未開の惑星に不時着したけど帰れそうにないので人外ハーレムを目指してみます（Ver.02）

第四世代

丈編 命令

ただ同時に、

『主人公とヒロインが新しい惑星のアダムとイブになるという結末にリアリティとやらがあるとは俺は感じない』

なんてのもあくまで俺がそう感じてるだけだし、実際に自殺同然で夢色星団に飛び込んだ俺がこうして＜朋群ほうむ人の祖＞になろうとしてる現実もあって、でもそれを、

『リアリティがない！』

と感じる人間もいるだろうしで、まあ何を＜リアリティ＞と感じるかは人それぞれだよな。

加えて、完全に消息が分からなくなった事例の中にそういうのがないとも言い切れないし。

まあ、たった二人生き残ったところで＜種としての人間＞が果たして存続できるかどうかはまた別の話だが。

ここだって、あくまで、

＜コーネリアス号の乗員達の遺伝子情報を取り込んだ不定形生物が変化した獣人＞

や、

＜コーネリアス号の乗員を再現した人間＞

がいたことで＜種としての人間＞が存続できてるだけだしな。

完全に人間が俺一人だったらさすがにこうはなってないだろう。そもそも密ひそかや刃じんや伏ふくや鷹ようが俺の子供を宿すことのない＜まったく別の種＞だったらその時点で話は終わってたし。

もちろんこれ自体が奇跡のような話だから他にもほいほいあるとは思わないものの、

『可能性はゼロではない』

のも事実だろうさ。だから、無謀なことをした連中の子孫がこの宇宙のどこかで生き延びてたって不思議じゃないとは俺は思う。

もっともそれと出会えるかどうかは、これまた別の話だ。

もし万が一出会えたとしたら、もはや＜異星人＞と言っていいかもしれないくらいになってるかもな。朋群ほうむ人はそれこそ、

『地球人じゃない』

し。＜地球人社会製AI＞はそう認識してる。つまり地球人社会での規定では、

『朋群ほうむ人は地球人じゃない』

と確定してるわけだ。

だからこそ、

＜朋群ほうむ人を人間として認識できるAI＞

の建造が必要になってきてるわけで。

とにかく俺が生きてるうちにそれを実現しないとな。ビアンカや久利生くりうやシオやレックスと同じ人間達を今後も救出できれば引き継いでくれる可能性も高いものの、むしろ彼ら彼女ら自身も自分達を人間として認識できるAIの存在は必要だろうから間違いなくそれを目指すであろうものの、現状で地球人である俺がいるのといないのとでは、いろいろ手間も変わってきそうだしな。

『朋群ほうむ人と穏当に共存しろ』

と地球人である俺が命令することは大事だと思う。

今でももちろんそう命令してるが、＜朋群ほうむ人を人間として認識できるAI＞が存在してる状態でそう命令した方がより確実だろうさ。