未開の惑星に不時着したけど帰れそうにないので人外ハーレムを目指してみます(Ver.02)

京衛武百十

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第四世代

凛編 次の機会

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<レオン同士の格闘>

は、まあはっきり言って、

<素人の喧嘩>

と同じだ。レオンではなくマンティアンであるがエレクシアから体の使い方のレクチャーを受けたことのあるめいはまあ例外として、普通は<格闘技>を学んでいるわけじゃないから当然だが、あくまで自身の身体能力頼みの、<技>もへったくれもない雑な力比べでしかない。

ないが、一つ一つの攻撃のキレそのものは、当然、<地球人の素人>とは比べ物にならない。格闘技経験者であっても対処しきれないだろう。

まあ、プロ格闘家であっても野生の猛獣相手にまともに勝負ができるかと言えば、そうじゃないと考えればむしろ当たり前の話だな。

レオンの身体能力は、トラやライオンにはおそらく及ばないものの、地球人相手なら比較するのさえバカバカしいほどの差がある。地球人が指でも握られれば一瞬で粉砕骨折するだろうし、殴られたり蹴られたりすれば一撃でやはり骨が折れてしまうはずだ。

あくまでも相手が同じくレオンだからこそそこまでの力の差がないがゆえに<素人同士の喧嘩>のようにも見えてしまうというだけだろうさ。

そういう面もありつつ、しかしゆうも若い雄達も決してただふざけてるわけじゃない。くだらない感情をぶつけあっているだけじゃない。どこまでも、

『レオンとして生きていくために必要なことをしている』

だけなんだ。当人達は真剣なんだよ。本気なんだ。それを茶化したり貶したりするつもりは俺にはない。

そしてゆうは、背後から組み付かれ膝蹴りを食らわされているのに対して、敢えてそちらに体重を掛けて若い雄ごと地面へと倒れ込んだ。膝蹴りを食らわすことで本人は十分に地面に踏ん張れてないからな。体重を預けるようにすれば支えきれなくなって当然か。

そうやって自分も地面に倒れ込むのを覚悟できるのも、さすがだよ。決して洗練はされてないが、泥臭いと言えばあまりにも泥臭いが、戦うということを本質的にわきまえているからこその姿だとも思う。

負けても次の機会がある<試合>などと違って、負ければそれこそ命さえ失いかねない野生での戦いは、<見た目の格好良さ>なんかに拘っていられないしな。

不格好だろうが無様だろうが、勝たなきゃ意味がない。

まあこう言うと、

『試合だって、<次の機会>なんかない場合がある!』

とか言うのもいるだろうが、別に命のやり取りをしてるわけじゃないというのは、事実だろう? 本気で真剣に<試合>に臨んでいる人間を貶めたいわけじゃないんだ。

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