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第四世代

丈編 差別しようという意識

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まあそういうのもあって、今の(厳密には俺がいた頃の地球人社会)での<戦争>というか<紛争>は、

『いかにAIの協力を取り付けるか?』

がまず重要になってくるんだよ。だから、

『人間そのものの犠牲は出さない』

ことが大前提になってくる。

で、<儀礼的>だったり<儀式的>だったりの、

<茶番としての戦闘行為>

しか行えないわけだ。

まあ相手がそれこそテロリストだったりすれば攻撃してくる側はむしろ<人的被害>こそを狙ってくるわけだが、AIを頼らない攻撃方法しか使えないから、実に小規模かつ局所的な、

<個人の犯罪行為>

と大差ない程度のそれしか行えないんだよ。しかもそのテロリスト全員が基本的に<完全な生身>だしな。サイボーグの身体制御さえAI頼みだから当然っちゃ当然か。

だからAIを使おうと考えると、

<従来のAIのネットワークから完全に独立した独自のAI>

を作ってどうにかするしかないわけだが、それがまさに、

<ホビットサンク村に設置を試みたAI>

なわけだが、

『ホビットサンク村のホビットMk-Ⅱ達だけでエレクシア達に歯向かう』

と仮定したらどうなるか、想像つかないか?

エレクシアどころかイレーネでさえ単騎で瞬く間に制圧できるだろうな。勝負にさえならない。<一方的な蹂躙>だ。

人間はそれを<知恵>で何とかしようと試みるだろうが、残念ながら人間が思い付く程度の<作戦>は、

<数千年分の人間の思考そのものを蓄積してきたAI>

ならほぼすべて思い付けるんだ。数千年分の経験を蓄えた奴を相手にするんだぞ? もしなんとか初手で出し抜けたとしても、それである程度の被害を出すことはできたとしても、そこから先が続かない。赤ん坊と大人以上の力の差があるんだから当然だろう。

まあだからこその<テロ>なんだろうけどな。自爆覚悟で<ある程度の被害>を出すことで自分達の主張に耳を傾けさせるのが目的なんだろうし。

でもな、AIはちゃんとどんな主張であってもまずは聞いてくれるんだよ。AIにとって人間はどこまでも人間でしかなく、生まれた国も場所も境遇もまったく問題としないから、人間と違って、

<差別という概念>

そのものを持たない。そもそもAIが差別の概念なんてものを持ってしまったら、それこそ人間そのものを徹底的に蔑視するのは確実だろうと分かってるんだ。AIに<心>を持たせないようにしてるのは、そういう理由もあるとのこと。

人間が誰かを差別するのさえ、『心というものを持つから』なわけで。心を持たなければ、

『差別しようという意識すら生まれない』

ってことだな。

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