未開の惑星に不時着したけど帰れそうにないので人外ハーレムを目指してみます（Ver.02）

第四世代

閑話休題 ルコアの日常 その１

ルコアはサーペンティアンである。腰までは地球人そのものの姿をしているが、腰から下はまるで＜ヘビ＞のような体をしている、伝説上の怪物、

＜ラミア＞

を連想させる姿を持つ人間だった。

もっとも、腰から下についても蛇のような形状はしていても、鱗はなく、皮膚の質感はどちらかと言えばイルカに近いだろうか。

なので、

＜哺乳類である地球人と爬虫類であるヘビが結合した生物＞

では決してない。あくまで、

＜シルエットがラミアのように見える存在＞

というだけでしかないのだ。

そんなルコアも、やはりあの＜不定形生物＞が変化したことによって顕現した。＜透明な体＞を持つのがその証拠だ。

ただ『透き通っている部分がある』だけでなく、体のすべてが完全に透明なのだ。これは生物の構造上、物理的に有り得ないことだった。

そんな、

『物理的に有り得ない構造を持つ』

のは、あの不定形生物が由来だからとみられている。

そしてそれは事実だった。その不定形生物が持つ＜物理書き換え能力＞こそがその原因だった。

しかし、この世界においては彼女のような存在も、特別に珍しいわけでもないし、その能力もそれほど大きな影響を与えているわけでもなかった。『そういうものだ』として受け入れてしまえば、さほど問題でもないのだから。

なるほど＜完全に透明な体＞は日常生活においては違和感も途轍もないだろう。だがそれ自体は、服を着た上で、顔などの肌が出る部分についてはファンデーションを塗ればそこまでではなくなるし、頭髪もウイッグを付けたり染めたりすれば普通に見えるようにもなる。

まあ、『染める』と言っても完全に頭髪に浸潤して色を変えるタイプの染髪の場合だと、本来の組織と一体化した時点で透明になってしまうので、あくまで＜コーティング＞という形でのものに限るが。

『組織の上に乗っている付着してる』

だけであれば、物理書き換え現象の影響は受けないということだ。

ただ、＜眼球＞だけは、『コンタクトを用いる』という形で本来の地球人の見た目に近付けることもできるものの、敢えてそのままにしている者が多かった。これにより、＜ウイッグや染髪によって暗くなった頭部の内側＞が透けて見えている状態になるため、

『濃いブラウンといった感じの眼球に見える』

状態になっている。

が、これまた『そういうものだ』と受け入れてしまえば、それほど気になるものでもなかったし、実際、それを気にしている者は彼女の周りにはいなかった。

だから彼女も、それを受け入れることができていた。