未開の惑星に不時着したけど帰れそうにないので人外ハーレムを目指してみます(Ver.02)

京衛武百十

文字の大きさ
上 下
2,189 / 2,653
第四世代

ホビットMk-Ⅱ編 トラブル

しおりを挟む
新暦〇〇三九年十月十八日



だが、

<人間の集団を再現するシミュレーション>

を行っているということは、

<人間の集団にはつきもののトラブル>

についてのシミュレーションも行われるということでもある。

<花を育てるホビットMk-Ⅱ>がいるなら、

<花を育てるホビットMk-Ⅱに反発するホビットMk-Ⅱ>

もいるということだ。

人間社会においても、他人が育てている花などを荒らす輩がいたよな。なんでそんなことをするのか、その行為に一体なんの道理があるのかさっぱりだが、なぜかそんなことをしでかすのが、現にいる。

で、この日、

「コンナモノ! コンナモノ!」

と声を上げながら、花壇の花をなぎ倒すホビットMk-Ⅱがいた。

だが、考えてみればなぜそんなことをする必要がある? 

<他人が育てている花に害を及ぼさなければいけない理由>

とはなんだ?

なぜそんなことをせずにいられない? その結果に至るまでになにがあったと考えられる?

「ヤメテ! ハナガカワイソウ!」

<花を育てるホビットMk-Ⅱ>が、両手をかざして制止しようとする。その姿自体が普通に、

『可哀想』

だよな? そう感じるのが<普通>だよな? それなのに、なぜ、<花を荒らすホビットMk-Ⅱ>はそんなことができる?

<共感性>がないからか?

<悪辣>だからか?

<花を育てるホビットMk-Ⅱ>の哀れな姿を見て留飲を下げたいからか?

もしそうだとすれば、なぜ『留飲を下げたい』と願う?

この結果に至るまでにどんな背景があったと推測できる?

<今回のケース>については、実は、

<隣家との境界問題>

が設定されていた。<花を育てるホビットMk-Ⅱ>が作る花壇が、隣に建つ家の境界をわずかに侵してたんだ。と言っても、精々十センチ程度だが。

そのことに対して<花を荒らすホビットMk-Ⅱ>の方は、再三、

「ココハウチノトチダ。カダンヲテッキョシテクレ」

と申し入れていた。なのに、<花を育てるホビットMk-Ⅱ>の方は、

「デモ、セッカクサイテルンダカラ、ハナガカワイソウ。ハナニハソンナノカンケイイナイ」

として取り合ってくれなかったんだ。

どうだ? こうなると途端に印象が違ってこないか? 

<花を愛する健気なホビットMk-Ⅱ>

が、

<花ばかりを見ていて他者を蔑ろにする偏狭な輩>

に見えてこないか?

<印象>なんてのはその程度の危ういものだ。このシミュレーションは、それを改めて確認するためのものでもある。

その上で、

「ヤメロ! ナンテヒドイコトヲスルンダ!」

と、

<花を荒らすホビットMk-Ⅱを制そうとするホビットMk-Ⅱ>

も現れたのだった。

しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!

仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。 しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。 そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。 一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった! これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴
ファンタジー
転生したのは男性が少ない世界!?貴族に生まれたのはいいけど、どういう風に生きていこう…? 最新章の第五章も夕方18時に更新予定です! ☆の話は苦手な人は飛ばしても問題無い様に物語を紡いでおります。 ※ホットランキング1位、ファンタジーランキング3位ありがとうございます! ※カクヨム様にも投稿しております。内容が大幅に異なり改稿しております。 ※各種ランキング1位を頂いた事がある作品です!

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

冤罪だと誰も信じてくれず追い詰められた僕、濡れ衣が明るみになったけど今更仲直りなんてできない

一本橋
恋愛
女子の体操着を盗んだという身に覚えのない罪を着せられ、僕は皆の信頼を失った。 クラスメイトからは日常的に罵倒を浴びせられ、向けられるのは蔑みの目。 さらに、信じていた初恋だった女友達でさえ僕を見限った。 両親からは拒絶され、姉からもいないものと扱われる日々。 ……だが、転機は訪れる。冤罪だった事が明かになったのだ。 それを機に、今まで僕を蔑ろに扱った人達から次々と謝罪の声が。 皆は僕と関係を戻したいみたいだけど、今更仲直りなんてできない。 ※小説家になろう、カクヨムと同時に投稿しています。

プール終わり、自分のバッグにクラスメイトのパンツが入っていたらどうする?

九拾七
青春
プールの授業が午前中のときは水着を着こんでいく。 で、パンツを持っていくのを忘れる。 というのはよくある笑い話。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にいますが会社員してます

neru
ファンタジー
30を過ぎた松田 茂人(まつだ しげひと )は男女比が1対100だったり貞操概念が逆転した世界にひょんなことから転移してしまう。 松本は新しい世界で会社員となり働くこととなる。 ちなみに、新しい世界の女性は全員高身長、美形だ。 PS.2月27日から4月まで投稿頻度が減ることを許して下さい。

処理中です...