未開の惑星に不時着したけど帰れそうにないので人外ハーレムを目指してみます(Ver.02)

京衛武百十

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第四世代

凛編 地球人社会における平等の概念

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<地球人社会における平等の概念>

というのは、結局のところ、

<機会の平等>

に落ち着いたそうだ。

『どういう生まれであろうが、どういう特徴を持っていようが、本人が望んだことに対して挑戦する機会は平等に与えられている』

ということだな。

その上で、

『挑戦が必ず報われるとは限らない』

という現実については誰しもが受け止めなきゃいけないし、むしろそれが健全であると。

当然だ。人間ってのは、いや、人間に限ったことじゃないが、生き物ってのはそもそも工業製品じゃないんだから、<品質>が一律で確保されてるわけじゃない。<個体差>は間違いなくあって、それゆえに<適性>もまちまちだ。

だから、<したいこと>と<できること>が必ずしも合致しない。そのミスマッチが本人にとっては望まない結果をもたらすこともある。

それを無理矢理に本人の望むような形にしたところで、そんなのは紛れもなく<虚構>ってもんだろうさ。

『虚構でもいいから』

と考える者もいるにしても、しかしその虚構が現実に何を生み出してくれる?

例えば、映画監督になりたい人間に映画を撮らせるとして、それが客を呼べる作品になれば多方面に利益をもたらしてくれるとしても、まったくそうじゃなかったら<仕事>としては続かないだろう。

しかも本人も、自分の撮りたい映画を撮りたいように撮ったら誰も評価してくれなかったとなれば、つらくないか?

<趣味>や<生き甲斐>というだけならそれでもいいさ。そういうのは儲かる儲からない、仕事として成立するしない、とは別の話だろうし。でも、<仕事>はそうじゃないよな。<収入>に繋がらなきゃ生きていくこともままならないわけで。

で、ロボットに養ってもらって自分は売れない映画を撮り続けて、それが何に繋がるって?

いや、

『ロボットに養ってもらって売れない映画を撮る』

こと自体を否定したいわけじゃない。当人がそれで満足できてるならそういう生き方だって好きにすればいいだろう。

ただ、

『それで社会が成立するのか?』

って考えたら『う~ん』と思うだけだ。

映画監督になりたくてそれを目指すのはいい。その機会についてはあってもいいだろうと俺も思う。しかしそれでビジネスとして成立しないと、<仕事>とは言えないってだけの話なんだよ。

なりたいものを目指す機会は、地球人社会においては保証されてる。少なくとも建前上は。

その上で、

『なってはみたけれど』

というものがあるという現実は今でも存在するし、それが存在するからこそ持続可能な社会が成立してるんだ。

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