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第四世代
丈編 それもまた現実
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まだAIが<玩具>同然だった頃にさえ、チェスや将棋や囲碁といった<頭脳ゲーム>で人間を上回ることができてたらしいな。なのに、日常生活においての実用性は皆無に等しかったとも聞く。だからAIを馬鹿にしてる見下してる軽んじてる人間も多かったとも。
だが、経験そのものを完全な形で引き継ぐことができない人間と違って、AIは<データ>としてそのままを蓄積していくことができる。さらに、人間の歴史を詳細に分析してそこからも、
<人間という生き物の思考パターン>
を解析することができるわけだ。
対して人間は、自分達の歴史からすらまともに学ぼうとしなかったよな。歴史上の重大な事件を教訓として活かすことができずに、何度も同じ失敗を繰り返してきたりしたよな。
歴史から学ぶだけでも、
<人間が思う神>
などというものが実在しないことは明白なのに、
『自分達の行いの責任を擦り付けるために<神>という概念をでっち上げた』
のは明白なのに、六十世紀を迎えてもなお、<神>の存在に縋る人間(地球人)がいなくならなかったのは紛れもない事実だ。
対してAIは、
『存在しないものは存在しない』
と認識できる。<心>を持たないからこそ<存在しないものに縋る必要>もない。それによって心を守る必要もない。人間(地球人)が『存在しないものに縋る』のは、結局は心を守るためだしな。それが、
<心を持つことの弱み>
でもある。
だが同時に、人間(地球人)は心を持つからこそ、
『より自身を高めて向上していこうと思えた』
のもまた事実だと分かっている。
心を持つことは<弱点>でありながら<強み>でもあるんだ。
AIもその点は認めてくれている。認めた上で、
<心を持つ人間という生き物とは別の視点>
を持つことに成功したんだ。
心を持たないから人間(地球人)ほどの強烈な向上心は持ち得ないが、半面、心を持たないからこそ事実を事実として正確に認識することもできる。人間のようにバイアスによって事実を捻じ曲げてしまったりもしない。
『人間という生き物が思い付くことは、それがどんなに荒唐無稽で有り得ないと感じることであっても実行してくる場合もある』
と、AIは理解してるし考えることもできる。テロリストが実行しようと考えることを、膨大な人間の思考パターンを基に予測もできる。できるが、それでもなお百パーセントの確率でテロ未然に防ぐことは、いまだになしえていない。人間同士の紛争を完全に回避するすることは、なしえていない。
それもまた現実だったりもする。
だが、経験そのものを完全な形で引き継ぐことができない人間と違って、AIは<データ>としてそのままを蓄積していくことができる。さらに、人間の歴史を詳細に分析してそこからも、
<人間という生き物の思考パターン>
を解析することができるわけだ。
対して人間は、自分達の歴史からすらまともに学ぼうとしなかったよな。歴史上の重大な事件を教訓として活かすことができずに、何度も同じ失敗を繰り返してきたりしたよな。
歴史から学ぶだけでも、
<人間が思う神>
などというものが実在しないことは明白なのに、
『自分達の行いの責任を擦り付けるために<神>という概念をでっち上げた』
のは明白なのに、六十世紀を迎えてもなお、<神>の存在に縋る人間(地球人)がいなくならなかったのは紛れもない事実だ。
対してAIは、
『存在しないものは存在しない』
と認識できる。<心>を持たないからこそ<存在しないものに縋る必要>もない。それによって心を守る必要もない。人間(地球人)が『存在しないものに縋る』のは、結局は心を守るためだしな。それが、
<心を持つことの弱み>
でもある。
だが同時に、人間(地球人)は心を持つからこそ、
『より自身を高めて向上していこうと思えた』
のもまた事実だと分かっている。
心を持つことは<弱点>でありながら<強み>でもあるんだ。
AIもその点は認めてくれている。認めた上で、
<心を持つ人間という生き物とは別の視点>
を持つことに成功したんだ。
心を持たないから人間(地球人)ほどの強烈な向上心は持ち得ないが、半面、心を持たないからこそ事実を事実として正確に認識することもできる。人間のようにバイアスによって事実を捻じ曲げてしまったりもしない。
『人間という生き物が思い付くことは、それがどんなに荒唐無稽で有り得ないと感じることであっても実行してくる場合もある』
と、AIは理解してるし考えることもできる。テロリストが実行しようと考えることを、膨大な人間の思考パターンを基に予測もできる。できるが、それでもなお百パーセントの確率でテロ未然に防ぐことは、いまだになしえていない。人間同士の紛争を完全に回避するすることは、なしえていない。
それもまた現実だったりもする。
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