未開の惑星に不時着したけど帰れそうにないので人外ハーレムを目指してみます（Ver.02）

第四世代

閑話休題 錬慈の日常 その4

なお、錬慈れんじが暮らしている＜集落＞には、同年代の子供はもう一人いた。

名前は、＜メイ＞。錬慈れんじにとっては＜姪孫てっそん＞にあたる。＜甥の子供＞ということだ。

メイは、光ひかりと同じく錬慈れんじの異母姉である＜明めい＞の孫であり、父親は＜鋭えい＞。母親は＜玲れい＞。

種族は＜マンティアン＞でありながら、見た目はやはり地球人そのものだった。

実年齢はこれまた同じく三歳。八ヶ月ほどメイの方が上なだけだが、外見上は七～八歳くらいに見える。パパニアンやマンティアンは地球人に比べて倍以上成長が早いからだ。

ただ、錬慈れんじとよく遊んでくれる萌花ほのかと違い、メイはほとんど関わること自体がなかった。同じ集落に住んでいながら、家はそれこそすぐ近所ながら、姿さえ滅多に見せない。

というのも、マンティアンという種族そのものが＜隠形＞を得意とし、自身の存在を周囲に悟らせないようにするのが当たり前だからである。ゆえに、実際には視界に捉えられていても錬慈れんじには認識できないということが多々あった。

だが、それ自体、誰も気にすることはないし、錬慈れんじも気にしていない。

『そういうものだ』

と知っているからだ。

かといって、『仲が悪い』というわけでもない。お互いに干渉することがないというだけにすぎない。

干渉する必要がないからだ。相手に危害を加えるようなことをしないのだから。

同じ集落に暮らしているからといって、過剰に干渉することはしない。それもまた、ここでは当たり前のことだった。それぞれのペースや生活サイクルを尊重し、必要ならば関わることもするものの、そうじゃなければ基本はそっとしておくのである。

これは、錬是れんぜやシモーヌが、地球人社会において過干渉が元でトラブルになった事例を知っているからこその方針だった。

かつて地球人社会における＜村社会＞では、互いに積極的に力を合わせなければ生きていくことさえ難しかったがゆえにそのような関わり方が育まれてきたのだろうが、ロボットが日常的に当たり前にサポートしてくれるようになった現代では、むしろ＜無用の長物＞と化していた。にも拘わらず、地球人社会ではそのような慣習が今なお根強く残り続けて、トラブルの原因となっていたりもした。

しかし、錬慈れんじが暮らしているここでは、ロボットは最初から存在していて、生きていくためのリソースでありライフラインそのものになってくれていた。となれば、何も、

＜地球における村社会＞

の在り方をそのまま踏襲する必要もない。ここはここの在り方を作り出していけばいいだけなのだ。