2,152 / 2,643
第四世代
丈編 ゴミ問題
しおりを挟む
ホビットMk-Ⅱが手にしたヤリの穂先で心臓を突き破られほぼ即死状態だった猪竜が断末魔の痙攣を見せ、それもすぐに収まって、完全な死を迎えた。
命が一つここで終わりを迎え、そして俺達の命を繋ぐ<糧>となってくれる、
もし俺達が食わなくても、その辺に放っておけば他の命の糧となるから、決して無駄にはならない。<焼却処分>するよりはよっぽど理に適ってるさ。
まあ、人間社会の場合は、そうやって人間の食料として命を落とす生き物の数が多すぎてその辺に放置すれば悪臭を放ち疫病の原因ともなったりするだろうから、焼却することで対処するしかないという面もあるのも事実なのは分かってるさ。
しかし、今の朋群の場合だと、人間の数も本当に知れてるし、俺達がそうして奪う命よりも、他の生き物達が生きるために奪う命の方が圧倒的に多いから、そこにまぎれてしまって大きな問題にならないというのは確かにあるんだよな。
とは言え、<ゴミ問題>というのは人間社会においてはいつの世も蔑ろにできないものだから、今の段階からきちんと考えておかなきゃいけないとも思う。
ちなみに、俺達が使ってる<トイレ>は、基本的に仮設のそれを基にしたものだ。排泄物を貯めるタンクが自動で水分と固形物に分別してくれて、固形物についてはレーザーで焼却され灰になり、水分についても<蒸留>という形で処理されて無害化した上で川に流している。
これには結構な電力が必要だから、
『電気を買う』
というのが当たり前だった頃にはコストがかかりすぎて現実的じゃなかったらしいのが、高性能高効率な原子力電池である<アミダ・リアクター>の実用化に伴って、ほぼ無制限に格安で電力が手に入るようになり、実用性が確保されたというのもあるらしい。
大規模な下水設備を整えるよりも手軽に設置できるというんで、それなりの規模の住宅街なんかでもそのタイプのトイレが使われたりもしてるらしい。
が、メンテナンスとその費用については当然ながら所有者側の負担になるから、従来の下水施設が整備されてる地域とかだと、やっぱりそのまま下水に流すタイプが主流らしいけどな。それなら上物だけの負担で済むし、何より構造が単純になるから壊れる可能性も格段に減るわけで。
その代わり、下水施設へ繋ぐための工事が必要だから、その手間と費用は当然ながら必要になるしで、まあ一長一短って話だ。どちらを選ぶかは利用者次第だな。よく検討して自分で決めればいいさ。
命が一つここで終わりを迎え、そして俺達の命を繋ぐ<糧>となってくれる、
もし俺達が食わなくても、その辺に放っておけば他の命の糧となるから、決して無駄にはならない。<焼却処分>するよりはよっぽど理に適ってるさ。
まあ、人間社会の場合は、そうやって人間の食料として命を落とす生き物の数が多すぎてその辺に放置すれば悪臭を放ち疫病の原因ともなったりするだろうから、焼却することで対処するしかないという面もあるのも事実なのは分かってるさ。
しかし、今の朋群の場合だと、人間の数も本当に知れてるし、俺達がそうして奪う命よりも、他の生き物達が生きるために奪う命の方が圧倒的に多いから、そこにまぎれてしまって大きな問題にならないというのは確かにあるんだよな。
とは言え、<ゴミ問題>というのは人間社会においてはいつの世も蔑ろにできないものだから、今の段階からきちんと考えておかなきゃいけないとも思う。
ちなみに、俺達が使ってる<トイレ>は、基本的に仮設のそれを基にしたものだ。排泄物を貯めるタンクが自動で水分と固形物に分別してくれて、固形物についてはレーザーで焼却され灰になり、水分についても<蒸留>という形で処理されて無害化した上で川に流している。
これには結構な電力が必要だから、
『電気を買う』
というのが当たり前だった頃にはコストがかかりすぎて現実的じゃなかったらしいのが、高性能高効率な原子力電池である<アミダ・リアクター>の実用化に伴って、ほぼ無制限に格安で電力が手に入るようになり、実用性が確保されたというのもあるらしい。
大規模な下水設備を整えるよりも手軽に設置できるというんで、それなりの規模の住宅街なんかでもそのタイプのトイレが使われたりもしてるらしい。
が、メンテナンスとその費用については当然ながら所有者側の負担になるから、従来の下水施設が整備されてる地域とかだと、やっぱりそのまま下水に流すタイプが主流らしいけどな。それなら上物だけの負担で済むし、何より構造が単純になるから壊れる可能性も格段に減るわけで。
その代わり、下水施設へ繋ぐための工事が必要だから、その手間と費用は当然ながら必要になるしで、まあ一長一短って話だ。どちらを選ぶかは利用者次第だな。よく検討して自分で決めればいいさ。
0
お気に入りに追加
194
あなたにおすすめの小説
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に二週目の人生を頑張ります
京衛武百十
ファンタジー
