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第四世代

ホビットMk-Ⅱ編 自分の人生を送れる社会

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そんなこんなで、今日も<ルカニディアの少女>に熱い?視線を向けられているホビットMk-Ⅱは、しかし淡々と<調査>を行っていた。

まあ正しくは、

<調査を行っているふり>

だが。

もちろん実際に可能な限りの調査も行なってるものの、メインは<ルカニディアの少女の観察>だから、そういう意味ではやっぱり<ふり>だよな。

それにしてもこの感じ、俺がひそか達と出逢った時のことを思い出す。彼女達もすごく慎重だったもんなあ。

今回の彼女はルカニディアだから、じんに似ているか。もっとも、じんの時のようなヒリ付く危険は感じない。あの時は本当に、

『殺される』

と実感したわけで。結果としてはじんに<雄>として認められて愛されることになったが、パートナーになってからでも下手をすると食い殺されることだってあるのがマンティアンという種だ。そりゃ<緊張感>なんて生ぬるいものじゃなかったよ。

その点ではルカニディアの少女はまったく違っている。かといってひそかほど『あざとい』までの可愛げがあるわけでもなく、どちらかと言えば地味な印象だ。

ただそれ自体、俺が<人間>だからそう感じるだけであって、<地味>とか<派手>とかも、彼女達にはなんの関係もないことなんだよな。彼女達はあくまで彼女達の感覚で生きてるだけでしかない。

その事実を俺は受け止める。受け止めて、見守る。

俺が見送った我が子の一人であるめいの面影を持つ少女をな。

これはどこまでいっても俺個人の想いでしかないから、他人は見てて退屈なだけかもしれない。いや、退屈だろう。俺と同じ感覚でも持てない限りは楽しめなくて当然だと思う。

でもな、

『他人は見てても面白いと思ってくれない』

からって俺が他人に迎合する必要も、別にないだろ? 俺は俺の人生を生きてるんだしな。他人の都合に合わせて生きてるわけじゃないんだしな。

人間として人間の集団の中で生きていく以上は折り合いをつけることは大事でも、他人の顔色ばかり窺ってちゃ、<自分の人生>は送れない。自分以外の誰かにとってのエンターテイメントとして自分の人生を浪費するつもりもないし、その必要もない。

少なくとも俺は、ここに出来ていく人間社会をそんなものにするつもりもないんだ。

誰もが当たり前のこととして自分の人生を送れる社会であってほしいんだよ。こうして俺が、

<我が子の面影を持つルカニディアの少女>

を見守っているだけの時間を過ごす余裕のある社会にしていきたいんだ。

俺自身のためにもな。

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