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第四世代

凛編 幕切れ

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とにかく、<試合>と<生存競争>とは本質的に違うものだというだけでしかない。どっちが優れてるとか尊いとか、比べるようなことじゃないと俺は思ってる。思ってるが、こうして互いの存在を賭けて全力を尽くしている姿を見ると、胸が熱くなってくる気がするよ。

のしかかる形で若い雄を地面に叩きつけたゆうだったものの、そのまま優位に立つことはできなかった。当然、もう一人の若い雄もまだまだ戦意を失ってないからだ。

事実、地面に倒れたゆうに対して、覆いかぶさるように飛び掛かる。ゆうの下になった方の若い雄のことは考えてない動きだった。

そりゃそうか。あくまで一時的に共闘しているだけで、本来は共にボスの座を狙っているライバルだもんな。ゆうへの攻撃のついでにダメージを与えられればそれこそ<一石二鳥>というものだろうさ。具体的に思考して狙っているのではないにせよ、それこそ本能的に好機と感じているのかもしれない。

だが、これに対してはゆうの方がリスクを察知したか、素早く身を躱して、若い雄同士が折り重なる形になった。

と、結果としてのしかかられた方の雄が、

「ガーッッ!!」

キレたように牙を剥く。それにてられたか、のしかかった方も、

「ガアアッッ!!」

やはり牙を剥いた。で、そのまま取っ組み合いになるかと思えば、互いに飛び退いて間合いを取る。

さすがに目先の感情に囚われて本来の目的を忘れたりはしなかったか。このまま潰し合ってくれれば漁夫の利的にゆうの勝ちになるかもしれなかったのにな。

だが、それが<決め手>になってしまったようだ。若い雄達が<同士討ち>を回避して、しかし互いに限界まで昂った攻撃衝動をしっかりとゆうに向けてきたことで、勝敗が決してしまったんだ。

もちろんゆうもむざむざやられたりはしなかった。しなかったもののここまでですでにスタミナをかなり浪費していた彼は、動きに精彩を欠き、完全に防戦一方となった。

そして、若い雄の掌底をこめかみに受け、崩れ落ちるようにその場に昏倒してしまったんだ。

終わってみれば呆気ない幕切れではあったものの、決着がつく時というのはえてしてそんなもんだろう。

興奮してさらに攻撃を加えようとする若い雄に、今度はほうだけじゃなくろうも飛び掛かっていった。<父親>を庇おうとしたのかもしれない。

本当の野生の獣に比べれば人間(地球人)のメンタリティの影響が残っている可能性が高いレオンで、しかも普通とは違う群れを形成していたからこそだろうか。

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