむりひめ(ほのぼのばーじょん)
京衛武百十
ファンタジー
厚さ数キロの氷に閉ざされた自由惑星<ハイシャイン>。その氷の下に僅かに残された人間の世界に生まれ育った浅葱(あさぎ)は、十三歳を迎え一人前の砕氷(さいひ)となるべく先人達が永久凍土を掘り進めた氷窟に挑む。そこで彼女が事故のようにして巡り会ったのは、氷点下四十度の中で眠り続ける、女性の姿をした何者かであった。浅葱はそれを<ねむりひめ>と名付け、村へと連れ帰ろうとするのだが……。
筆者より。
なろうで連載していた「凍結惑星 ~こおりのほしのねむりひめ~」の、表現をマイルドにした<ほのぼのばーじょん>です。「凍結惑星 ~こおりのほしのねむりひめ~」を読むときの感じで読もうとするとずっこけるようなものしたいと思います。科学的な考証とかにはなるべく拘りたくない。と、思います(努力します)。
ちなみに筆者自身は登場人物達を三頭身くらいのデフォルメキャラという感じで脳内再生しています。
ママと中学生の僕
キムラエス
大衆娯楽
「ママと僕」は、中学生編、高校生編、大学生編の3部作で、本編は中学生編になります。ママは子供の時に両親を事故で亡くしており、結婚後に夫を病気で失い、身内として残された僕に精神的に依存をするようになる。幼少期の「僕」はそのママの依存が嬉しく、素敵なママに甘える閉鎖的な生活を当たり前のことと考える。成長し、性に目覚め始めた中学生の「僕」は自分の性もママとの日常の中で処理すべきものと疑わず、ママも戸惑いながらもママに甘える「僕」に満足する。ママも僕もそうした行為が少なからず社会規範に反していることは理解しているが、ママとの甘美な繋がりは解消できずに戸惑いながらも続く「ママと中学生の僕」の営みを描いてみました。
Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる