2,135 / 2,666
第四世代
丈編 そこが気に入ってる
しおりを挟む
『幽霊が怖いから退治してくれ』
そう命令しても、セシリアやメイフェアやイレーネやアリアンや鈴夏は、
『<幽霊>なる警戒すべき対象は確認できません。存在しない脅威に対処することはできません』
と応えるだろう。これは、製造時期に二千年以上の開きがあるからだ。その間に人間の心理に対する研究も進んだことで、あくまで、
<人間の精神を安定させるための手法の一つ>
として、
<オカルトにしか見えない対処法>
も敢えて取り入れることができるようになったからでもある。
あるが、
『何をおっしゃってるんですか? マスター。幽霊なるものの存在は確認されていません』
エレクシアはそう応えるに違いない。前のオーナーがそう応えるようにカスタマイズしたからな。
まあ俺としてはそこが気に入ってるんだけどな。
『ないものはない』
ときっぱりと応えてくれるのが<ロボットの良さ>だと俺なんかは感じるんだよ。何度も言ってきたと思うが、
『人間じゃないものが人間のように振る舞う』
のは、何とも言えない違和感と言うか<気持ち悪さ>があるんだ。
それでも、アリスやドライツェンやドーベルマンDK-aやドーベルマンMPMやホビットMk-ⅠやホビットMk-Ⅱが<人間っぽい振る舞い>をするのはむしろ微笑ましささえあるかもしれない。かもしれないが、見た目からしてほとんど人間と変わらないメイトギアが人間そのものの振る舞いをするのは逆に不気味に思えてしまうんだよな。そう感じる人間(地球人)も少なからずいた。
それこそ病的なまでに毛嫌いする奴が<AI・ロボット排斥主義>に走ってしまうくらいには。
その辺りの心理の研究も進んでたから、敢えて<ロボットらしい振る舞い>についてもできるように設定できたりはするんだ。それなりの機種になると。
ただ、エレクシアはこれまでも触れてきたように、地方の弱小メーカーが後追いで製造したそれだったのもあって、実は標準ではそういう設定ができるような仕様にはなってなかった。なってなかったが、相応の知識がある人間ならまあカスタマイズだって不可能じゃないというのはある。標準の設定画面にはそれが表示されないというだけで、専用のアプリをかませればいくらか設定を書き換えるくらいのことはできるんだそうだ。
もっとも、そんなことをしたらメーカー保証は受けられなくなるけどな。
エレクシアはワンオーナーの中古品だったから少なくとも前のオーナーは新品で買ったはずだが、敢えてメーカー保証を捨ててまでカスタマイズしたということだな。
これもガジェット好きのギークなら『あるある』ってヤツか。
そう命令しても、セシリアやメイフェアやイレーネやアリアンや鈴夏は、
『<幽霊>なる警戒すべき対象は確認できません。存在しない脅威に対処することはできません』
と応えるだろう。これは、製造時期に二千年以上の開きがあるからだ。その間に人間の心理に対する研究も進んだことで、あくまで、
<人間の精神を安定させるための手法の一つ>
として、
<オカルトにしか見えない対処法>
も敢えて取り入れることができるようになったからでもある。
あるが、
『何をおっしゃってるんですか? マスター。幽霊なるものの存在は確認されていません』
エレクシアはそう応えるに違いない。前のオーナーがそう応えるようにカスタマイズしたからな。
まあ俺としてはそこが気に入ってるんだけどな。
『ないものはない』
ときっぱりと応えてくれるのが<ロボットの良さ>だと俺なんかは感じるんだよ。何度も言ってきたと思うが、
『人間じゃないものが人間のように振る舞う』
のは、何とも言えない違和感と言うか<気持ち悪さ>があるんだ。
それでも、アリスやドライツェンやドーベルマンDK-aやドーベルマンMPMやホビットMk-ⅠやホビットMk-Ⅱが<人間っぽい振る舞い>をするのはむしろ微笑ましささえあるかもしれない。かもしれないが、見た目からしてほとんど人間と変わらないメイトギアが人間そのものの振る舞いをするのは逆に不気味に思えてしまうんだよな。そう感じる人間(地球人)も少なからずいた。
それこそ病的なまでに毛嫌いする奴が<AI・ロボット排斥主義>に走ってしまうくらいには。
その辺りの心理の研究も進んでたから、敢えて<ロボットらしい振る舞い>についてもできるように設定できたりはするんだ。それなりの機種になると。
ただ、エレクシアはこれまでも触れてきたように、地方の弱小メーカーが後追いで製造したそれだったのもあって、実は標準ではそういう設定ができるような仕様にはなってなかった。なってなかったが、相応の知識がある人間ならまあカスタマイズだって不可能じゃないというのはある。標準の設定画面にはそれが表示されないというだけで、専用のアプリをかませればいくらか設定を書き換えるくらいのことはできるんだそうだ。
もっとも、そんなことをしたらメーカー保証は受けられなくなるけどな。
エレクシアはワンオーナーの中古品だったから少なくとも前のオーナーは新品で買ったはずだが、敢えてメーカー保証を捨ててまでカスタマイズしたということだな。
これもガジェット好きのギークなら『あるある』ってヤツか。
0
お気に入りに追加
196
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に二週目の人生を頑張ります
京衛武百十
ファンタジー
俺の名前は阿久津安斗仁王(あくつあんとにお)。いわゆるキラキラした名前のおかげで散々苦労もしたが、それでも人並みに幸せな家庭を築こうと仕事に精を出して精を出して精を出して頑張ってまあそんなに経済的に困るようなことはなかったはずだった。なのに、女房も娘も俺のことなんかちっとも敬ってくれなくて、俺が出張中に娘は結婚式を上げるわ、定年を迎えたら離婚を切り出されれるわで、一人寂しく老後を過ごし、2086年4月、俺は施設で職員だけに看取られながら人生を終えた。本当に空しい人生だった。
なのに俺は、気付いたら五歳の子供になっていた。いや、正確に言うと、五歳の時に危うく死に掛けて、その弾みで思い出したんだ。<前世の記憶>ってやつを。
今世の名前も<アントニオ>だったものの、幸い、そこは中世ヨーロッパ風の世界だったこともあって、アントニオという名もそんなに突拍子もないものじゃなかったことで、俺は今度こそ<普通の幸せ>を掴もうと心に決めたんだ。
しかし、二週目の人生も取り敢えず平穏無事に二十歳になるまで過ごせたものの、何の因果か俺の暮らしていた村が戦争に巻き込まれて家族とは離れ離れ。俺は難民として流浪の身に。しかも、俺と同じ難民として戦火を逃れてきた八歳の女の子<リーネ>と行動を共にすることに。
今世では結婚はまだだったものの、一応、前世では結婚もして子供もいたから何とかなるかと思ったら、俺は育児を女房に任せっきりでほとんど何も知らなかったことに愕然とする。
とは言え、前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に、何とかしようと思ったのだった。

なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた
下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。
ご都合主義のハッピーエンドのSSです。
でも周りは全くハッピーじゃないです。
小説家になろう様でも投稿しています。

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。


Sランク昇進を記念して追放された俺は、追放サイドの令嬢を助けたことがきっかけで、彼女が押しかけ女房のようになって困る!
仁徳
ファンタジー
シロウ・オルダーは、Sランク昇進をきっかけに赤いバラという冒険者チームから『スキル非所持の無能』とを侮蔑され、パーティーから追放される。
しかし彼は、異世界の知識を利用して新な魔法を生み出すスキル【魔学者】を使用できるが、彼はそのスキルを隠し、無能を演じていただけだった。
そうとは知らずに、彼を追放した赤いバラは、今までシロウのサポートのお陰で強くなっていたことを知らずに、ダンジョンに挑む。だが、初めての敗北を経験したり、その後借金を背負ったり地位と名声を失っていく。
一方自由になったシロウは、新な町での冒険者活動で活躍し、一目置かれる存在となりながら、追放したマリーを助けたことで惚れられてしまう。手料理を振る舞ったり、背中を流したり、それはまるで押しかけ女房だった!
これは、チート能力を手に入れてしまったことで、無能を演じたシロウがパーティーを追放され、その後ソロとして活躍して無双すると、他のパーティーから追放されたエルフや魔族といった様々な追放少女が集まり、いつの間にかハーレムパーティーを結成している物語!

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。
だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった
何故なら、彼は『転生者』だから…
今度は違う切り口からのアプローチ。
追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。
こうご期待。

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる