2,303 / 2,643
第四世代
凛編 次の機会
しおりを挟む
<レオン同士の格闘>
は、まあはっきり言って、
<素人の喧嘩>
と同じだ。レオンではなくマンティアンであるがエレクシアから体の使い方のレクチャーを受けたことのある明はまあ例外として、普通は<格闘技>を学んでいるわけじゃないから当然だが、あくまで自身の身体能力頼みの、<技>もへったくれもない雑な力比べでしかない。
ないが、一つ一つの攻撃のキレそのものは、当然、<地球人の素人>とは比べ物にならない。格闘技経験者であっても対処しきれないだろう。
まあ、プロ格闘家であっても野生の猛獣相手にまともに勝負ができるかと言えば、そうじゃないと考えればむしろ当たり前の話だな。
レオンの身体能力は、トラやライオンにはおそらく及ばないものの、地球人相手なら比較するのさえバカバカしいほどの差がある。地球人が指でも握られれば一瞬で粉砕骨折するだろうし、殴られたり蹴られたりすれば一撃でやはり骨が折れてしまうはずだ。
あくまでも相手が同じくレオンだからこそそこまでの力の差がないがゆえに<素人同士の喧嘩>のようにも見えてしまうというだけだろうさ。
そういう面もありつつ、しかし侑も若い雄達も決してただふざけてるわけじゃない。くだらない感情をぶつけあっているだけじゃない。どこまでも、
『レオンとして生きていくために必要なことをしている』
だけなんだ。当人達は真剣なんだよ。本気なんだ。それを茶化したり貶したりするつもりは俺にはない。
そして侑は、背後から組み付かれ膝蹴りを食らわされているのに対して、敢えてそちらに体重を掛けて若い雄ごと地面へと倒れ込んだ。膝蹴りを食らわすことで本人は十分に地面に踏ん張れてないからな。体重を預けるようにすれば支えきれなくなって当然か。
そうやって自分も地面に倒れ込むのを覚悟できるのも、さすがだよ。決して洗練はされてないが、泥臭いと言えばあまりにも泥臭いが、戦うということを本質的にわきまえているからこその姿だとも思う。
負けても次の機会がある<試合>などと違って、負ければそれこそ命さえ失いかねない野生での戦いは、<見た目の格好良さ>なんかに拘っていられないしな。
不格好だろうが無様だろうが、勝たなきゃ意味がない。
まあこう言うと、
『試合だって、<次の機会>なんかない場合がある!』
とか言うのもいるだろうが、別に命のやり取りをしてるわけじゃないというのは、事実だろう? 本気で真剣に<試合>に臨んでいる人間を貶めたいわけじゃないんだ。
は、まあはっきり言って、
<素人の喧嘩>
と同じだ。レオンではなくマンティアンであるがエレクシアから体の使い方のレクチャーを受けたことのある明はまあ例外として、普通は<格闘技>を学んでいるわけじゃないから当然だが、あくまで自身の身体能力頼みの、<技>もへったくれもない雑な力比べでしかない。
ないが、一つ一つの攻撃のキレそのものは、当然、<地球人の素人>とは比べ物にならない。格闘技経験者であっても対処しきれないだろう。
まあ、プロ格闘家であっても野生の猛獣相手にまともに勝負ができるかと言えば、そうじゃないと考えればむしろ当たり前の話だな。
レオンの身体能力は、トラやライオンにはおそらく及ばないものの、地球人相手なら比較するのさえバカバカしいほどの差がある。地球人が指でも握られれば一瞬で粉砕骨折するだろうし、殴られたり蹴られたりすれば一撃でやはり骨が折れてしまうはずだ。
あくまでも相手が同じくレオンだからこそそこまでの力の差がないがゆえに<素人同士の喧嘩>のようにも見えてしまうというだけだろうさ。
そういう面もありつつ、しかし侑も若い雄達も決してただふざけてるわけじゃない。くだらない感情をぶつけあっているだけじゃない。どこまでも、
『レオンとして生きていくために必要なことをしている』
だけなんだ。当人達は真剣なんだよ。本気なんだ。それを茶化したり貶したりするつもりは俺にはない。
そして侑は、背後から組み付かれ膝蹴りを食らわされているのに対して、敢えてそちらに体重を掛けて若い雄ごと地面へと倒れ込んだ。膝蹴りを食らわすことで本人は十分に地面に踏ん張れてないからな。体重を預けるようにすれば支えきれなくなって当然か。
そうやって自分も地面に倒れ込むのを覚悟できるのも、さすがだよ。決して洗練はされてないが、泥臭いと言えばあまりにも泥臭いが、戦うということを本質的にわきまえているからこその姿だとも思う。
負けても次の機会がある<試合>などと違って、負ければそれこそ命さえ失いかねない野生での戦いは、<見た目の格好良さ>なんかに拘っていられないしな。
不格好だろうが無様だろうが、勝たなきゃ意味がない。
まあこう言うと、
『試合だって、<次の機会>なんかない場合がある!』
とか言うのもいるだろうが、別に命のやり取りをしてるわけじゃないというのは、事実だろう? 本気で真剣に<試合>に臨んでいる人間を貶めたいわけじゃないんだ。
0
お気に入りに追加
194
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
でも周りは全くハッピーじゃないです。
小説家になろう様でも投稿しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
我が家に子犬がやって来た!
