未開の惑星に不時着したけど帰れそうにないので人外ハーレムを目指してみます(Ver.02)

京衛武百十

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第四世代

丈編 彼女を愛せてしまっている

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これまでにも何度も触れてきたことだが、俺はエレクシアを愛してる。

だが、メイトギアであるエレクシアに<心>はない。彼女のアルゴリズムに<矛盾>はない。矛盾してるように見える振る舞いをしたとしても、それはきちんとアルゴリズムに則ったものだ。

それでも俺はエレクシアを愛してる。

なぜか? 理由は簡単だ。それは俺が<人間>だからだ。心を持った人間であるからこそ、<心を持たないロボット>さえ愛することができてしまう。

なるほど人間以外の動物でも無生物に対して求愛行動を見せることもあるが、人間はそれに対してロマンチシズムを見出してしまうが、<行動生物学><環境生物学>等の専門家であるレックスに言わせると、

「それはあくまで対象を自身のパートナー足り得る存在だと誤認しているからに過ぎないことは確認されているんだ。平たく言えば脳の誤作動だね」

と、身も蓋もない返事が返ってくる。これに対してもロマンチシズムに囚われた人間達は『そんなはずはない!』と感情的になってしまうが、残念ながら脳の活動状態を詳細に確認できるだけの医療技術が確立されているからこそ確かめられたことなんだよ。

しかし人間の場合は、対象が『人間じゃない』と認識できた上で恋愛感情を抱いてしまうことができる生き物だ。これもまあ、<脳の誤作動>と言ってしまえばそういうことにもなるらしいが、ただ人間の場合はこれが<心>にも深く結びついてしまっていることで、単純に、

『脳の誤作動なんだから目を覚ませ!』

では済まないのも事実なんだと。

だから、ロボットと<結婚>する者も実際いるし、かつては<建造物>と結婚した者もいたそうだ。それに比べればロボットでさえない<人形>と結婚したり、フィクションのキャラクターと結婚したりなんて、可愛いもんだよな。

いずれにせよ、エレクシアがロボットであり心を持たないことも理解した上で、俺は彼女を愛してるんだ。彼女がそういう俺の気持ちには応えてくれないのも分かってるさ。それが分かっていても彼女を愛せてしまっている。

この気持ちを『理解できる』なんて言われたら、俺はたぶん、鼻で笑ってしまうだろう。俺自身にもこれをどう解釈すればいいのか分からないってのに、俺のことをロクに知りもしない奴が、

『気持ちは分かる』

なんて、滑稽を通り越して呆れてしまうね。そいつが思っているのはあくまで<そいつが想像している中での俺の心>であって、実際の<俺の心>じゃない。

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