未開の惑星に不時着したけど帰れそうにないので人外ハーレムを目指してみます(Ver.02)

京衛武百十

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第四世代

閑話休題 ケインの性分

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ケインは、アラニーズである。その姿は、

<巨大なクモの頭に乗っている人間(地球人)>

といった感じのものだった。しかしよく見ると、<クモの頭>はなく、地球人のように見える部分の腰が<クモの胴体>に完全に繋がってしまっているのが分かる。

だから、地球における伝説上の怪物である、

<アラクネ>

を思わせる存在だった。

そんなケインは、血縁上の母親である<ビアンカ>に瓜二つだった。ビアンカの方が髪が若干長く、加えて年齢が上だろうと察せられるだけだ。まあ外見上の一番の違いは、

『ビアンカの方は、褐色の目をしている』

ことだろうが。

それでも、顔の造形そのものはほとんどビアンカと変わらないのである。

そんなケインではあるものの、<性格>という点では非常に内向的で、積極的に前に出てくるということがないタイプだった。

はっきり言って<臆病>なのだ。小さな獣が飛び出してきただけで、

「キャーッ!」

と少女のような悲鳴さえ上げてすくんでしまう程度には。

アラニーズという種族自体は、先天的に高い攻撃力を備えている。おそらくここ<惑星・朋群ほうむ>を実質的に支配している<鵺竜こうりゅう>と称される恐竜型の巨大生物を別にすれば、

『生物として最強クラスである』

と言えるくらいには。

実はケイン自身の身体能力も、アラニーズとしては標準的なものだと思われていた。しかし臆病かつ攻撃的ではない性分であるがゆえに、他者に対してそれを向けることはない。

<臆病>というだけなら野生の猛獣もそうである。だからこそ自身の身を守るために一切の手加減なく攻撃を加えてくることがあるだけだ。

そのため、地球人が襲われたりすると、命まで失うような大変な被害になるものの、基本的にはしっかりと距離を保っていればそこまで恐れる必要はない。

特に、相手のテリトリーに踏み込むのは極力避けるべきだろう。

その点、ケインは意識して他者との衝突を避けようとしていた。そこが<獣>と<人間>の違いだろうか。

また、彼は母親であるビアンカのことをとても慕っていた。小さかった頃にはそれこそ彼女の背中にしがみついたままで一日を過ごすことさえ珍しくなかった。

それでもさすがに体が大きくなってくると収まりが悪くなってきたのだろう。下りるように促されたわけでもないのに、いつしか母親の背中には乗らなくなっていった。

もっとも、母親に甘える素振りは相変わらずだが。

なにしろ、外見はすでにビアンカと変わりないほどにも拘らず、実年齢は黎明れいあよりも半年ばかり下なのだから、無理もないというものか。

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