もも野はち助(旧ハチ助)
ファンタジー
【あらすじ】ラテール伯爵家の令嬢フィリアナは、仕事で帰宅できない父の状況に不満を抱きながら、自身の6歳の誕生日を迎えていた。すると、遅くに帰宅した父が白黒でフワフワな毛をした足の太い子犬を連れ帰る。子犬の飼い主はある高貴な人物らしいが、訳あってラテール家で面倒を見る事になったそうだ。その子犬を自身の誕生日プレゼントだと勘違いしたフィリアナは、兄ロアルドと取り合いながら、可愛がり始める。子犬はすでに名前が決まっており『アルス』といった。
アルスは当初かなり周囲の人間を警戒していたのだが、フィリアナとロアルドが甲斐甲斐しく世話をする事で、すぐに二人と打ち解ける。
だがそんな子犬のアルスには、ある重大な秘密があって……。
この話は、子犬と戯れながら巻き込まれ成長をしていく兄妹の物語。
※全102話で完結済。
★『小説家になろう』でも読めます★
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
学園長からのお話です
ラララキヲ
ファンタジー
学園長の声が学園に響く。
『昨日、平民の女生徒の食べていたお菓子を高位貴族の令息5人が取り囲んで奪うという事がありました』
昨日ピンク髪の女生徒からクッキーを貰った自覚のある王太子とその側近4人は項垂れながらその声を聴いていた。
学園長の話はまだまだ続く……
◇テンプレ乙女ゲームになりそうな登場人物(しかし出てこない)
◇ふんわり世界観。ゆるふわ設定。
◇なろうにも上げています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
八百長試合を引き受けていたが、もう必要ないと言われたので圧勝させてもらいます
海夏世もみじ
ファンタジー
月一に開催されるリーヴェ王国最強決定大会。そこに毎回登場するアッシュという少年は、金をもらう代わりに対戦相手にわざと負けるという、いわゆる「八百長試合」をしていた。
だが次の大会が目前となったある日、もうお前は必要ないと言われてしまう。八百長が必要ないなら本気を出してもいい。
彼は手加減をやめ、“本当の力”を解放する。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に二週目の人生を頑張ります
京衛武百十
ファンタジー
俺の名前は阿久津安斗仁王(あくつあんとにお)。いわゆるキラキラした名前のおかげで散々苦労もしたが、それでも人並みに幸せな家庭を築こうと仕事に精を出して精を出して精を出して頑張ってまあそんなに経済的に困るようなことはなかったはずだった。なのに、女房も娘も俺のことなんかちっとも敬ってくれなくて、俺が出張中に娘は結婚式を上げるわ、定年を迎えたら離婚を切り出されれるわで、一人寂しく老後を過ごし、2086年4月、俺は施設で職員だけに看取られながら人生を終えた。本当に空しい人生だった。
なのに俺は、気付いたら五歳の子供になっていた。いや、正確に言うと、五歳の時に危うく死に掛けて、その弾みで思い出したんだ。<前世の記憶>ってやつを。
今世の名前も<アントニオ>だったものの、幸い、そこは中世ヨーロッパ風の世界だったこともあって、アントニオという名もそんなに突拍子もないものじゃなかったことで、俺は今度こそ<普通の幸せ>を掴もうと心に決めたんだ。
しかし、二週目の人生も取り敢えず平穏無事に二十歳になるまで過ごせたものの、何の因果か俺の暮らしていた村が戦争に巻き込まれて家族とは離れ離れ。俺は難民として流浪の身に。しかも、俺と同じ難民として戦火を逃れてきた八歳の女の子<リーネ>と行動を共にすることに。
今世では結婚はまだだったものの、一応、前世では結婚もして子供もいたから何とかなるかと思ったら、俺は育児を女房に任せっきりでほとんど何も知らなかったことに愕然とする。
とは言え、前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に、何とかしようと思ったのだった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる