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第四世代

ホビットMk-Ⅱ編 人間の責任

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だが、話そのものは脱線しているものの、

『そういうのが起こるのが<人間社会>というものだ』

という意味じゃ、それほど的外れな話をしてるわけじゃないと思う。ホビットMk-Ⅱ達に調査を任せているのも、最終的にはここに人間社会を築くためだし。そのために必要なものをいかに確保するかを考えるためだし。

<ビクキアテグ村>でも、あかり、ビアンカ、久利生くりう、ルコア、未来みらい黎明れいあ蒼穹そら素戔嗚すさのお、イザベラ、キャサリンという住人達が小さな社会を築いている。

あくまで家族単位の小さな社会ではあるもののしっかりと、

<人間が作り上げたコミュニティ>

として機能してるんだ。

まあ、キャサリンの場合は、

『あくまでビクキアテグ村内に自分の寝床を確保しているだけ』

という面も確かにありつつ、

『コミュニティ内での在り方は人それぞれ』

ってのも事実なわけで。キャサリンのような事例についても、今後もあるかもしれない。キャサリンと同じく<アラニーズ本来の形質>を持つイザベラも、彼女と同じような生き方をするようになるかもしれない。

そしてそういう生き方を選んだ者達についても、ちゃんと人間として認めなきゃと思う。

<コミュニティの一員としての扱い>

を受けるには、そこで定められたルールなどに従う必要もあるかもしれないが、それと、

『人間か否か?』

はまったく別の話だしな。

『人間を人間として扱い保護する』

のは、当人がどこのコミュニティに属する、あるいはどこのコミュニティにも属していないに拘わらず、

<人間の責任>

として負わなきゃいけないことなんだ。それを否定するのは、自分自身が人間として扱われない可能性についても受け入れなきゃならなくなる。これを回避するには必要なことなんだよ。

決して、

『自分だけが人間としての恩恵に与れればいい』

というわけじゃない。そんな特定の誰かにとってだけ都合のいいものは<社会>とは呼ばない。そういうのは、

<カルト>

って言うんだ。

と同時に、

『コミュニティのルールに従ってないのにそこの制度の恩恵を受けられると考えるのは筋違い』

なのも事実ではある。

『人間として扱ってもらえる』

ことと、

『コミュニティの恩恵に与れる』

のは別の話なわけで。

そこを混同すると、

『とにかく他所の国に入国すればそこの<支援制度>を無制限に受けられる』

なんておかしな考え方をするようになってしまうんだろう。残念ながらそんなムシのいい話は存在しないし、ここでもそういうのはさすがに取り入れるつもりはない。

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