俺の名前は阿久津安斗仁王(あくつあんとにお)。いわゆるキラキラした名前のおかげで散々苦労もしたが、それでも人並みに幸せな家庭を築こうと仕事に精を出して精を出して精を出して頑張ってまあそんなに経済的に困るようなことはなかったはずだった。なのに、女房も娘も俺のことなんかちっとも敬ってくれなくて、俺が出張中に娘は結婚式を上げるわ、定年を迎えたら離婚を切り出されれるわで、一人寂しく老後を過ごし、2086年4月、俺は施設で職員だけに看取られながら人生を終えた。本当に空しい人生だった。
なのに俺は、気付いたら五歳の子供になっていた。いや、正確に言うと、五歳の時に危うく死に掛けて、その弾みで思い出したんだ。<前世の記憶>ってやつを。
今世の名前も<アントニオ>だったものの、幸い、そこは中世ヨーロッパ風の世界だったこともあって、アントニオという名もそんなに突拍子もないものじゃなかったことで、俺は今度こそ<普通の幸せ>を掴もうと心に決めたんだ。
しかし、二週目の人生も取り敢えず平穏無事に二十歳になるまで過ごせたものの、何の因果か俺の暮らしていた村が戦争に巻き込まれて家族とは離れ離れ。俺は難民として流浪の身に。しかも、俺と同じ難民として戦火を逃れてきた八歳の女の子<リーネ>と行動を共にすることに。
今世では結婚はまだだったものの、一応、前世では結婚もして子供もいたから何とかなるかと思ったら、俺は育児を女房に任せっきりでほとんど何も知らなかったことに愕然とする。
とは言え、前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に、何とかしようと思ったのだった。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
でも周りは全くハッピーじゃないです。
小説家になろう様でも投稿しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/love.png?id=38b9f51b5677c41b0416)
母に理不尽に当たり散らされたことで家出した私は――見知らぬ世界に転移しました!?
四季
恋愛
幼い頃、同居していた祖母から言われたことがあった。
もしも嫌なことがあったなら、電話の下の棚から髪飾りを取り出して持っていって、近所の神社の鳥居を両足でくぐりなさい――。
◆
十七歳になった真琴は、ある日母に理不尽に当たり散らされたことで家出した。
彼女が向かったのは神社。
その鳥居をくぐると――?
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
お花畑な母親が正当な跡取りである兄を差し置いて俺を跡取りにしようとしている。誰か助けて……
karon
ファンタジー
我が家にはおまけがいる。それは俺の兄、しかし兄はすべてに置いて俺に勝っており、俺は凡人以下。兄を差し置いて俺が跡取りになったら俺は詰む。何とかこの状況から逃げ出したい。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
こおりのほしのねむりひめ(ほのぼのばーじょん)
京衛武百十
ファンタジー
厚さ数キロの氷に閉ざされた自由惑星<ハイシャイン>。その氷の下に僅かに残された人間の世界に生まれ育った浅葱(あさぎ)は、十三歳を迎え一人前の砕氷(さいひ)となるべく先人達が永久凍土を掘り進めた氷窟に挑む。そこで彼女が事故のようにして巡り会ったのは、氷点下四十度の中で眠り続ける、女性の姿をした何者かであった。浅葱はそれを<ねむりひめ>と名付け、村へと連れ帰ろうとするのだが……。
筆者より。
なろうで連載していた「凍結惑星 ~こおりのほしのねむりひめ~」の、表現をマイルドにした<ほのぼのばーじょん>です。「凍結惑星 ~こおりのほしのねむりひめ~」を読むときの感じで読もうとするとずっこけるようなものしたいと思います。科学的な考証とかにはなるべく拘りたくない。と、思います(努力します)。
ちなみに筆者自身は登場人物達を三頭身くらいのデフォルメキャラという感じで脳内再生しています。
![](https://www.alphapolis.co.jp/v2/img/books/no_image/novel/fantasy.png?id=6ceb1e9b892a4a252212)
無限に進化を続けて最強に至る
お寿司食べたい
ファンタジー
突然、居眠り運転をしているトラックに轢かれて異世界に転生した春風 宝。そこで女神からもらった特典は「倒したモンスターの力を奪って無限に強くなる」だった。
※よくある転生ものです。良ければ読んでください。 不定期更新 初作 小説家になろうでも投稿してます。 文章力がないので悪しからず。優しくアドバイスしてください。
改稿したので、しばらくしたら消します
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる